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沖縄の楽園に行きたいと思ったのにどうして異世界なんですか? それにやる気のない神様がついてくるのかな?

ようこそ異世界へにゃん

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「ようこそにゃん。人間と神様だね」

  くりっとした丸い目の猫が俺と自称神様男を順番に見て言った。

「ね、猫が喋っているぞ~!!」

  俺は思わず叫んでしまった。だって、猫が喋っているんだぞ。そんなのおかしいじゃないか。

「ね、猫が喋っているぞ!  びっくりだ。だけど待てよ。この猫は魅力的な言葉を発したような気がするぞ」

  自称神様パジャマ男に視線を向けると顎に人差し指を当てて納得した表情を浮かべている。猫の喋る姿を見て納得するなんて変な奴だ。自称神様のパジャマ男だけあるなと俺は思った。

「この世界は猫も他の動物もみんな喋るにゃん」

  もふもふな猫はそう言ったかと思うとにゃきーんと二本足で立ち上がった。

「え、え~っ!!  わっ!  猫が二本足で立ってるぞ」

  俺はまたまたびっくりして二本足で立ち俺達の顔をじっと見ている猫を指差した。

「この世界は動物が喋ることも二本足で立つことも常識にゃん」

  もふもふな猫はにっこりと笑った。もうわざわざ言う必要もないがどうやら動物が笑うのも常識のようだ。

  俺はなんて世界に来てしまったのだろうか。いやいや、これが現実とお前は認めるのかいと自分にツッコミを入れる。

  だけど、これが現実だよと言わんばかりに猫が俺の腕をちょいちょいしてくる。


「ねえ、お兄さんさっきからどうしてブツブツ喋っているんですかにゃん?」

  そう言った猫は首を横に傾げきょとん顔だ。その姿があまりにも可愛らしすぎてきゅんとなる。そうなのだ。俺は猫という動物が好きなのだ。

  猫好きな俺にとってはたまらなく嬉しい世界ではあるけれど、実際に猫が話をする姿を見ても到底現実とは思えない。

  俺が頭の中でいろいろ考えていると、

  自称神様男が「おい、猫さん俺とそこでブツブツ喋っている男と役割を交換できるのか?」と尋ねた。

「はいにゃん。もちろんですにゃん」

  猫は腰に手を当てて自信ありげな表情で答えた。

「猫さん、俺は神様生活に疲れたんだよ。人間と役割りを交換できるんだったら嬉しいぞ」

「わたしの魔法でえいっと交換できますにゃん。あ、それからわたしの名前はチャーミにゃんですにゃん」

  猫さん改めチャーミにゃんはそう言ってぺこりと頭を下げた。

「チャーミにゃんか俺は神様の貧神びんかみだよろしく」

  自称神様パジャマ男もぺこりと頭を下げた。

  俺も挨拶をした方がいいのかなと思い「神本成行かみもとなりゆきです」と挨拶をしてぺこりと頭を下げた。

「にゃははにゃん。神本成行にゃんて神様にぴったりな名前だにゃん。それから貧神ってにゃんか笑ってしまうにゃん」

  チャーミにゃんは満面の笑みを浮かべ「貧神、成行改めましてもふもふ楽園にようこそにゃん!」と言って肉球のある可愛らしい両手を広げ俺達を迎え入れた。

  なんだかよくわからないが俺達は歓迎されているようだ。
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