あの子が追いかけてくる

なかじまあゆこ

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雪降る洋館へようこそ

お部屋

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気になるし、気味が悪いと思いつつも、「久しぶりだね」とわたし達は、お互いの再会を喜び合った。

本当に久しぶりだ。今ここにいる全員で集まったのなんて、正に十年ぶりくらいになるだろう。

時は経ち、皆大人になった。だけど、わたしにとってこの十年……。ううん、もっともっと遥か昔のあの頃の光景が目に浮かぶ。そう、目に浮かびそして消えて。また浮かび上がる。

駄目だ。忘れることなんてわたしにはできない。

たらりと汗をかいた。寒いのに、これは冷や汗だ。



「今日はお部屋が全部空いていますのでお好きな部屋を選んでください。朝食と夕食はわたしが作ります。ご要望がありましたら、お気軽に仰ってくださいね」

  里見さんはにっこりと微笑みを浮かべた。

そしてわたし達は、ヴィクトリア調の階段を上り二階へ行った。


  二階部分は客室になっている、そして赤色の絨毯が敷かれて真っ直ぐにお部屋がずらりと並んでいた。

「どの部屋にしようかな~」

京香ちゃんがわくわくした様子で部屋の扉を順番に開けはじめた。わたしもそれに続き部屋の中を覗く、だいたいの部屋は似た作りになっている。ベッドに木製のクラシカルな家具類が置かれていた。

迷って決めたのは階段を上り、二つ目のドアを選んだ。今日から三日間わたしのお部屋になる。

持ってきた荷物を室内に運びこみドアをバタンと閉めた。


わたしは室内を見回しとても豪華な部屋だなと思った。

部屋の中も赤色の絨毯が敷かれていて、大きめなベッドにクラシカルな木製の机にタンス、食器棚、それから本棚が置かれていた。

この高級感が溢れるお部屋が一泊朝夜食事付きで五千円だなんて安すぎる。なんだか得した気分だ。

ベッドに横になり旅の疲れを癒す。

部屋をもう一度見回して気がついた。この部屋にはテレビがない。珍しいな。

まあいいか京香ちゃんにすみれにそれに元同級生達もいるのだから退屈はしないだろう。

  
同級生達と自分で考えた思いにドキとした。だって、おかしくない?  わたしも含めてこの洋館に六人もの同級生が偶然集まるなんて。

やっぱり何かがおかしい、変だよ。変じゃない?

導かれた?

何となく、そんな気がしてきてゾクゾクゾワゾワとしてきた。ダメダメわたしは、恐いのは苦手なんだからもう考えるのはよそう。

そうだよ、単なる偶然に決まっている。

気分転換にスマホでも見よう。


  
スマホをポケットの中から取り出して画面を見た。さてと、ニュースでも見ようかなと思ったのだけど様子がおかしい。

  あれ?  ネットが繋がらない。

もう一度。インターネットに接続されていませんと表示される。やっぱり繋がらない。

  画面を良く見ると圏外だった。

テレビも無くて、ネットも繋がらない。わたしはなんという山奥に来たのだろうか……。

これはもう、自然を楽しむしかないではないか。
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