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第三章 ここから始まる
3 うろうろしてしまいます
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「真理子、クマさんみたいにうろうろとわたしの前を歩かないでくれるかな? さっきから視界に入って邪魔なんだけど……」
みどりちゃんは本から顔を上げて嫌そうな顔をする。
「みどりちゃん、わたしのことを呑気だとか言うけどみどりちゃんこそお客さんも来ないのに本なんて呑気に読んでいられるよね?」
わたしはハタキをぱたぱたとかけた。
「真理子、わたしの周りでハタキなんてかけないでくれるかな? さんぴん茶にホコリが入ってしまうじゃない」
みどりちゃんは本をカタッと机に置きティーカップを手で覆った。
「ねぇ、みどりちゃんさんぴん茶飲んで寛ぐのもいいけどお客さん来なくても平気なの?」
「平気なわけないじゃん。本を読みながらどうしたものなのかなと考えているんだよ」
そう言ってみどりちゃんはさんぴん茶を一口飲んだ。まあみどりちゃんはわたしと違いしっかりしているからただぼんやりと本を読んでるのではないとは思うけれど。
だからと言って本を片手にゆっくりお茶を飲まれると不安になる。
時計の針は午後二時を指している。あまりにもお客さんが来ないものだから秒針がカチカチと鳴る音がうるさく感じる。
「ねぇ、みどりちゃんお客さんまだかな?」
「真理子、何回も言うけどうるさいよ」
「だって、だって、このお店にはこんなにたくさんの本があるんだよ。それなのに誰も来ないなんて宝の持ち腐れだよ」
わたしは、ハタキをかけながらたくさんの本を眺めた。ああ、この本達が可哀想だよ。誰かに買われて読まれたいよね。本が大好きな人に買われるといいね。なんて思わず本に話しかけたくなる。
その時、ふわふわと人の気配を感じた。お客さんが来たのかな? そう思うと嬉しくなってわたしは振り返った。
「……あ、」
そこにいたのは。
みどりちゃんは本から顔を上げて嫌そうな顔をする。
「みどりちゃん、わたしのことを呑気だとか言うけどみどりちゃんこそお客さんも来ないのに本なんて呑気に読んでいられるよね?」
わたしはハタキをぱたぱたとかけた。
「真理子、わたしの周りでハタキなんてかけないでくれるかな? さんぴん茶にホコリが入ってしまうじゃない」
みどりちゃんは本をカタッと机に置きティーカップを手で覆った。
「ねぇ、みどりちゃんさんぴん茶飲んで寛ぐのもいいけどお客さん来なくても平気なの?」
「平気なわけないじゃん。本を読みながらどうしたものなのかなと考えているんだよ」
そう言ってみどりちゃんはさんぴん茶を一口飲んだ。まあみどりちゃんはわたしと違いしっかりしているからただぼんやりと本を読んでるのではないとは思うけれど。
だからと言って本を片手にゆっくりお茶を飲まれると不安になる。
時計の針は午後二時を指している。あまりにもお客さんが来ないものだから秒針がカチカチと鳴る音がうるさく感じる。
「ねぇ、みどりちゃんお客さんまだかな?」
「真理子、何回も言うけどうるさいよ」
「だって、だって、このお店にはこんなにたくさんの本があるんだよ。それなのに誰も来ないなんて宝の持ち腐れだよ」
わたしは、ハタキをかけながらたくさんの本を眺めた。ああ、この本達が可哀想だよ。誰かに買われて読まれたいよね。本が大好きな人に買われるといいね。なんて思わず本に話しかけたくなる。
その時、ふわふわと人の気配を感じた。お客さんが来たのかな? そう思うと嬉しくなってわたしは振り返った。
「……あ、」
そこにいたのは。
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