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俺は猫人間になりました
俺の願い
しおりを挟む俺の願いが叶ったのかもしれない。貧神の居た神社はこの世界と繋がっていたのだろうか?
それともまさかあのパジャマ姿の貧神に大きな力があったとでも言うのだろうか。いやいやそれは絶対にあり得ないと断言できる。
チャーミにゃんのあのショボい魔法の杖がこの世界に俺を導いてくれたのだろうけれど、考えてみるとあのドジっ子チャーミにゃんは意外と凄い魔法使い猫なのではないかなとふと思った。
棒切れみたいな星のついた杖をにゃんにゃんと振り回すチャーミにゃん。なんだか笑えるけれど、感謝だよな。
俺はゆったりと包み込まれるような座り心地の良いソファに座りそんなことをぼんやりと考えていた。すると、なんだか眠たくなってきた。ああ、俺は眠りの世界に旅立つんだなと感じた。
目を覚ますとあの辛い現実の世界に戻っていたなんてことがありませんようにと俺は願いながら眠りに落ちた。
夢の中では貧神とチャーミにゃんがじゃんけんをしていた。果たしてどちらが勝つのだろうかと俺は眺めているというそんな夢だった。
貧神もチャーミにゃんも必死の形相なんだから笑えてくる。俺はニヤニヤわらいながら頑張れよと言った。
その時、突然夢の中の画面が切り替わり俺の目の前にパソコンと電話機がででーんと置かれた。嫌だ! パソコンも電話機も見たくもない。俺は目をギュッと閉じた。
見たくない。パソコンも電話機も見たくない。俺はあの会社に戻りたくない。もう営業の電話なんてかけたくない。俺はもふもふ楽園でゆるゆると過ごしたいのだ。
その時。
「成行~にゃん」と可愛らしい声が聞こえてきた。この声は誰だったけな。
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