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コロッケ

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「あ、うさぴーのコロッケ美味しそうだにゃん!」

  ミケにゃんはぱっとこちらに向きうさぴーの食べているコロッケを見ている。

「ミケにゃんはたこ焼きを食べているんでしょう」

「ミケにゃんはたこ焼きを食べているけどコロッケも気になるにゃん」

  そう言ったミケにゃんのソースと青のりがべったりくっついたお口からヨダレが垂れそうになっている。

「……ミケにゃんって食い意地の張った猫だね」

  うさぴーは呆れた声を出しコロッケをぱくぱく食べ終えた。

「だって、ミケにゃんの趣味は食べることにゃんだもん」

  ミケにゃんはもう一個残っているわたしのコロッケに視線を向けた。わっ、コロッケが狙われている。

「……美味しそうなコロッケだにゃん」

  なんて呟くミケにゃん。

「ミケにゃんちゃんもコロッケが食べたいんだね」

  わたしコロッケ食べられなくなったじゃないと思いながら言った。

「うん、ミケにゃんはコロッケが食べたいにゃん!」

  そう答えにゃぱにゃぱ笑うミケにゃんの顔があまりにも可愛らしくてわたしは、「コロッケをどうぞ」と笑顔で言ってしまったのだ。

「わ~い!  満里奈ちゃん、にゃははありがとうにゃん」ミケにゃんはそれはもう嬉しそうに笑いコロッケに手を伸ばした。

  そして、「いただきますにゃ~ん!」と言ってぱくぱくにゃんとコロッケを食べた。

  そのミケにゃんの顔に幸せいっぱいの花が咲いた。ミケにゃんのそんな顔を見ていると、わたしの心もほわほわとあたたかくなった。コロッケを食べ損ねたことなんてどうでもいいやと思えてきた。

「美味しいにゃ~ん!」

  ミケにゃんはとびっきりの笑顔を浮かべた。
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