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Step3 胡蝶蘭男子の恋人役を務めることになりました
ワレモコウ②
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こんな時は、『ひなたぼっこ』チェック!
―――今日の花は『ワレモコウ』。花言葉は『変化』『移り行く日々』『明日への期待』『愛慕』『もの思い』等など。
たくさんあるけれど、変化に関したものが多いのは、ワレモコウの花が上から下へ順に咲いていく姿に由来すると言われているらしい。
俺も、変化を恐れずに明日へ期待したい。もう、このまま流されるのは嫌だ―――
昨日の『ツタバウンラン』の言葉は、とても辛そうだったから、どうしちゃったんだろうって心配だったけれど、流石『ひなたぼっこ』さん。
ちゃんと、自分で変えて行こうって、頑張っているんだわ。
私も勇気もらったよ。
うん、がんばる。今日の特別なお仕事、がんばるね。
心の中で『ひなたぼっこ』さんへエールを送って、気持ちも新たに午後の仕事を乗り切った。
そして―――私は今、いつもの会議室に来ている。
ちょっとドキドキ。でも、ワクワクもしている。
だって、不安を期待に変える魔法をかけてもらったからね。
予定より三十分遅れて、高梨室長がやってきた。素早くミッションを書いたメモ用紙を渡される。
「今から横のエレベーターで、地下一階まで下がってくれ。扉を出るとそこに黒い車が停まっているから、それに乗り込んで待っていて欲しいんだ。俺も直ぐに行くから」
「はい。わかりました」
「このメモ用紙を渡せば、運転手の堀井さんが扉を開けてくれるはずだからね」
「はい」
「よろしく!」
最後にニヤリとされたら、また、ちょっと不安が沸き起こる。
一体この人、何を企んでいるのかしら?
横づけされた車は、ピカピカに磨き上げられていて、役員車ってやっぱり立派な車なんだなと改めて思う。
この用紙を見せればいいって言っていたよね。
運転席へ回ろうとすると、直ぐにドアが開いた。
「水樹花乃《みずきはなの》様ですね。坊ちゃんから承っております。どうぞお乗りください」
シルバーグレイのダンディな運転手さんが、にこやかに笑顔を向けてくれた。
ほっ! 優しそうな方で良かったわ。
「ちょっと場所を移動します。坊ちゃんはもう少しお時間がかかりそうですので」
「はい」
車の中、無言の時間が続く。だって、何を話したらいいかわからないし。
運転手さん、ちら、ちらとバックミラー越しに私のことを確認してくるし。
「今日は大変だと思いますが、頑張ってください」
「はあ。あの、この後何があるのか、ご存じなんですか?」
「私の口からはなんとも」
「そうですよね」
またまた沈黙が支配した車の中。それを救うように、ようやく待ち人がやってきた。
「お待たせ。とりあえずこれから着替えてもらうから」
「え? 着替えなんて持ってないですよ」
「いいから、いいから」
そう言ってまたニヤリと笑う。
もう、なんだかいたずらっ子に見えてきた。高梨室長、本当に年上なのかしら。
と思った瞬間、彼の顔がとっても優しい王子様の眼差しに変ったの。
「花乃ちゃん、今日だけ俺のシンデレラになって欲しいんだ」
―――今日の花は『ワレモコウ』。花言葉は『変化』『移り行く日々』『明日への期待』『愛慕』『もの思い』等など。
たくさんあるけれど、変化に関したものが多いのは、ワレモコウの花が上から下へ順に咲いていく姿に由来すると言われているらしい。
俺も、変化を恐れずに明日へ期待したい。もう、このまま流されるのは嫌だ―――
昨日の『ツタバウンラン』の言葉は、とても辛そうだったから、どうしちゃったんだろうって心配だったけれど、流石『ひなたぼっこ』さん。
ちゃんと、自分で変えて行こうって、頑張っているんだわ。
私も勇気もらったよ。
うん、がんばる。今日の特別なお仕事、がんばるね。
心の中で『ひなたぼっこ』さんへエールを送って、気持ちも新たに午後の仕事を乗り切った。
そして―――私は今、いつもの会議室に来ている。
ちょっとドキドキ。でも、ワクワクもしている。
だって、不安を期待に変える魔法をかけてもらったからね。
予定より三十分遅れて、高梨室長がやってきた。素早くミッションを書いたメモ用紙を渡される。
「今から横のエレベーターで、地下一階まで下がってくれ。扉を出るとそこに黒い車が停まっているから、それに乗り込んで待っていて欲しいんだ。俺も直ぐに行くから」
「はい。わかりました」
「このメモ用紙を渡せば、運転手の堀井さんが扉を開けてくれるはずだからね」
「はい」
「よろしく!」
最後にニヤリとされたら、また、ちょっと不安が沸き起こる。
一体この人、何を企んでいるのかしら?
横づけされた車は、ピカピカに磨き上げられていて、役員車ってやっぱり立派な車なんだなと改めて思う。
この用紙を見せればいいって言っていたよね。
運転席へ回ろうとすると、直ぐにドアが開いた。
「水樹花乃《みずきはなの》様ですね。坊ちゃんから承っております。どうぞお乗りください」
シルバーグレイのダンディな運転手さんが、にこやかに笑顔を向けてくれた。
ほっ! 優しそうな方で良かったわ。
「ちょっと場所を移動します。坊ちゃんはもう少しお時間がかかりそうですので」
「はい」
車の中、無言の時間が続く。だって、何を話したらいいかわからないし。
運転手さん、ちら、ちらとバックミラー越しに私のことを確認してくるし。
「今日は大変だと思いますが、頑張ってください」
「はあ。あの、この後何があるのか、ご存じなんですか?」
「私の口からはなんとも」
「そうですよね」
またまた沈黙が支配した車の中。それを救うように、ようやく待ち人がやってきた。
「お待たせ。とりあえずこれから着替えてもらうから」
「え? 着替えなんて持ってないですよ」
「いいから、いいから」
そう言ってまたニヤリと笑う。
もう、なんだかいたずらっ子に見えてきた。高梨室長、本当に年上なのかしら。
と思った瞬間、彼の顔がとっても優しい王子様の眼差しに変ったの。
「花乃ちゃん、今日だけ俺のシンデレラになって欲しいんだ」
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