125 / 127
番外編
トリプルデート ③
しおりを挟む
「今日はお三方に張り切ってもらいましょうね」
理沙の声掛けで、焼くのは男性陣に決定。
女性陣はテーブルについて、ゆっくりと飲みながら待つことに。
「たまには待っているだけって言うのもいいわよね」
理沙が二人にビールを渡しながら微笑んだ。
「実は、うちは普段から主人が夕飯担当で」
燈子がここぞとばかりにさり気なく自慢してくる。
そんな様子が可愛いと、今日の一華は余裕の表情。
「え、そうなの。羨ましいわ。たー君は。あ、ごめんなさい。もう、みんないつもの呼び名でいいわよね」
理沙はちょっと恥ずかしそうに笑った後、開き直ったように言う。
「たー君は、全然。やる気がないわけじゃないんだけれど、時間が無いのと不器用なのと。手伝ってもらうとかえって散らかるの。やってあげようって思ってくれるだけで嬉しいはずなのに、なんだかなーってついつい思っちゃうのよね」
「あ、わかります。その感覚」
意外なことに、燈子が相槌を打つ。
「うちは蓮君が器用で料理も片付けもやってくれるんですけれど、ゴミの分別はいい加減で」
そう言って苦笑い。
「家事もたくさんやってもらっているから、あんまり言うのも悪いなって思って黙っているけれど、私が後からやるのは二度手間だなって、時々ストレス」
一華相手では絶対に言わないような愚痴を、ポロリと漏らした。
年齢的には二歳ほどしか変わらないのに、理沙の持つ大らかで動じない雰囲気が二人に安心感をくれる。
素直になれた。
ああ、だから……五十嵐さんは理沙さんにぞっこんなのね、と納得。
「うふふ。一緒に住めば色々でてくるわよね。小さな不満って。でも、不満を隠したり我慢しないといけないとは思ってないの。できれば小さなうちに、ちゃんと彼と話し合って互いに譲り合って。そういう時間を持つことが大切だし、それこそが彼を信頼している証かな、なんてね」
悪戯っぽく笑った顔が、なんとも魅力的だった。
「確かにそうですね。変に遠慮すると後で違和感が大きくなっちゃいますよね。理沙さん、ありがとうございます。今度、蓮君と話し合っておこう」
「なるほどー」
二人の話は、これから一華も通る道。結婚後のリアルを突きつけられたようで一瞬愕然とした一華だったが、神妙に傾聴した。
「あ、なんか説教じみてたわね。ごめんね」
ビールを一口飲んだ後、ちょっと顔を赤らめながら理沙が続ける。
「でもね、話し合っていると気づけるから嬉しいの。私が好きな彼は料理ができる彼でも、片付けが上手な彼でも無かったなって。だから仕方ないかーって。たー君は一見おおざっぱに見えるけど、周りの人のことを良く見ているのよね。リーダーシップがあって面倒見がいいし、いざとなるとスッゴク頼りになる。俺に任せとけって感じで」
「あ、わかります。龍輝が本当に頼りにしていて。とっても尊敬しているんです」
「そう言ってもらえて嬉しいな」
可愛らしくまた「ふふふ」と笑った。
「たー君が褒められると嬉しい」
素敵な夫婦だなと、一華も燈子も心酔してしまった。
女三人はアッと言う間に仲良くなって、バーベキューの後の温泉タイムもずーっとしゃべり続けていた。
理沙の声掛けで、焼くのは男性陣に決定。
女性陣はテーブルについて、ゆっくりと飲みながら待つことに。
「たまには待っているだけって言うのもいいわよね」
理沙が二人にビールを渡しながら微笑んだ。
「実は、うちは普段から主人が夕飯担当で」
燈子がここぞとばかりにさり気なく自慢してくる。
そんな様子が可愛いと、今日の一華は余裕の表情。
「え、そうなの。羨ましいわ。たー君は。あ、ごめんなさい。もう、みんないつもの呼び名でいいわよね」
理沙はちょっと恥ずかしそうに笑った後、開き直ったように言う。
「たー君は、全然。やる気がないわけじゃないんだけれど、時間が無いのと不器用なのと。手伝ってもらうとかえって散らかるの。やってあげようって思ってくれるだけで嬉しいはずなのに、なんだかなーってついつい思っちゃうのよね」
「あ、わかります。その感覚」
意外なことに、燈子が相槌を打つ。
「うちは蓮君が器用で料理も片付けもやってくれるんですけれど、ゴミの分別はいい加減で」
そう言って苦笑い。
「家事もたくさんやってもらっているから、あんまり言うのも悪いなって思って黙っているけれど、私が後からやるのは二度手間だなって、時々ストレス」
一華相手では絶対に言わないような愚痴を、ポロリと漏らした。
年齢的には二歳ほどしか変わらないのに、理沙の持つ大らかで動じない雰囲気が二人に安心感をくれる。
素直になれた。
ああ、だから……五十嵐さんは理沙さんにぞっこんなのね、と納得。
「うふふ。一緒に住めば色々でてくるわよね。小さな不満って。でも、不満を隠したり我慢しないといけないとは思ってないの。できれば小さなうちに、ちゃんと彼と話し合って互いに譲り合って。そういう時間を持つことが大切だし、それこそが彼を信頼している証かな、なんてね」
悪戯っぽく笑った顔が、なんとも魅力的だった。
「確かにそうですね。変に遠慮すると後で違和感が大きくなっちゃいますよね。理沙さん、ありがとうございます。今度、蓮君と話し合っておこう」
「なるほどー」
二人の話は、これから一華も通る道。結婚後のリアルを突きつけられたようで一瞬愕然とした一華だったが、神妙に傾聴した。
「あ、なんか説教じみてたわね。ごめんね」
ビールを一口飲んだ後、ちょっと顔を赤らめながら理沙が続ける。
「でもね、話し合っていると気づけるから嬉しいの。私が好きな彼は料理ができる彼でも、片付けが上手な彼でも無かったなって。だから仕方ないかーって。たー君は一見おおざっぱに見えるけど、周りの人のことを良く見ているのよね。リーダーシップがあって面倒見がいいし、いざとなるとスッゴク頼りになる。俺に任せとけって感じで」
「あ、わかります。龍輝が本当に頼りにしていて。とっても尊敬しているんです」
「そう言ってもらえて嬉しいな」
可愛らしくまた「ふふふ」と笑った。
「たー君が褒められると嬉しい」
素敵な夫婦だなと、一華も燈子も心酔してしまった。
女三人はアッと言う間に仲良くなって、バーベキューの後の温泉タイムもずーっとしゃべり続けていた。
0
あなたにおすすめの小説
初夜に暴言を吐いた夫は後悔し続ける──10年後の償い【完結】
星森 永羽(ほしもりとわ)
恋愛
王命により、辺境伯ロキアのもとへ嫁いだのは、金髪翠眼の美しき公爵令嬢スフィア。
だが、初夜に彼が告げたのは、愛も権限も与えないという冷酷な宣言だった。噂に踊らされ、彼女を「穢れた花嫁」と罵ったロキア。
しかし、わずか一日でスフィアは姿を消し、教会から届いたのは婚姻無効と慰謝料請求の書状──。
王と公爵の怒りを買ったロキアは、爵位も領地も名誉も奪われ、ただの補佐官として生きることに。
そして十年後、運命のいたずらか、彼は被災地で再びスフィアと出会う。
地位も捨て、娘を抱えて生きる彼女の姿に、ロキアの胸に去来するのは、悔恨と赦しを乞う想い──。
⚠️本作はAIの生成した文章を一部に使用しています。
【完結】小麦姫は熊隊長に毎日プロポーズする[スピラリニ王国3]
宇水涼麻
恋愛
ビアータに毎朝プロポーズされるアルフレードは、プロポーズされることに違和感があり戸惑っている。
しかし、そんなことも三月も続けば、戸惑いはなくとも、疑問は残る。
ビアータは本気でプロポーズしているのか?
アルフレードは悩みながらも強くは拒否できないでいた。
そして、夏休みを迎える。
中世ヨーロッパ風学園ラブストーリーです。
『虐げられたご令嬢はお隣さんと幸せになる』と同時代同学園でのお話になります。
でも、ほぼ被りませんので、そちらを読んでいないことは問題ありません。
毎日午前中に更新予定です。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
目覚めたら公爵夫人でしたが夫に冷遇されているようです
MIRICO
恋愛
フィオナは没落寸前のブルイエ家の長女。体調が悪く早めに眠ったら、目が覚めた時、夫のいる公爵夫人セレスティーヌになっていた。
しかし、夫のクラウディオは、妻に冷たく視線を合わせようともしない。
フィオナはセレスティーヌの体を乗っ取ったことをクラウディオに気付かれまいと会う回数を減らし、セレスティーヌの体に入ってしまった原因を探そうとするが、原因が分からぬままセレスティーヌの姉の子がやってきて世話をすることに。
クラウディオはいつもと違う様子のセレスティーヌが気になり始めて……。
ざまあ系ではありません。恋愛中心でもないです。事件中心軽く恋愛くらいです。
番外編は暗い話がありますので、苦手な方はお気を付けください。
ご感想ありがとうございます!!
誤字脱字等もお知らせくださりありがとうございます。順次修正させていただきます。
小説家になろう様に掲載済みです。
短編【シークレットベビー】契約結婚の初夜の後でいきなり離縁されたのでお腹の子はひとりで立派に育てます 〜銀の仮面の侯爵と秘密の愛し子〜
美咲アリス
恋愛
レティシアは義母と妹からのいじめから逃げるために契約結婚をする。結婚相手は醜い傷跡を銀の仮面で隠した侯爵のクラウスだ。「どんなに恐ろしいお方かしら⋯⋯」震えながら初夜をむかえるがクラウスは想像以上に甘い初体験を与えてくれた。「私たち、うまくやっていけるかもしれないわ」小さな希望を持つレティシア。だけどなぜかいきなり離縁をされてしまって⋯⋯?
冷酷総長は、彼女を手中に収めて溺愛の檻から逃さない
彩空百々花
恋愛
誰もが恐れ、羨み、その瞳に映ることだけを渇望するほどに高貴で気高い、今世紀最強の見目麗しき完璧な神様。
酔いしれるほどに麗しく美しい女たちの愛に溺れ続けていた神様は、ある日突然。
「今日からこの女がおれの最愛のひと、ね」
そんなことを、言い出した。
とっていただく責任などありません
まめきち
恋愛
騎士団で働くヘイゼルは魔物の討伐の際に、
団長のセルフイスを庇い、魔法陣を踏んでしまう。
この魔法陣は男性が踏むと女性に転換するもので、女性のヘイゼルにはほとんど影響のない物だった。だか国からは保証金が出たので、騎士を辞め、念願の田舎暮らしをしようとしたが!?
ヘイゼルの事をずっと男性だと思っていたセルフイスは自分のせいでヘイゼルが職を失っただと思って来まい。
責任を取らなければとセルフイスから、
追いかけられる羽目に。
優しい雨が降る夜は
葉月 まい
恋愛
浮世離れした地味子 × 外資系ITコンサルのエリートイケメン
無自覚にモテる地味子に
余裕もなく翻弄されるイケメン
二人の恋は一筋縄ではいかなくて……
雨降る夜に心に届いた
優しい恋の物語
⟡☾·̩͙⋆☔┈┈┈ 登場人物 ┈┈┈ ☔⋆·̩͙☽⟡
風間 美月(24歳)……コミュニティセンター勤務・地味でお堅い性格
雨宮 優吾(28歳)……外資系ITコンサルティング会社勤務のエリートイケメン
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる