奥手の恋ほど、めんどくさいモノはない。

MOKO

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「おい淳也!お前、何考えてんだ?」

「イッテェ!何すんだよ!」
 
少し前に傾くものの、倒れない。

結構強めに入れた蹴りなのに

大してダメージ受けてない所が腹立たしい。

ため息をつき、淳也に右肩に手を置く

「今の対応は最悪だった。」

淳也は顔をしかめ少し潤んだ瞳で俺を見る。

「はあ? 和樹、お前こそ さっきの見てただろうが?

あの女達が突然後ろから俺の腕に抱きついて絡んできて

腕に胸が…ポヨンポヨンって、胸だぞ!胸押し付けて来たんだぞ!

お…お…俺の頭、一瞬飛んだ。」


「いや…。心配しなくてもお前の頭は飛んでない…。」

思考が飛んだだけだ。


ふむ、初対面でいきなり腕に絡んでくるとは…。

確かにコイツには対応しきれんわな…。

昨今の女子は積極的で うれしけしからん。

俺としては鼻の下が伸びそうで羨ましいぞ、このポンコツ童貞野郎が!!

腹の中で毒を吐きつつ

淳也を諭す


「…にしてもだ!このクッキーは本来お近づきの印としてお前に渡されたもんだぞ?

俺らからすれば胸がポヨンポヨンなんか羨ましい限りだ。」

この野郎  腹立つ、一回死んどけ…。


「はぁ~!? 

信じられん !!!!  何だその不埒な考えは?

その野獣のような目は?

仮にも高校生で未成年、結婚前の女子なんだぞ?

しかも付き合ってもないのに

胸に触ったなど責任問題になるだろう?」

…ならねぇよ!バァカ!

思いっきり頭を叩いて冷めた目で淳也を見た。


「何でお前に叩かれなきゃならないんだ? いてぇな!」


恨めしそうな顔して睨んで来たが

「そんな事も分からないのか?

済んだ事だけど、さっきの女子サッカー同好会に対して、あの対応は最悪だぞ?

コーチと顧問の言葉忘れたのか?」 

顔が真っ赤でしばらく口をパクパクしていたが

何度か深呼吸してから ぽそっとつぶやいた。


「…わかってる…。」


っとに、本当にわかってんだか…怪しいもんだ…。



南ヶ丘高等学校のサッカー人口は少人数でというくらいなんだ。

共同練習のお願いをしに、部長である淳也に近づいで来たんじゃないか

俺だって馬鹿じゃない。

個人ならともかく数人で来ていたんだから、

彼女達も利用できる所は利用したいと考えたんだろ?



向こうにしてみたら、短い期間だとしても

俺たちと共同練習にこぎつけたら

その練習に参加したいと黄色い声の女の子達が同好会に入って

もしかしたら部活に昇級できるかもしれない。



合同練習っても俺たちの本気で練習にはついてける訳がない

もともとコーチや顧問もそこ、わかってんだろうけど…。

単純に大人の話で理事長直々に、各部のコーチや顧問達に

「借りた恩は態度で返して欲しい。

南ヶ丘の生徒達から依頼があればどの部も気前よく対応してくれ。」

との御達しで、合同練習を依頼されれば否と言えない。

ボランティアだと思って我慢してくれとコーチ達からも念押しされている。

もし、何かあったら曜日別にスタメン以外の2~3人が

対応にあたる様、女子を指導してやって欲しいと直々に話しが来てるんだ。


まぁ、俺達部員も軽い走り込みの時だけでも女子と一緒にって言う声もある訳よ。

副部長としても和を保つため、2軍以下の部員達のやる気上げるためにも

飴と鞭を使い分けっているでしょう?

華、欲しいでしょう?

そもそも俺達は聖人君子じゃない。

10代の若い男の子なんだよ!

彼女を作ってあんな事やこんな事したい訳よ!


本格的な練習なら別に部活の時だけじゃなくても

早朝走り込みでもなんでも出来る。

そもそも運動部の俺たちは全寮制なんだし、寮のトレーニングルームは

使い放題なんだし

1~2時間、女子に合わせて、お遊びで軽く流すくらいいいんじゃないか?…とか。

スタメンは別として、俺らの本気の練習に付き合わせる訳じゃないんだったら

そのくらいはいいだろうみたいな…。


そんな訳で女生徒からの依頼を受けるかも知れないけど

そこは聞いとけって言うのが頭からあった訳だ。

それをこのヘタレ部長ときたら

初っ端から正面衝突して向こうのメンタル大怪我させやがって

今後ギクシャクしたくないっつーの!

そもそも星稜うちがグラウンド使わせて貰う訳だし

ついでに女子からチヤホヤして貰うって美味しいだけじゃん。

「クッキーありがとう。」ですむ話しだろ淳也…。

それがそんなに難しいのか?



頭いてぇ

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