暁の空に浮かぶ月

MOKO

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意識が飛んだ。





そして俺は長い夢をみた。


俺自身忘れていた幼い頃の事。 




俺が小学生だった頃、仲のいい幼馴染がいた。

そいつとは本当に仲良くて

いつも連んでいた。

小学3年生の時、そいつの親が離婚し、そいつは母親と共に引っ越して行った。



名前は、確か 杉本

俺はそいつを杉本と呼んでいた。

杉本の顔

思い出そうとするとぼやけて見えない。




場面が変わる。

高校3年

何につけても興味を持たず投げやりで、周りとの繋がりを絶っていた。



3年になって初めて

クラスメートになったというのに

親しげに話しかけきた奴、確か…山口…。






「ねぇ?君、加瀬くんっていうんだよね?小学校の時○○町にいた?」

初めて会ったくせに馴れ馴れしい

それに俺にとってはその町で暮らしていた事はタブーだ。

過去を知られたくなかったのもある。

知っている奴とは関わりたくないっていうのも

しかも俺は山口って奴を知らない。



「あぁ、だったら何?あんたに関係あるの?」

その時、冷たくあしらった…と思う。

山口とはそれ以来挨拶すらしていない。



俺の中から山口は完全に存在を消した。


幾度となく声をかけてくれていたみたいだが

寝たふりを決め込み、愛想笑いのひとつも しなかった。


そのうち俺に話しかける事を止めた。

色々あったらしい

そいつは秋の初めに自殺した。



山口の顔

ぼやけていた顔が徐々にはっきりして来る。





自殺した山口は、家に居る早苗だった。

山口早苗が屈託無く笑う 

徐々に幼くなって行く

小学生の様な幼い顔はよく知っていた顔だ。
















…杉本…?
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