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〜8. それぞれの思惑〜
夢の中で*
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サイラス殿下が不在の一週間、私は身体を重ねずに済むことに、どこか安堵していた。
静寂な一人の夜。窓の外の青白い月明かりを眺めながら、ベッドに横になり、目を瞑る。
「ロザリア…」
出発前のあの夜に、殿下が私の名を優しくそう呼んだのを思い出す。あの夜だけじゃない。逞しい腕の中で、大切なものを閉じ込めるみたいにして、殿下は幾度も私の名を呼んでくれた。
包み込むように大きく温かい手。私を見つめる熱い瞳。まるで愛されているみたいな錯覚をし、あっさりと心を奪われていた。
私を抱きながら、本当は、何を思っていたのだろう。何年も費やしてきたレリック公国の小麦の輸出戦略。その成功の鍵となるクレディア商会…
頭が良く冷静な彼が、愛や欲などに惑わされるはずがない。この国の第二王子として、自身がすべき事をしてきたに過ぎないのだろう。その偽物の優しさに、まんまと溺れていく私は、さぞ滑稽だったに違いない。
怒りや、悔しさはない。私が愚かだっただけだ。そう思いながら、眠りについた。
◇
「ロザリア…」
「殿下…? あ…っ」
熱い瞳で見つめながら、殿下が自身を私の膣内へゆっくりと進める。殿下の形に拡げられる圧迫感に、背筋がゾクッと粟立つ。
「んん…っ」
「ハァ…」
コツ…と奥が触れた瞬間、殿下が小さく息を漏らした。満たされる幸福感に視界が潤んだ。
都合の良い夢を見ているのだと、早々に気付いていた。夢の中だからこそ、目の前の殿下は私だけの物で、今は現実を忘れ、身体を委ねても良いのだと、理解していた。
「ロザリア…? 何を泣いて…」
「いえ…、ただ、嬉しくて…」
熱くなる目頭に堪えながら、殿下の首に腕を回す。そのまま、そっと触れるだけの口吻をして、殿下を見つめた。
「愛していますわ…」
それは現実では決して口には出せない言葉。だけど、今なら言っても構わないだろう。
「あぁ。僕も、貴女を愛している」
当たり前のように殿下がそう答えて、優しく微笑む。"愛している" だなんて言葉は、殿下からも一度も言われたことはなかった。嘘でも、この言葉は言えなかったのだろう。
「ずっと、こうしていられれば良いのに…」
「貴女がそんなことを言うと、今夜は朝まで抱いてしまうが…」
困惑したように殿下がそう言う。その表情を愛しく思いながら、殿下の頬に手を伸ばした。
「構いませんわ…」
殿下に愛されて求められるのなら、そんなに幸せなことはない。甘えるように殿下に腰を押し付けると、繋がった其処で殿下がビク…っと震えた。
「…煽ったら、後で知らないぞ」
「えぇ。朝まで、愛してくださいませ」
そう微笑んで、私はもう一度、夢の中の優しい殿下に唇を重ねた。
静寂な一人の夜。窓の外の青白い月明かりを眺めながら、ベッドに横になり、目を瞑る。
「ロザリア…」
出発前のあの夜に、殿下が私の名を優しくそう呼んだのを思い出す。あの夜だけじゃない。逞しい腕の中で、大切なものを閉じ込めるみたいにして、殿下は幾度も私の名を呼んでくれた。
包み込むように大きく温かい手。私を見つめる熱い瞳。まるで愛されているみたいな錯覚をし、あっさりと心を奪われていた。
私を抱きながら、本当は、何を思っていたのだろう。何年も費やしてきたレリック公国の小麦の輸出戦略。その成功の鍵となるクレディア商会…
頭が良く冷静な彼が、愛や欲などに惑わされるはずがない。この国の第二王子として、自身がすべき事をしてきたに過ぎないのだろう。その偽物の優しさに、まんまと溺れていく私は、さぞ滑稽だったに違いない。
怒りや、悔しさはない。私が愚かだっただけだ。そう思いながら、眠りについた。
◇
「ロザリア…」
「殿下…? あ…っ」
熱い瞳で見つめながら、殿下が自身を私の膣内へゆっくりと進める。殿下の形に拡げられる圧迫感に、背筋がゾクッと粟立つ。
「んん…っ」
「ハァ…」
コツ…と奥が触れた瞬間、殿下が小さく息を漏らした。満たされる幸福感に視界が潤んだ。
都合の良い夢を見ているのだと、早々に気付いていた。夢の中だからこそ、目の前の殿下は私だけの物で、今は現実を忘れ、身体を委ねても良いのだと、理解していた。
「ロザリア…? 何を泣いて…」
「いえ…、ただ、嬉しくて…」
熱くなる目頭に堪えながら、殿下の首に腕を回す。そのまま、そっと触れるだけの口吻をして、殿下を見つめた。
「愛していますわ…」
それは現実では決して口には出せない言葉。だけど、今なら言っても構わないだろう。
「あぁ。僕も、貴女を愛している」
当たり前のように殿下がそう答えて、優しく微笑む。"愛している" だなんて言葉は、殿下からも一度も言われたことはなかった。嘘でも、この言葉は言えなかったのだろう。
「ずっと、こうしていられれば良いのに…」
「貴女がそんなことを言うと、今夜は朝まで抱いてしまうが…」
困惑したように殿下がそう言う。その表情を愛しく思いながら、殿下の頬に手を伸ばした。
「構いませんわ…」
殿下に愛されて求められるのなら、そんなに幸せなことはない。甘えるように殿下に腰を押し付けると、繋がった其処で殿下がビク…っと震えた。
「…煽ったら、後で知らないぞ」
「えぇ。朝まで、愛してくださいませ」
そう微笑んで、私はもう一度、夢の中の優しい殿下に唇を重ねた。
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