1 / 10
い
しおりを挟む
眩しい光に包まれた1本の道。
どこまでも
どこまでも
続く白い道。
あぁ、僕はまたこの道を
歩いているんだなぁ。
黒い外套姿の男が目の前を歩いている。
僕はとぼとぼと、その後ろに続いて歩く。
僕の後ろにもまた、白い外套姿の女がついで来ている。
3人縦並び
静かで物音1つしない白の道。
「だいぶ、この道も明るく登りやすく
なってきましたね。」
僕の方から話しかける。なんて事ない世間話だ。
「ええ、そうですね。
君は今回だいぶ頑張りましたから。
道が明るいんですよ。
それにもうここも慣れたもんでしょう?」
「ええ、まぁそう…確かにそうですね…。」
あんまり慣れても
良いもんじゃないけど
「初めての時よりは確かに
あたふた、しなくなりましたね。」
黒の外套姿の男と話しながら進む。
振り向かないけど
多分、白の外套の女は
薄く笑うだけだろう、いつも寡黙だ。
白い道の先の終着点。
大きな黒の鳥居門の前に立っていた。
鳥居を潜って中へ進む。
こじんまりした長机があって
その奥に座っている。
目尻のシワが人の良さを醸し出して男の人が手を
振ってくれた。
「こんにちは、お久しぶりですね。
まずはお疲れ様でした。」
ここは最初の受付だ。
今回の僕の評価表を
白黒の男女は
受付の人に会釈をして
それぞれ持っていたファイルを秦広王のおじいさんに手渡す。
ここを出る前、自分が前回来た時
牛頭さんと馬頭さんと相談しながら
一緒に立てた魂の修行プランと実際の行動
総合評価で及第点取れなきゃ
後が大変になる。
まぁ今回なら及第点は取れてると
少なからず自信がある。
秦広王のおじいさんが
確認作業をしてくれた。
今回は頑張ったんですね。
ええまぁ、はい頑張りました。
ニコニコ笑いながら
「ん~及第点ですよ。
特にここ、25歳の時のこの
車で引かれそうになった子供を
助けて足の骨折れたの
良いですね!
男前の行動でしたね!
お年を召されてからも
積極的にボランティアしてる。
もしかしてこれは牛頭さんのプランですか?」
「ええ、ははっ…よく分かりましたね。」
「ふふふっ
これがなかったら
次で待ってる
あのお年寄り2人組にブチブチ説教されてるでしょうね。」
「ははっ苦労しましたから。」
「うん、うん素晴らしい!
まぁ少し次は楽できると良いですね。
さて、では本題に参りますが
今回は殺生はしましたか?」
「…はい。こればっかりは」
「まぁ、平均的な数ですし
致し方ないのは分かりますけど
一応伺うのが義務ですから。
大丈夫、分かりました。
不慮、もしくは食した物に関しては
罪の重さは半分になります。
ですが、故意に当たる殺生は当然ですが
軽減はありません。
これはそのまま報告します。」
「はい、承知しました。」
「では、有罪 次回 再提出です。
スタンプ押しときます!」
そう言うとファイルから出した資料に
スタンプを押してくれた。
「はい。ありがとうございます。」
僕はぺこりとお辞儀をした。
「…じゃあ、次行こうか?」
男女2人の案内人は
秦広王のおじいさんから
それぞれファイルを受け取ると
次に進んだ。
✱秦広王
地獄の裁判官の内の1人
不動明王の化身
初七日に最初に裁きを受ける神様
主に殺生をしたかどうかを裁かれる。
どこまでも
どこまでも
続く白い道。
あぁ、僕はまたこの道を
歩いているんだなぁ。
黒い外套姿の男が目の前を歩いている。
僕はとぼとぼと、その後ろに続いて歩く。
僕の後ろにもまた、白い外套姿の女がついで来ている。
3人縦並び
静かで物音1つしない白の道。
「だいぶ、この道も明るく登りやすく
なってきましたね。」
僕の方から話しかける。なんて事ない世間話だ。
「ええ、そうですね。
君は今回だいぶ頑張りましたから。
道が明るいんですよ。
それにもうここも慣れたもんでしょう?」
「ええ、まぁそう…確かにそうですね…。」
あんまり慣れても
良いもんじゃないけど
「初めての時よりは確かに
あたふた、しなくなりましたね。」
黒の外套姿の男と話しながら進む。
振り向かないけど
多分、白の外套の女は
薄く笑うだけだろう、いつも寡黙だ。
白い道の先の終着点。
大きな黒の鳥居門の前に立っていた。
鳥居を潜って中へ進む。
こじんまりした長机があって
その奥に座っている。
目尻のシワが人の良さを醸し出して男の人が手を
振ってくれた。
「こんにちは、お久しぶりですね。
まずはお疲れ様でした。」
ここは最初の受付だ。
今回の僕の評価表を
白黒の男女は
受付の人に会釈をして
それぞれ持っていたファイルを秦広王のおじいさんに手渡す。
ここを出る前、自分が前回来た時
牛頭さんと馬頭さんと相談しながら
一緒に立てた魂の修行プランと実際の行動
総合評価で及第点取れなきゃ
後が大変になる。
まぁ今回なら及第点は取れてると
少なからず自信がある。
秦広王のおじいさんが
確認作業をしてくれた。
今回は頑張ったんですね。
ええまぁ、はい頑張りました。
ニコニコ笑いながら
「ん~及第点ですよ。
特にここ、25歳の時のこの
車で引かれそうになった子供を
助けて足の骨折れたの
良いですね!
男前の行動でしたね!
お年を召されてからも
積極的にボランティアしてる。
もしかしてこれは牛頭さんのプランですか?」
「ええ、ははっ…よく分かりましたね。」
「ふふふっ
これがなかったら
次で待ってる
あのお年寄り2人組にブチブチ説教されてるでしょうね。」
「ははっ苦労しましたから。」
「うん、うん素晴らしい!
まぁ少し次は楽できると良いですね。
さて、では本題に参りますが
今回は殺生はしましたか?」
「…はい。こればっかりは」
「まぁ、平均的な数ですし
致し方ないのは分かりますけど
一応伺うのが義務ですから。
大丈夫、分かりました。
不慮、もしくは食した物に関しては
罪の重さは半分になります。
ですが、故意に当たる殺生は当然ですが
軽減はありません。
これはそのまま報告します。」
「はい、承知しました。」
「では、有罪 次回 再提出です。
スタンプ押しときます!」
そう言うとファイルから出した資料に
スタンプを押してくれた。
「はい。ありがとうございます。」
僕はぺこりとお辞儀をした。
「…じゃあ、次行こうか?」
男女2人の案内人は
秦広王のおじいさんから
それぞれファイルを受け取ると
次に進んだ。
✱秦広王
地獄の裁判官の内の1人
不動明王の化身
初七日に最初に裁きを受ける神様
主に殺生をしたかどうかを裁かれる。
0
あなたにおすすめの小説
妻からの手紙~18年の後悔を添えて~
Mio
ファンタジー
妻から手紙が来た。
妻が死んで18年目の今日。
息子の誕生日。
「お誕生日おめでとう、ルカ!愛してるわ。エミリア・シェラード」
息子は…17年前に死んだ。
手紙はもう一通あった。
俺はその手紙を読んで、一生分の後悔をした。
------------------------------
主人公の恋敵として夫に処刑される王妃として転生した私は夫になる男との結婚を阻止します
白雪の雫
ファンタジー
突然ですが質問です。
あなたは【真実の愛】を信じますか?
そう聞かれたら私は『いいえ!』『No!』と答える。
だって・・・そうでしょ?
ジュリアーノ王太子の(名目上の)父親である若かりし頃の陛下曰く「私と彼女は真実の愛で結ばれている」という何が何だか訳の分からない理屈で、婚約者だった大臣の姫ではなく平民の女を妃にしたのよ!?
それだけではない。
何と平民から王妃になった女は庭師と不倫して不義の子を儲け、その不義の子ことジュリアーノは陛下が側室にも成れない身分の低い女が産んだ息子のユーリアを後宮に入れて妃のように扱っているのよーーーっ!!!
私とジュリアーノの結婚は王太子の後見になって欲しいと陛下から土下座をされてまで請われたもの。
それなのに・・・ジュリアーノは私を後宮の片隅に追いやりユーリアと毎晩「アッー!」をしている。
しかも!
ジュリアーノはユーリアと「アッー!」をするにしてもベルフィーネという存在が邪魔という理由だけで、正式な王太子妃である私を車裂きの刑にしやがるのよ!!!
マジかーーーっ!!!
前世は腐女子であるが会社では働く女性向けの商品開発に携わっていた私は【夢色の恋人達】というBLゲームの、悪役と位置づけられている王太子妃のベルフィーネに転生していたのよーーーっ!!!
思い付きで書いたので、ガバガバ設定+矛盾がある+ご都合主義。
世界観、建築物や衣装等は古代ギリシャ・ローマ神話、古代バビロニアをベースにしたファンタジー、ベルフィーネの一人称は『私』と書いて『わたくし』です。
ちゃんと忠告をしましたよ?
柚木ゆず
ファンタジー
ある日の、放課後のことでした。王立リザエンドワール学院に籍を置く私フィーナは、生徒会長を務められているジュリアルス侯爵令嬢アゼット様に呼び出されました。
「生徒会の仲間である貴方様に、婚約祝いをお渡したくてこうしておりますの」
アゼット様はそのように仰られていますが、そちらは嘘ですよね? 私は最愛の方に護っていただいているので、貴方様に悪意があると気付けるのですよ。
アゼット様。まだ間に合います。
今なら、引き返せますよ?
※現在体調の影響により、感想欄を一時的に閉じさせていただいております。
私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。
MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。
(完結)醜くなった花嫁の末路「どうぞ、お笑いください。元旦那様」
音爽(ネソウ)
ファンタジー
容姿が気に入らないと白い結婚を強いられた妻。
本邸から追い出されはしなかったが、夫は離れに愛人を囲い顔さえ見せない。
しかし、3年と待たず離縁が決定する事態に。そして元夫の家は……。
*6月18日HOTランキング入りしました、ありがとうございます。
お飾りの妻として嫁いだけど、不要な妻は出ていきます
菻莅❝りんり❞
ファンタジー
貴族らしい貴族の両親に、売られるように愛人を本邸に住まわせている其なりの爵位のある貴族に嫁いだ。
嫁ぎ先で私は、お飾りの妻として別棟に押し込まれ、使用人も付けてもらえず、初夜もなし。
「居なくていいなら、出ていこう」
この先結婚はできなくなるけど、このまま一生涯過ごすよりまし
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる