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ふぅは、最初、大地が怖かった。
極力大地の側に寄り付かず距離を開けていた。
人という存在は信じてはいけない…。
宵闇がそう教えてくれたのに当の本人がお世話をしている。
「おかしい…。」
ふてくされて、大地を遠くから見る。
いつ襲われるか戦々恐々と毎日ビクついていたのだが
最近では、大地に怯えていた自分が馬鹿らしく思えるくらい
大地はふぅのご機嫌をとる。
その態度は、何故か逆にイライラした。
傷の癒えた大地に天河が剣術稽古
宵闇は読み書き算術、戦術をつけた。
ふぅが様子見がてら大地の側に寄ると
ふぅに気がついた大地は「おいで!ちびちゃん。」そう声をかけてくる。
ふぅはそれが気に入らなかった。
触ろうと手を出してきた日には
思いっきり尻尾を膨らまし威嚇し走って距離を開ける。
馴れ馴れしいんだよ!
イライラする!ふんっ!
あっかんべ~。あんたなんか嫌いよ!
ぶつぶつ文句を言いながら千年大樹の上に駆け上る。
ここには来れないだろう。
逃げていったふぅを見上げ肩を落とす大地の姿をみて
勝ち誇った気分で鼻を鳴らした。
その様子に玄太が
「やれやれ、ふぅ様ご機嫌斜めですね?」
「違うよ!私はいつもご機嫌だよ!ただあの人間が嫌いなだけだよ!」
「はははっ…まぁ、ぶっちゃけ我らだって人間が好きな訳じゃあ無いんですよ。
ここだけの話なんですが…。
この千年大樹には結界が張ってあって、鬼は長らく封印されているでしょう?
その封印を解けるのは、人しか出来無い事なんです。
もし上手く行けばあの人の子が封印を解いてくれるかも知れない。
封印が解けたら、天河様や宵闇様は自由に何処へでも飛んで行けるんです。
我々の望みを叶えるために
ここは あの人の子、大地を迎えいれ、
天河様と宵闇様、二人掛かりで封印が解けるくらい鍛えているんですよ。
あの人の子は、いわば我らの駒
本来なら封印解けれたら後の事は知ったことでは無いんですが…。
利害の一致ってやつです。
あの人の子人里でも身分があるらしく、ここは恩を売っておけば
我らがいつか人里へ降りた時
美味いものの一つでもご相伴に預かれるって寸法なんです。
ほらほら機嫌なおして下さい。
ふぅ様の弟弟子って思えばいいんですよ!」
「うーん弟弟子…。響きがいいかも…。
まぁ、仲良くしてやってもいいかも知れないね。」
ふぅのご機嫌は玄太にかかればちょんの間に直る。
天河と宵闇はその様子を見ながら肩で笑った。
極力大地の側に寄り付かず距離を開けていた。
人という存在は信じてはいけない…。
宵闇がそう教えてくれたのに当の本人がお世話をしている。
「おかしい…。」
ふてくされて、大地を遠くから見る。
いつ襲われるか戦々恐々と毎日ビクついていたのだが
最近では、大地に怯えていた自分が馬鹿らしく思えるくらい
大地はふぅのご機嫌をとる。
その態度は、何故か逆にイライラした。
傷の癒えた大地に天河が剣術稽古
宵闇は読み書き算術、戦術をつけた。
ふぅが様子見がてら大地の側に寄ると
ふぅに気がついた大地は「おいで!ちびちゃん。」そう声をかけてくる。
ふぅはそれが気に入らなかった。
触ろうと手を出してきた日には
思いっきり尻尾を膨らまし威嚇し走って距離を開ける。
馴れ馴れしいんだよ!
イライラする!ふんっ!
あっかんべ~。あんたなんか嫌いよ!
ぶつぶつ文句を言いながら千年大樹の上に駆け上る。
ここには来れないだろう。
逃げていったふぅを見上げ肩を落とす大地の姿をみて
勝ち誇った気分で鼻を鳴らした。
その様子に玄太が
「やれやれ、ふぅ様ご機嫌斜めですね?」
「違うよ!私はいつもご機嫌だよ!ただあの人間が嫌いなだけだよ!」
「はははっ…まぁ、ぶっちゃけ我らだって人間が好きな訳じゃあ無いんですよ。
ここだけの話なんですが…。
この千年大樹には結界が張ってあって、鬼は長らく封印されているでしょう?
その封印を解けるのは、人しか出来無い事なんです。
もし上手く行けばあの人の子が封印を解いてくれるかも知れない。
封印が解けたら、天河様や宵闇様は自由に何処へでも飛んで行けるんです。
我々の望みを叶えるために
ここは あの人の子、大地を迎えいれ、
天河様と宵闇様、二人掛かりで封印が解けるくらい鍛えているんですよ。
あの人の子は、いわば我らの駒
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ほらほら機嫌なおして下さい。
ふぅ様の弟弟子って思えばいいんですよ!」
「うーん弟弟子…。響きがいいかも…。
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