私の推しは雑草男子

涼月

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Step3 胡蝶蘭男子の恋人役を務めることになりました

ツタバウンラン①

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 ちょっとざわざわした気持ちのまま、午後の仕事に戻る。

 でも、真山さんから新しい仕事をもらえたから、一歩前進できたかな。
 
 今度はブライダル部門の資料を渡されたの。ここのところ売り上げが伸び悩んでいるらしい。

「あなただったら、どんな結婚式を挙げたいと思うか。どんな結婚式だったら上げられるか。考えて案をいただけないかしら? 私だとどうしても呼びたいお友達も多いし、凝り性だからついついこだわりが強くなってしまって。でも、最近は家族単位でこじんまりという方が増えてきているでしょ。そんな時、何は外せるけれど、何は外せないのか。同じ派遣の仲間の方の意見をまとめてもらえると嬉しいわ」

 同じ派遣の方……お友達いないんですけれど……

 要は私みたいにナイナイづくしの人の感覚が知りたいということなのかな。

 お金無い、友達いない、家族もいない……当然彼氏もいないんだけれどね。

 だから、逆に想像することもできない。結婚式なんて、永遠に私の人生には訪れないイベントだわ。
 でも、もしも奇跡が起きて、結婚できるとしたら。

 何にもいらないけれど、やっぱり一番綺麗な私を見て欲しいかな。
 幸せな顔をした私を―――
 あなたと一緒にいられてこんなに幸せなんだよって、感謝を伝えられたら……それだけで充分なの。


 そう思ったら、急に心の中がヒュンと冷えた。

 この会社は人々に楽しい時間を提供することでお金をもらっている会社なんだなって。
 でも、そんなのは一部の余裕のある人たちの専売特許なのよ。
 きっと、この会社の人たちは気づいていないだろうけれど。

 私みたいに何も持っていないと、お金を出して楽しむことなんてできないの。
 お金のかからない楽しみ方しか知らない。
 目いっぱい想像力を駆使して、心の中で楽しむことしか、私は知らない。

 やっぱり世界が違うんだ。
 
 

 
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