私の推しは雑草男子

涼月

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Step2 胡蝶蘭男子の部下になりました

ムスカリ①

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 ―――ムスカリって綺麗な色の花だなと思う。花言葉は『明るい未来』『通じ合う心』『絶望』『失望』だって。
 どうなっているんだろう。一つの体に真逆の物を抱えているなんて。俺には耐えられそうにない―――


 今日の言葉はちょっと切なかった。

 希望と絶望を併せ持った花『ムスカリ』。こんな言葉を背負わされてかわいそうと思ったけれど、花たちはそんなことを知らずに生きているんだろうな。
 
 そう思ったら、『ひなたぼっこ』さんに伝えたくなった。
 ムスカリたちは大丈夫だよって。

 同時に、どっちも捨てられないのが人間なのかもしれないって思う。

 だって、どんなに辛くて、あきらめようと思っても、あきらめられないのが人間なんだよ。きっと。 

 わたしだってそう。
 この職場しんどい。辞めたい。でも、辞めたくない。ここで負けたくない。

 そう思っているんだから。


「真山さん、お忙しいところすみません。私にも仕事をください」
「……ごめんなさいね。考えてもなかなか思いつかなくて」
「私、データの入力のような単純作業でもなんでもやりますから!」

 必死の願いが通じたのか、ほうっとため息を吐いた真山さんが、一つ仕事を分けてくれた。

「じゃあ、このデータを見てホテルの売り上げが伸び悩んでいる問題点と改善点を上げて欲しいんだけれど」
「え!」

 何ですって! いきなり難しい仕事が! どうしよう……

 やっと通じ合えた。未来は明るいって思ったのに、更に大きな不安感が頭をもたげてしまうのもまた、人間ならではかもしれないな。

 真山さん……わざと難しい仕事押し付けてきてませんかね?
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