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コロッケとたこ焼き

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「ミケにゃんはコロッケを食べることができて幸せだにゃん。コーンもたっぷり入っていて最高だにゃん」

  ミケにゃんのその顔は顔中から美味しかったよが漂っている。

「そんなに美味しかったんだね」

「うん、ポテトがほくほくだったしコーン良く合って最高だったにゃん」

「喜んでもらえて嬉しいよ」

  わたしがにっこりと微笑むとミケにゃんが、

「満里奈ちゃんにもたこ焼き一個あげるにゃん」と言ってにゃぱにゃぱと笑った。

「えっ!  わたしにもたこ焼きくれるの?」

「うん、満里奈ちゃんにもあげるにゃ~ん!」

  ミケにゃんはにゃぱっと笑いながら肉球のある可愛らしい手のひらにたこ焼きを載せた。

「……あのミケにゃんちゃん」

「ん?  満里奈ちゃんどうしたのにゃん?」

  ミケにゃんは不思議そうに首を横に傾げた。

「手に載せたたこ焼きを分けてくれるの……」

「うん、満里奈ちゃんどうぞにゃ~ん!」

  ミケにゃんは満面の笑みを浮かべた。わたしはちょっとばっちいかなと思ったけれど、ミケにゃんのたこ焼きを分けてくれると言うのだから有り難くもらうことにした。

「ミケにゃんちゃんありがとう」

  わたしは、たこ焼きを手づかみで食べた。外はカリッカリッで中身はとろとろでとても美味しかった。それに、たこ焼きを手づかみで食べるのもたまにはいいかなと思った。

  うふふ、なんだか嬉しくて幸せで頬が緩んだ。

「ミケにゃんちゃん、美味しいよ。ありがとう~」

「にゃはは、どういたしましてにゃん」

  コロッケとたこ焼きを交換した形になったけれどこれこそ学校生活かなと思ったのだった。
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