「「中身が入れ替わったので人生つまらないと言った事、前言撤回致しますわ!」」

桜庵

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~元に戻った美桜の生活編 Chapter2~

~母の誕生日の買い物~

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峰岸君とのデートから数日後の夜。
父と兄と美桜の三人はデパートに車で買い物に来ていた。

母は仕事の関係で来れなかったので三人で買い物に来る事になったのだ。
母が来られなかったのは残念ではあるが、好都合でもあった。
明日は母の誕生日でその買い物ができる事もありサプライズになるのではと考えた。

車の中で父と作る料理を話し合い、料理の数や種類が決まり食材は最後に買う事に決めて駐車場に車を駐車した。
三人は時間と待ち合わせ場所を決めそれぞれプレゼントを買いに一度別れる。

美桜は雑貨屋に寄り母に何を渡そうか悩みながら店内を見て回る。
「(何にしようかな…。お母さん…お風呂とか料理が好きだし…。仕事用の道具とかもいいかも…。そういえば、お母さんの誕生日をするのは久しぶり…。私が距離を取ってからは全然話もしなかった…。またこんな風に家族で集まって何かを出来る日が来るなんて…。きっかけはおまじないの本で…カノンさんが繋げてくれて…。本当に感謝しなきゃ…。)」

店内を歩き回りながら考える事十数分。
美桜は母に渡すプレゼントを決め終わり会計を済ませて待ち合わせ場所に向かう。

待ち合わせ場所にはすでに兄が待っていた。
兄の隣に立ち父が来るのを待つ美桜。

「……。」
「……。」
「……買い物はもぅいいのか?」
「……うん。もう十分。」
「そうか…。いいの見つかったのか?」
「うん。」
「何にしたのか聞いてもいいか…。」
「……お母さん…お風呂好きだから、可愛い入浴剤のバスボールとか入ってるバスセットにした…。」
「そうか…。」
「……お兄ちゃんは?」
「俺は…花束の形をした入浴剤…。」
「……かぶっちゃったね。」
「だな…。まぁ、毎日湯船に浸かってるつかってるしあっても困らないだろ。スーパーで買った入浴剤すぐなくなるし。」
「それもそうだね…。」

父を待つ間、無言な空気が漂い何とか話題を持とうと美桜に話しかける兄。
兄は美桜をこれからは大切にすると決めてからは距離感を気にしながら接するが距離を置いてた期間が長い為どう接してよいのか悩み考える。
兄が話しの続きはどうしようか考えていると、美桜が小さくクスクスと笑い出した。

「……なんだよ。」
「…ごめんなさい。まさかお兄ちゃんとプレゼントかぶるとは思ってなくて…。それにお兄ちゃんがそんな可愛いプレゼントを選ぶ姿を想像するとなんか以外で…可笑しくて…。ごめんなさい…ふふっ…。」
「お前なぁ…。俺を何だと思ってんだよ。失礼だなぁ。」
「何って…。性格に難ありの意地悪なお兄ちゃん?」

美桜が笑い出した理由を聞き呆れ疑問を投げかける兄。
そんな兄に美桜は少し笑いながらも思っていた事を伝える。
「言うようになったじゃねぇか…。つーか疑問形かよ。……まぁ…お前がそうやってちょっとずつでも俺と話してくれて…その…なんつーか…嫌じゃないというか…ありがたいというか…。」

最後の方はもごもごと声が小さくなっていく兄に美桜は「はっきり言わないと伝わらないよ?しっかり聞かせて!」と背中をバシッと叩いた。
兄は「いてぇ」と言いながらも美桜の方を向き改めて気持ちを伝える。

「それもそうだな…。伝える事は時に難しいけど…大事だよな…。今までの態度、本当に悪かった…また美桜と普通に話せるの今は正直すげぇ嬉しく思う。これからも、ちょっとずつでもいいからさ。また話しして欲しい。」
「……お兄ちゃん…すごく素直な事に驚きなんだけど…。なんか悪いものでも食べた?熱でもあるの?」

兄の気持ちを聞いた美桜はこの数か月の兄の態度や行動に少し心を許しており、驚きからありのままの気持ちを言葉にする。
「お前が聞かせてって言ったからだろ…ったく…。(美桜がこんな風に話してくれるなら時には素直になるのも悪くねえな。)」

美桜の言葉にまたも呆れはするが悪くないなと穏やかな気持ちになる兄。
二人は父が来るまでの間和やかな雰囲気で談笑していた。
今までのわだかまりが完全に溶けるのはもう少し先かもしれないが、少しずつだが確実に兄妹としての距離は縮まってきている。


父もプレゼントの買い物を済ませ三人は合流し、食材を買いに向かう。
料理の内容はチキンのハーブ焼きにさっぱりした豆腐のサラダ、ミネストローネスープに付け合わせでバゲットを選んだ。もちろん誕生日ケーキも作る予定だ。

三人はカートに買い物カゴを乗せ手分けしてそれぞれ食材を集め買い物を済ませた。

買い忘れはないか最後に確認をして一行は車で家に向かった。
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