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狛犬と神様と祖父母と美味しいご飯の時間と笑いと涙
神社に帰りますか?
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「奈夜ちゃん、今日も頑張って授業を受けてくるんだぞ」
「学校って楽しいのかな~」
「楽しいのかな~学校」
なんて声が背後からしてわたしはびっくりした。
「わわっ!」と思わず声が出てしまい、振り向くとニコニコと笑っている神様と狛子に狛助が立っていた。
神様はおじいちゃんの赤と紺のチェック柄の前開きパジャマ姿から紫色の着物に着替えていた。狛子はピンク地に狛犬柄の着物、狛助は黄色地に狛犬柄の着物姿だった。
「どうして着いてきているんですか?」
「神社に行くからだぞ」
神様はふふんと口元に手を当てて笑った。
「あ、神社に帰ってくれるんですね?」
「おいおい、奈夜ちゃん喜びを顔にみなぎらせているように見えるが何故じゃ?」
神様は不思議そうに首を横に傾げた。その隣にいる狛子と狛助も神様と同じポーズを取っている。
「えっ! べ、別に喜んでなんていませんよ」
わたしは言いながら自分の頬に手を触れるとにやけていることに気がついた。神社に帰ってくれると嬉しい。だけど、ちょっと寂しくも感じた。
それと神様と一緒にこのならまちを歩くのもちょっとねと思いながら歩いていると、
「奈夜ちゃんは神社を参拝してから学校に行くんだろう?」わたしの隣を歩く神様が尋ねた。
「そのつもりだったけど……」
「けど何じゃね?」
「神様と一緒に神社に参拝に行くのってなんだか不思議な感じがしますね」
わたしは、神様を見上げて返事をした。それに紫色の着物を着た美形な神様と歩いているところをもしクラスメイトに見られたらなんて言われるか心配になる。
「まあな、神様と一緒に神社に参拝に行く中学生は奈夜ちゃん以外にいないかもな」
「そ、そうなんですね……」
それと、ピンク地に狛犬柄の着物姿の狛子と黄色地に狛犬柄の着物姿の狛助もぴょんぴょんと飛び跳ねるように隣を歩いているのだから。
「ん? 奈夜ちゃんは何か心配しておるのか?」
「……クラスメイトに神様と歩いているところを見られたらと思うと変な噂をされたり何か言われたらどうしようかなと心配になって」
わたしは正直に答えた。
「そんなことか。それなら心配いらぬと思うぞ」
神様は得意げに笑った。
「えっ? 心配いらぬってどうしてですか?」
わたしは得意満面な笑みを浮かべている神様に尋ねた。
「それは、だって、俺は神様だぞ」
「はい、神様ですよね? それが何か?」
「神様は人間には見えないからだ」
神様はどうだと言わんばかりに腰に両手を当ててふふんと笑った。
「か、神様……」
「何じゃね?」
「わたしも人間なんですけど神様が見えていますよ」
まさか、わたしは人間じゃなかったなんてそんな馬鹿なことはないよね。
「ああ、奈夜ちゃんは人間だな」
「だったらどうして?」
「神様は見える人には見えるが普通の人はだいたい見えないのかなと思うぞ」
「普通の人には見えないんですか?」
わたしはびっくりして目を見開き聞く。
「恐らくな。奈夜ちゃんやおばあちゃんは神様が見える体質なのかもしくは、俺が奈夜ちゃんの前に姿を見せたからかもしれないな」
神様はそう言ってうんうんと首を縦に振る。
「う~ん、そうなんですね」
わたしは神様の言ったことが分かったような分からないようななんとも言えない感じではあるけれど、クラスメイトにばったり会っても見えないのであればそれでいいかなと思いほっとした。
うん、でもちょっと待てよとわたしは考えた。
「神様、ってことはわたし一人で喋っているみたいじゃないですか!」
「学校って楽しいのかな~」
「楽しいのかな~学校」
なんて声が背後からしてわたしはびっくりした。
「わわっ!」と思わず声が出てしまい、振り向くとニコニコと笑っている神様と狛子に狛助が立っていた。
神様はおじいちゃんの赤と紺のチェック柄の前開きパジャマ姿から紫色の着物に着替えていた。狛子はピンク地に狛犬柄の着物、狛助は黄色地に狛犬柄の着物姿だった。
「どうして着いてきているんですか?」
「神社に行くからだぞ」
神様はふふんと口元に手を当てて笑った。
「あ、神社に帰ってくれるんですね?」
「おいおい、奈夜ちゃん喜びを顔にみなぎらせているように見えるが何故じゃ?」
神様は不思議そうに首を横に傾げた。その隣にいる狛子と狛助も神様と同じポーズを取っている。
「えっ! べ、別に喜んでなんていませんよ」
わたしは言いながら自分の頬に手を触れるとにやけていることに気がついた。神社に帰ってくれると嬉しい。だけど、ちょっと寂しくも感じた。
それと神様と一緒にこのならまちを歩くのもちょっとねと思いながら歩いていると、
「奈夜ちゃんは神社を参拝してから学校に行くんだろう?」わたしの隣を歩く神様が尋ねた。
「そのつもりだったけど……」
「けど何じゃね?」
「神様と一緒に神社に参拝に行くのってなんだか不思議な感じがしますね」
わたしは、神様を見上げて返事をした。それに紫色の着物を着た美形な神様と歩いているところをもしクラスメイトに見られたらなんて言われるか心配になる。
「まあな、神様と一緒に神社に参拝に行く中学生は奈夜ちゃん以外にいないかもな」
「そ、そうなんですね……」
それと、ピンク地に狛犬柄の着物姿の狛子と黄色地に狛犬柄の着物姿の狛助もぴょんぴょんと飛び跳ねるように隣を歩いているのだから。
「ん? 奈夜ちゃんは何か心配しておるのか?」
「……クラスメイトに神様と歩いているところを見られたらと思うと変な噂をされたり何か言われたらどうしようかなと心配になって」
わたしは正直に答えた。
「そんなことか。それなら心配いらぬと思うぞ」
神様は得意げに笑った。
「えっ? 心配いらぬってどうしてですか?」
わたしは得意満面な笑みを浮かべている神様に尋ねた。
「それは、だって、俺は神様だぞ」
「はい、神様ですよね? それが何か?」
「神様は人間には見えないからだ」
神様はどうだと言わんばかりに腰に両手を当ててふふんと笑った。
「か、神様……」
「何じゃね?」
「わたしも人間なんですけど神様が見えていますよ」
まさか、わたしは人間じゃなかったなんてそんな馬鹿なことはないよね。
「ああ、奈夜ちゃんは人間だな」
「だったらどうして?」
「神様は見える人には見えるが普通の人はだいたい見えないのかなと思うぞ」
「普通の人には見えないんですか?」
わたしはびっくりして目を見開き聞く。
「恐らくな。奈夜ちゃんやおばあちゃんは神様が見える体質なのかもしくは、俺が奈夜ちゃんの前に姿を見せたからかもしれないな」
神様はそう言ってうんうんと首を縦に振る。
「う~ん、そうなんですね」
わたしは神様の言ったことが分かったような分からないようななんとも言えない感じではあるけれど、クラスメイトにばったり会っても見えないのであればそれでいいかなと思いほっとした。
うん、でもちょっと待てよとわたしは考えた。
「神様、ってことはわたし一人で喋っているみたいじゃないですか!」
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