37 / 111
きらりちゃんと動物園
しおりを挟む
ーーー
わたし達はバスに揺られて動物園にやって来た。
「わ~い、きらりちゃん見てみて。動物園に着いたよ。可愛らしい動物がお出迎えだよ~」
「……愛可、わたし暑いんだけど」
「そんなの夏なんだから当たり前だよ。それより見てよ、門の上を」
わたしは、ふふんと笑い門の上を指差した。
「門の上がどうしたのよ」
きらりちゃんは、わたしの指差した門の上を見た。だけど、「ふーん」と言うだけなんだから冷めている。子供らしくないんだから。
「可愛らしい動物が門の上にいるじゃない」
「ああ、作り物の動物がね」
なんてつまらなさそうに言った。
「作り物も可愛いけどね。あ、動物園の中には本物の動物がいるから楽しみだね。さあ、行こう」
わたしは元気よく歩き出した。
「愛可って元気だね~」
なんて言いながらわたしに着いてきた。
なんだかこれではわたしが子供できらりちゃんが大人みたいではないか。まあ、それでもいいかな。だって、動物園は楽しい癒しの場所なのだから。
わたしはにっこりと笑い手を差し出した。
「何よ?」
「手を繋ごう~」
わたしはうふふと笑いながら手を差し出した。
「愛可気持ち悪いよ~」
「あ、酷いよ。きらりちゃんってば」
そんなことを言い合いながらわたしときらりちゃんは入場ゲートに向かった。
「うわぁ~可愛いよ」
「愛可騒ぎすぎだよ~」
「だって、可愛いんだもん! ほら、見てよ~あれはマレーグマかな?」
わたしはニコニコ笑顔を浮かべ可愛らしい動物を眺めた。もちろん動物も可愛いのだけど、兄弟姉妹のいない一人っ子のわたしはきらりちゃんが妹のように思えてきて嬉しいのだった。
もしわたしに妹がいたらこんな感じなのかな? あ、でもこんなに憎たらしくはないよね。なんて考えながらきらりちゃんの顔をちらりと眺めた。
「愛可って子供みたいだね~」
「うふふ。子供みたいでもいいもんね!」
それによく見るときらりちゃんだって頬を緩めているのだから。そんなきらりちゃんがなんだか可愛らしく見えてきた。
「ふーん、小学生に子供みたいだと言われてもいいんだぁ。愛可ってば可笑しいね」
きらりちゃんは手を叩き笑った。
おっ、これはきらりちゃんの笑顔一つゲットだね。
「いいよ。構わないもんね」
「ふーん、そうなんだ。愛可は変わってるね」
きらりちゃんはキッズ携帯で写真を撮った。なんだかんだ言いながら楽しんでいるんじゃないのかな。
怒るかもしれないけれどきらりちゃんてば顔がニヤニヤしているよ。動物さんが本当は好きなんだね。
その後も可愛らしい動物を見て歩いた。
キリンやカバにゾウなどを見て、わたしは可愛いねとはしゃぎきらりちゃんは澄ました顔で写真を撮った。
沖縄ならではの琉球犬やツシマヤマネコなども展示されていた。
うふふ、なんだか癒されるな。
「久しぶりの動物園は楽しいね。ねえ、きらりちゃん乗り物コーナーや動物さんとのふれあいコーナーもあるよ~」
わたしが琉球犬の写真を撮っているきらりちゃんに声をかけるとこちらに振り返ったきらりちゃんは「子供っぽい」と言った。
「子供のくせにね」
「愛可、なんか言った?」
「ううん、何も言ってませ~ん!」
「怪しいな」
「怪しくないもんね。あ、そうだ、アイスでも食べようよ。暑いもんね」
「アイス?」
「うん、アイスだよ。食べたくないのかな?」
「食べたい」
「じゃあアイスを食べよう~」
わたしは、きらりちゃんの腕を引っ張りパーラーへ向かった。さあ、アイスがわたし達を待っているよ。
空を見上げると青い空に沖縄の太陽が元気にキラキラと輝いていた。
わたしときらりちゃんは入場ゲート近くのパーラーの前に立っている。
「きらりちゃん、どれ食べる~? 全部美味しそうで迷ってしまうね」
ショーケースにはバニラ、チョコ、紅イモ、塩ちんすこう、シークワァーサー、ストロベリー、ミントチョコ、サトウキビなどそれはもう見ただけでも美味しいと分かるようなアイスが並んでいるのだからワクワクする。
全部食べたくなってしまう。
わたしは笑顔を浮かべて聞いた。
そう聞いたのだけど返事がない。どうしたのかなと不思議に思いきらりちゃんの横顔に視線を移すとその表情は曇っていた。
「……きらりちゃん?」
「あ、えっと、アイス美味しそうだね」
きらりちゃんは笑っているけれどなんだか様子がおかしい。気のせいなのかな?
「どれ食べる? 迷うね。わたし紅イモアイスにしようかな~」
「えっ! 紅イモアイス」
「うん、紅イモアイスがどうかしたの?」
「……わたしも紅イモアイスにするよ」
きらりちゃんの表情はやっぱり曇っている。
「ねえ、本当に紅イモアイスでいいの?」
「うん、紅イモアイスでいいから買ってきてよ」
「そう。じゃあ、買ってくるからきらりちゃんはイスに座って待っててね」
わたしは不思議に思いながら紅イモアイスを買いに向かった。
わたし達はバスに揺られて動物園にやって来た。
「わ~い、きらりちゃん見てみて。動物園に着いたよ。可愛らしい動物がお出迎えだよ~」
「……愛可、わたし暑いんだけど」
「そんなの夏なんだから当たり前だよ。それより見てよ、門の上を」
わたしは、ふふんと笑い門の上を指差した。
「門の上がどうしたのよ」
きらりちゃんは、わたしの指差した門の上を見た。だけど、「ふーん」と言うだけなんだから冷めている。子供らしくないんだから。
「可愛らしい動物が門の上にいるじゃない」
「ああ、作り物の動物がね」
なんてつまらなさそうに言った。
「作り物も可愛いけどね。あ、動物園の中には本物の動物がいるから楽しみだね。さあ、行こう」
わたしは元気よく歩き出した。
「愛可って元気だね~」
なんて言いながらわたしに着いてきた。
なんだかこれではわたしが子供できらりちゃんが大人みたいではないか。まあ、それでもいいかな。だって、動物園は楽しい癒しの場所なのだから。
わたしはにっこりと笑い手を差し出した。
「何よ?」
「手を繋ごう~」
わたしはうふふと笑いながら手を差し出した。
「愛可気持ち悪いよ~」
「あ、酷いよ。きらりちゃんってば」
そんなことを言い合いながらわたしときらりちゃんは入場ゲートに向かった。
「うわぁ~可愛いよ」
「愛可騒ぎすぎだよ~」
「だって、可愛いんだもん! ほら、見てよ~あれはマレーグマかな?」
わたしはニコニコ笑顔を浮かべ可愛らしい動物を眺めた。もちろん動物も可愛いのだけど、兄弟姉妹のいない一人っ子のわたしはきらりちゃんが妹のように思えてきて嬉しいのだった。
もしわたしに妹がいたらこんな感じなのかな? あ、でもこんなに憎たらしくはないよね。なんて考えながらきらりちゃんの顔をちらりと眺めた。
「愛可って子供みたいだね~」
「うふふ。子供みたいでもいいもんね!」
それによく見るときらりちゃんだって頬を緩めているのだから。そんなきらりちゃんがなんだか可愛らしく見えてきた。
「ふーん、小学生に子供みたいだと言われてもいいんだぁ。愛可ってば可笑しいね」
きらりちゃんは手を叩き笑った。
おっ、これはきらりちゃんの笑顔一つゲットだね。
「いいよ。構わないもんね」
「ふーん、そうなんだ。愛可は変わってるね」
きらりちゃんはキッズ携帯で写真を撮った。なんだかんだ言いながら楽しんでいるんじゃないのかな。
怒るかもしれないけれどきらりちゃんてば顔がニヤニヤしているよ。動物さんが本当は好きなんだね。
その後も可愛らしい動物を見て歩いた。
キリンやカバにゾウなどを見て、わたしは可愛いねとはしゃぎきらりちゃんは澄ました顔で写真を撮った。
沖縄ならではの琉球犬やツシマヤマネコなども展示されていた。
うふふ、なんだか癒されるな。
「久しぶりの動物園は楽しいね。ねえ、きらりちゃん乗り物コーナーや動物さんとのふれあいコーナーもあるよ~」
わたしが琉球犬の写真を撮っているきらりちゃんに声をかけるとこちらに振り返ったきらりちゃんは「子供っぽい」と言った。
「子供のくせにね」
「愛可、なんか言った?」
「ううん、何も言ってませ~ん!」
「怪しいな」
「怪しくないもんね。あ、そうだ、アイスでも食べようよ。暑いもんね」
「アイス?」
「うん、アイスだよ。食べたくないのかな?」
「食べたい」
「じゃあアイスを食べよう~」
わたしは、きらりちゃんの腕を引っ張りパーラーへ向かった。さあ、アイスがわたし達を待っているよ。
空を見上げると青い空に沖縄の太陽が元気にキラキラと輝いていた。
わたしときらりちゃんは入場ゲート近くのパーラーの前に立っている。
「きらりちゃん、どれ食べる~? 全部美味しそうで迷ってしまうね」
ショーケースにはバニラ、チョコ、紅イモ、塩ちんすこう、シークワァーサー、ストロベリー、ミントチョコ、サトウキビなどそれはもう見ただけでも美味しいと分かるようなアイスが並んでいるのだからワクワクする。
全部食べたくなってしまう。
わたしは笑顔を浮かべて聞いた。
そう聞いたのだけど返事がない。どうしたのかなと不思議に思いきらりちゃんの横顔に視線を移すとその表情は曇っていた。
「……きらりちゃん?」
「あ、えっと、アイス美味しそうだね」
きらりちゃんは笑っているけれどなんだか様子がおかしい。気のせいなのかな?
「どれ食べる? 迷うね。わたし紅イモアイスにしようかな~」
「えっ! 紅イモアイス」
「うん、紅イモアイスがどうかしたの?」
「……わたしも紅イモアイスにするよ」
きらりちゃんの表情はやっぱり曇っている。
「ねえ、本当に紅イモアイスでいいの?」
「うん、紅イモアイスでいいから買ってきてよ」
「そう。じゃあ、買ってくるからきらりちゃんはイスに座って待っててね」
わたしは不思議に思いながら紅イモアイスを買いに向かった。
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
7
1 / 3
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる