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ミケにゃんと一緒に帰ろう

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「もうミケにゃんちゃんってばたこ焼きを食べている絵を見ていたいはずなのにね」

   ミケにゃんのヨダレ騒動から落ち着いた椿ちゃんが笑いながら言った。

「にゃはは。ミケにゃんってば食べ物を見るともう何でも食べたくなってしまうんだにゃん!」

  ミケにゃんはまたまた肉球のある可愛らしい手で頭をぽりぽり掻きどうやら照れているようだ。

「ミケにゃんちゃんには本当に困ってしまうよ。もうキュートで食い意地の張った猫ちゃんだよね」

  椿ちゃんは呆れながらもやっぱりミケにゃんのことが可愛らしくて憎めないらしい。もふもふな動物はなんでも許してもらえそうでちょっと羨ましいな。

「ミケにゃんの取り柄は食べることにゃんだもん!」

  ミケにゃんはそう言って得意げに胸を張る。


「あはは、食べることが取り柄って有りかな?」

「あの猫さんは特別食い意地が張っているのが取り柄なのかもね」

  わたしと椿ちゃんはミケにゃんをじっと見る。そして、わたし達は顔を見合わせて笑う。

「ん?  ミケにゃんの顔に何か付いてるかなにゃん」

  ミケにゃんはきょとんとして首を傾げた。

「さあ、ミケにゃんちゃん帰るよ~」

  わたしと椿ちゃんはもふもふなミケにゃんの肉球がある可愛らしい右手をわたしがつなぎ椿ちゃんが左手をつないだ。

「にゃははにゃん。両手に人間の女の子だにゃ~ん」

  ミケにゃんはそう言ってにゃははと笑った。
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