私の推しは雑草男子

涼月

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Step2 胡蝶蘭男子の部下になりました

ムスカリ②

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 それはこのタカナシグループ創業の時からある、老舗ホテルの売り上げデータ。

 決して危うい数字には見えない。というより、何が何の数字だか良く分からないのが本音。
 どうしよう……

 伝統あるホテルなので、マスコミ向けの会見で利用されたり、大物政治家や芸能人などの御用達になっている。
 そのあたりの利用に関しては売り上げが下がっているようには見えない。でも、微妙に数字が下がってきているのは素人の私でもわかった。

 私のような若輩貧乏人には、縁の無い世界だから、どうしたらいいのかなんてちっともわからないわ。
 私たちが泊まれるわけじゃないから、私たちの好みに改装しても意味無いと思うし。

 若者の利用を増やしたかったら、もっと安くて面白いエンターテイメントテイストが無いとね。

 でも……だからと言って、老舗ホテルのグレードを下げるようなことはできないよね。

 あ、でも水回りのリニューアルをする予定みたいね。ということは、綺麗になるからいいね。

 そんなことを思いながら、数字を見ながらうんうん言っていると、真山さんから就業時間が過ぎたので帰っていいと言われた。

「でも、まだ……」
「あなたは派遣社員だから、必要のない残業はさせられないんです。お疲れ様でした」

 さっさとデータを回収して席へ帰って行ってしまった。

 はあ。結局何の役にもたっていないのよね。

 とぼとぼとエレベーターへ向かってボタンを押そうとしたら、後ろから軽快な足音が近づいてきた。

「お、今帰り? どう、慣れた?」
「あ、高梨室長」
 私は何と答えればいいのかわからず、黙ってとりあえず頷いておいた。あらぬ誤解をうけるのは、もうこれ以上NOサンキューだったから。

「なんか元気ないね。ちょっと話そうか」
 そう言って強引に私の右腕を掴むと、エレベーター横の小部屋へと引きづっていく。

 え! ちょ、ちょっと待って!

 私はプチパニックになりながらもそのまま部屋の中へと連れ込まれてしまったのだった。

 
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