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ならまちに住む町屋奈夜
狛犬達に元気を分けてもらっているのかな?
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「うん、酒粕の独特の風味が好きだよ」
わたしは顔を上げて答えた。
「そうだったわね。いつも奈夜ちゃんはニコニコして奈良漬を食べているものね。ところで学校はもう慣れたかしら?」
「あ、うん、なんとか慣れたかな?」
わたしは、おばあちゃんに心配をかけたくなくて作り笑いを浮かべた。
「そうなのね。それだったら良かった」
おばあちゃんも奈良漬を口に運び「うん、美味しいわ」と言って微笑みを浮かべた。その笑顔になぜだか涙が出そうになった。
「奈良漬も美味しいよ~このパリッパリッシャリシャリとした食感がたまらないね」
「うん、酒粕のクセのある味も最高だね~」
狛子と狛助の呑気で元気な声が聞こえてきた。
「奈良漬ってべっこう色だね」
「うん、べっこう色だね」
狛子と狛助は奈良漬をパリッパリッと食べながら楽しそうに話をしている。
「うふふ、奈夜ちゃんに可愛らしいお友達ができておばあちゃん嬉しいわ」
おばあちゃんは美味しそうに奈良漬を食べている狛子と狛助を眺めそれからわたしに視線を移しにっこりと微笑みを浮かべた。
「う、うん、そうだね」
わたしは狛子と狛助に元気をもらっているのかな。おばあちゃんにもその元気をお裾分けしてくれると嬉しいなと思った。
ねえ、狛子に狛助、わたしの夢を叶えてくれるのでしょう?
夢と言うかわたしは心配していることがある。自分自身のこともそうだけど、それよりも大好きなおばあちゃんのことで気になることがある。
わたしがそんなことを考えながら狛子と狛助の顔をじっと眺めていると狛子が振り向き目が合った。
「ん? 奈夜ちゃんどうしたの?」
「狛子ちゃん達はわたしの夢を叶えてくれるのかなと思って」
「わたしは神様にお仕えしている狛犬だもん任せてね」
狛子は奈良漬と最中を交互に食べながら胸を張る。ちょっとその姿からは本当なのかなと疑いたくなるのだけど。
「そうだよ。僕達は神様にお仕えしている修行中の狛犬だもんね。任せてよ」
狛助もそう言って胸を張るのだけど、修行中と言った言葉が気になるではないか。それに口の周りに最中の食べかすがくっついているし。
「ありがとう。じゃあ、よろしくね」まだまだ半信半疑だけどわたしはお願いした。
「ねえ、狛犬や神様にお仕えしているとかの話をしているけど何のことかしら?」
おばあちゃんが緑茶をずずっと啜りながらわたし達の顔を順番に見た。
「あ、それは、その……こ、狛犬ごっこだよ。そうなのよ、二人と狛犬と神様ごっこをして遊んでいるのよ」
わたしはこれはマズイと思い誤魔化そうとしたのだけど、
「狛犬と神様ごっこじゃないよ。わたし達は正真正銘の狛犬だよ」、「そうだよ~狛犬だよ」と言ったかと思うと狛子と狛助は!!
「わっ!!」
わたしは思わず声を上げてしまった。
だって、狛子と狛助が……。
わたしは顔を上げて答えた。
「そうだったわね。いつも奈夜ちゃんはニコニコして奈良漬を食べているものね。ところで学校はもう慣れたかしら?」
「あ、うん、なんとか慣れたかな?」
わたしは、おばあちゃんに心配をかけたくなくて作り笑いを浮かべた。
「そうなのね。それだったら良かった」
おばあちゃんも奈良漬を口に運び「うん、美味しいわ」と言って微笑みを浮かべた。その笑顔になぜだか涙が出そうになった。
「奈良漬も美味しいよ~このパリッパリッシャリシャリとした食感がたまらないね」
「うん、酒粕のクセのある味も最高だね~」
狛子と狛助の呑気で元気な声が聞こえてきた。
「奈良漬ってべっこう色だね」
「うん、べっこう色だね」
狛子と狛助は奈良漬をパリッパリッと食べながら楽しそうに話をしている。
「うふふ、奈夜ちゃんに可愛らしいお友達ができておばあちゃん嬉しいわ」
おばあちゃんは美味しそうに奈良漬を食べている狛子と狛助を眺めそれからわたしに視線を移しにっこりと微笑みを浮かべた。
「う、うん、そうだね」
わたしは狛子と狛助に元気をもらっているのかな。おばあちゃんにもその元気をお裾分けしてくれると嬉しいなと思った。
ねえ、狛子に狛助、わたしの夢を叶えてくれるのでしょう?
夢と言うかわたしは心配していることがある。自分自身のこともそうだけど、それよりも大好きなおばあちゃんのことで気になることがある。
わたしがそんなことを考えながら狛子と狛助の顔をじっと眺めていると狛子が振り向き目が合った。
「ん? 奈夜ちゃんどうしたの?」
「狛子ちゃん達はわたしの夢を叶えてくれるのかなと思って」
「わたしは神様にお仕えしている狛犬だもん任せてね」
狛子は奈良漬と最中を交互に食べながら胸を張る。ちょっとその姿からは本当なのかなと疑いたくなるのだけど。
「そうだよ。僕達は神様にお仕えしている修行中の狛犬だもんね。任せてよ」
狛助もそう言って胸を張るのだけど、修行中と言った言葉が気になるではないか。それに口の周りに最中の食べかすがくっついているし。
「ありがとう。じゃあ、よろしくね」まだまだ半信半疑だけどわたしはお願いした。
「ねえ、狛犬や神様にお仕えしているとかの話をしているけど何のことかしら?」
おばあちゃんが緑茶をずずっと啜りながらわたし達の顔を順番に見た。
「あ、それは、その……こ、狛犬ごっこだよ。そうなのよ、二人と狛犬と神様ごっこをして遊んでいるのよ」
わたしはこれはマズイと思い誤魔化そうとしたのだけど、
「狛犬と神様ごっこじゃないよ。わたし達は正真正銘の狛犬だよ」、「そうだよ~狛犬だよ」と言ったかと思うと狛子と狛助は!!
「わっ!!」
わたしは思わず声を上げてしまった。
だって、狛子と狛助が……。
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