上 下
77 / 407

校舎に入りました

しおりを挟む
  廊下には生徒が描いたと思われる動物の絵や花の絵などが貼られていた。わたしは可愛らしいなと眺めながら歩いた。

  猫やうさぎや犬にそれからコアラなどのもふもふ動物が廊下を歩いている。

「こんにちは~」とシロッコが挨拶をすると、動物達は元気よく「こんにちは~」と返事を返し礼儀正しい。

  わたしも動物達に挨拶をした。すると可愛らしい動物達の挨拶が返ってくるので嬉しくてたまらなかった。思わず鼻歌を歌いそうになる。

  シロッコを先頭にしばらく歩くと、室名札に職員室と書かれている部屋の前でシロッコが立ち止まった。

「先生を呼んで来るにゃん」とシロッコは言ってコンコンとノックして扉を開き入室した。

  わたしがわくわくしながら待っていると、

「お待たせにゃん」と言って出てきたシロッコの隣に黒色のカーディガンに赤色のフレアスカートを穿いているシロッコによく似た真っ白なもふもふ猫が立っていた。

  きっと、教師だろう。

「先生のマッシロさんだにゃん」とシロッコが紹介してくれた。

「わたしは、川本満里奈高校一年生十五歳です」と挨拶をした。

「あらあら、元気な人間の女の子ね。高校一年生って何かしらにゃん?  満里奈ちゃん、よろしくねマッシロです」

  マッシロ先生はにっこりと笑いわたしの顔を見た。

「ケンも挨拶をしたらにゃん」

「……ケンです」

   ケンはシロッコに言われて面倒くさそうに名前だけ言った。

「あらあら、不機嫌そうなお顔ね。マッシロです。よろしくにゃん」

  マッシロ先生は笑顔を浮かべている。

「では、学校を簡単に案内しますにゃん」


  わたしが答える前に「は~い!」とミケにゃんが手を上げた。

「あらあら、ミケにゃんちゃんはこの学校の生徒でしょ」

  マッシロ先生はちょっと呆れたように微笑みを浮かべた。

「でも、ミケにゃんも見学するんだもんね」

「はいはい、ではみなさん行きますにゃん」

  マッシロ先生はそう言って歩き出した。

  わたしは「は~い」と答え先生の後に続いて歩いた。
しおりを挟む
1 / 2

この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!


処理中です...