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沖縄の楽園に行きたいと思ったのにどうして異世界なんですか? それにやる気のない神様がついてくるのかな?
気づくと俺は
しおりを挟むにゃんにゃんにゃんにゃん、にゃんにゃんにゃんにゃん、ぴよぴよ、さわさわ……。
猫がたくさんいるのだろうか? それに鳥も……。俺は確か緑色の世界に包まれそれからどうしたんだっけなと考える。
俺はそっと目を開けた。すると、目の前には真っ白な猫がいた。その猫の隣に自称神様のパジャマ男もいるのだった。ここはあの神社だよなと思ったのだけど、なんだか違うような気がする。
だって、あの神社は雑草がぼうぼうに生えていて寂れていたはずだ。
それが今俺のいるこの場所は綺麗な花が咲き誇っているではないか。もう咲き誇っているなんてものじゃない。見渡す限りの花畑が広がっているのだ。花、花、花の世界なのだ。
色鮮やかなハイビスカス、ブーゲンビリアなど南国の花が咲き誇り、それからまるで黄色のじゅうたんのような菜の花畑が一面に広がっている。おまけにチューリップや桜も咲いている。
なんだか季節もバラバラのような気がする。
一体ここはどこなんだろうか?
俺はどうして花畑にいるのだろうか?
そうか、これは夢だ。きっと、そうだ。それなら納得できる。俺は人生に疲れていたから夢の中で花に癒されているのだ。
それからもふもふな猫も俺を癒してくれようとしているのだな。ふふっ、そうかと思ったその時、視界に自称神様のパジャマ男の姿が目に入った。
コイツには癒されないぞ! 何故いるのだろうか? 頭の中に『?』が浮かんだその時、
「ここはどこなんだ!」と自称神様パジャマ男が叫んだ。
自称神様パジャマ男も俺と同じように辺り見渡している。
「ここはもふもふ楽園ですにゃん」
ん? にゃん? もふもふ楽園? なんだか可愛らしい声が聞こえてきたような気がするのだけどこれは空耳だろうか。
「誰かもふもふ楽園と言ったかな?」
「はい、言いましたにゃん」
俺の問いかけに可愛らしい声で返事が返ってきた。この可愛らしい声は自称神様パジャマ男の声ではない。
自称神様パジャマ男もキョロキョロしている。一体誰が喋っているのだろうか。この綺麗な花畑に人間は俺と自称神様パジャマ男しかいないのだ。
そう人間は……。
だが人間以外はいるじゃないか。でも、まさかそんな馬鹿なことがあるなんて信じられないぞと思う。
だけど、
「ここはもふもふ楽園ですにゃん。君達は神様と人間を交換したらどうですにゃん」と変なにゃん語が聞こえてきたのだ。
「神様と人間を交換するだって!!」と俺と自称神様パジャマ男はほぼ同時に叫んだ。
「はい、役割を交換すると楽しいかもですにゃ~ん」と明るくて可愛らしい声が聞こえてきた。
「誰が喋っているんだ!?」
「誰なんだ!?」
俺と自称神様パジャマ男が声の主に尋ねた。
すると、
「わたしですにゃん」とにゃん語が聞こえてきたのだった。
もう誰が話しているんだよ。
その時、俺の足にもふもふな何かが触れた。何だろうと思い視線を下に向けると大きくてくりっとした丸い目の猫が俺を見上げているではないか。
そして、この猫が……。
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