私の推しは雑草男子

涼月

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Step3 胡蝶蘭男子の恋人役を務めることになりました

ツタバウンラン②

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 頑張ろうって思っていたのに……私はまた、落ち込んだ気持ちで家に辿り着いた。

 人生、そんなに簡単に未来が開けるわけないよね。
 いつだって不安な気持ちを捨て去ることなんて、できないんだと思う。

 残り物で夕食を作って、一体誰に相談したらいいのかと途方に暮れる。
 一応、私の意見だけじゃ無くて、誰かの話も聞かないと。

 思いつくのは一人しかいない。
 高校時代に一人だけ。今に繋がる付き合いのある友人がいる。彼女も私と同じく、今は天涯孤独の身の上。
 でも、私と違ってパワフルだから、今も元気に居酒屋でアルバイトをしているみたい。
 やっぱり、正社員になれないのは一緒だけれど。


 私の両親は、母は私が小さい頃に、父は高校卒業の頃に、それぞれ病で亡くなってしまったの。
 優しい両親だったから、とても悲しくて心細くて。

 でも、それから私は両親の残してくれた貯金を元に、細々と生きてきた。
 思い出すと今でも涙が出てしまうから、あんまり思い出すのも辛くて。
  
 でも、だんだん時間が経ってくるにつれて、温かい笑顔だけが残っていくのを感じたの。
 今は、ようやく、笑って思い出せるようになったところ。


 どんなに辛いことでも、悲しいことでも、時間が解決してくれることがあるんだって。
 そして、その先には、やっぱり笑顔だけが残っているんだって。
 なんとなく、そう思っているんだ。

 だから、結婚する時私が大切にしたいのは『笑顔』。それだけ―――


 でも、万里絵ちゃん、あ、その唯一の友人ね。
 彼女はやっぱりパワフルだったわ。

「私はね、自分の店が持ちたいの。だって、雇われるの性に合わないし。だから、その店で結婚式開くのが夢なんだよね。料理上手な旦那見つけるんだから!」

 うふふ。やっぱり心が強いんだね。万里絵ちゃんの夢、叶うといいな。



 心が弱い私は、雑草男子こと『ひばたぼっこ』さんに癒してもらおう!

 と思ったら……どうしたんだろう?

『ひなたぼっこ』さんも落ち込んでいる!


―――『ツタバウンラン』紫色の可愛い花。花言葉は『はかない夢』『遠い夢』。
 そう、夢なんて手繰り寄せても手繰り寄せても届かない物。
 がんばったら辿り着けるなんて、誰が言ったんだろう。そんな気休め、いらない―――
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