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元気なパワーとそして俺達は

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「ねえ、やっぱりちょっと怖いよね……」


    にゃんぴが震える声で言った。

「うん、あの三毛猫のことを思い出すとビクビクしちゃうけど負けてはいられないぞ!」

  猫助はポテトチップスをぽろぽろ溢しながら俺の顔をちらりと見た。

「にゃんぴも猫助もありがとう」

  二人(二匹)が俺の友達で良かったなと改めて思った。

「さあ、気を取り直して行くよ~」

「よし、行くぞ~」

「ありがとう~俺達は一人じゃないんだもんね」

「そうだよ!  ポテトチップスもチョコレートもあるからね」


  猫助はにんまりと笑い俺にチョコレートを渡してきた。


「おいおい、どうしてこの場面でチョコレートなんだよ」

  俺は呆れつつもチョコレートを猫助から受け取り口に運んだ。チョコレートのその甘さが弱りかけていた俺の体にパワーを与えてくれてグングンと元気が湧いてきた。

「あ、猫太君だけズルいよ~」

「にゃんぴもどうぞ~」

  にゃんぴも猫助からチョコレートを受け取り食べた。

「うん、美味しい~」

  俺達は食いしん坊だなと思うと可笑しくなるけれどこれが俺達らしさだよなと思いながら歩いた。

  そして、気がつくと木製のピンク色扉が可愛らしい『不思議な家へようこそ!』の建物の前に俺達は立っていた。

「よし、着いたぞ!」

  俺はギュッと拳を握り締めた。
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