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みんなで食べるご飯は美味しい
神様うるさい~!
しおりを挟むこの日の夜は幸せな気持ちでぐっすり眠りにつけるかと思ったのだけどそうは問屋が卸さないらしい。
どうやらつし二階で神様がまくら投げをしているようだ。
ドスンドスンと響くような足音が聞こえてきた。うるさいなと思いながらわたしは、何度も寝返りを打つ。
だけど、つし二階からドスンドスンと響くような足音と何かをドンドンと投げているような音が鳴り止まないのだった。
「もう、神様静かにして~!!」とわたしは大きな声を上げた。
「う~ん、むにゃむにゃ、なんかうるさい声が聞こえてくるよ~」
その声に振り返ると狛子が眠そうに手でまぶたを擦っていた。
「あ、狛子ちゃん起こしてしまった?」
「おねむだよ~むにゃむにゃ」
狛子は半分寝ぼけた声で答える。
「狛子ちゃんごめんね。起こしちゃったね」
これじゃあ神様と同じだよーと反省をする。
狛子の返事はなくスヤスヤと可愛らしい寝息が聞こえてきた。
うふふ、なんか可愛いなと思い笑みがこぼれたんだけど、つし二階からドスンドスンと響く足音と枕をドンドンと投げているような音が聞こえてきたのでまたまた叫びそうになってしまった。
もう我慢できない! わたしは、箱階段をゆっくり上り(手すりがないので慌てると落ちそうになる)つし二階に向かう。
そして、「神様、うるさい!!」と叫んだ。
「おっと、奈夜ちゃんじゃないか」
枕を抱えた神様はくるりとこちらに振り向いた。
「神様、どうぞ神社にお帰りください」
わたしは冷ややかな声で言った。
「おいおい奈夜ちゃん、こんな時間に神様を追い出すのかい?」
「はい、どうぞお帰りください。こんな時間につし二階で暴れているんだもんね」
「そ、そんな……酷いじゃないか」
神様は眉間に皺寄せ泣きそうな声を出す。
わたしは有無を言わせぬ口調で、「わたしは明日学校なんです。枕投げをしてるんだったらとっとと神社に帰ってください」と神様をキッと睨んだ。
「おっと、奈夜ちゃんは怖いな。わかったよ。枕投げは止めるぞ」
神様は枕を布団の上に置いた。
「じゃあ、寝るぞおやすみなさい」
神様はそう言ったかと思うとさっさと布団に入った。
わたしは呆れてそんな神様を見下ろしじっと眺めた。
神様は布団から顔を出し「奈夜ちゃんは学校ではおとなしいが俺には言いたいことをハッキリ言うな」と言ってニッと笑った。
そう言えばそうだなとわたしは思った。
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