黒猫ふぅの徒然日記

10

玄太さんからもらったアジの開きを心ゆくまで堪能し

ポカポカ陽だまりの中、満足し大あくびしていると

天河さんが迎えにきてくれた。

「ふぅ、美味かったかい？」

「にゃ！天河さん！はい！美味しかっです！」

「そうか！それは良かった。

烏達が祠に、他の物も色々運んで来てくれているらしい。

一緒に先に帰って何があるか見てみよう！

おいで。」

そう言って手を差し伸べでくれた。


宵闇さんは玄太さんと空でお話ししているらしい。

「はい！」

天河さんに飛びのると

あったかくて大きなゴツゴツした手で撫でてくれた。

天河さんに連れられ、今回は何が有るのかワクワクしながら祠へ帰った。


千年大樹の樹の麓、小さい祠がある。

その中は暗いし到底人が入れる様な作りにはなっていない。

祠にはお札が貼ってあったのだがいまでは剥がれ落ちている。

天河が祠の奥へ手を伸ばす、スルンと奥へ引き込まれる。

入り口は小さいのに奥には広い野原が広がっている。

あぜ道を進むと初めに私が助けてもらった我が家

あのお屋敷へと続いているのだ。

千年大樹の祠は鬼の里と繋がっている。

鬼の里と言っても広くて

まだ、別の鬼にあったことがない。





その日の夕方、宵闇が迷い込んだ童を祠に連れ帰ってきた。


人は怖い…。

余りの怯え方に天河さんは気を使ってくれ

別室に一緒にいてくれた。


天河さんは機嫌が悪るかった。