二度目の勇者は我が道を行く

眠たいカラス

文字の大きさ
21 / 32

ラウラ

しおりを挟む
「さて…君は何者だ?」

その言葉を皮切りにユウキの家の中にピリッとした空気が漂った。
ラウラは「どういうことでしょうか?」と惚けたが、ユウキは更に自分に見えている姿とラウラのスキルについて話し出す。

「…と、私には見えている」

「…」

「話したくないならいい…だが、なにか秘密があってそれが私に害を与えるものなら教えて欲しい」

「確かに、秘密はあります。ご主人様の言う通り私はエルフです。しかし、ご主人様に害を与えることはありません!」

「ふむ…で?君は何故奴隷に?それだけの力があれば他に道は色々あったはずだが?」

「それは…姫に捨てられたのです」

「…は?」

「私はエルフの国で国王陛下直属の兵士の1人でした。しかし、任務の途中で姫の婚約者に怪我を負わせてしまったのです。私は姫に犯罪奴隷にされそうになったのですが…陛下がこれまでの働きぶりを見てくださっていたようで人間の女性として一般奴隷になることを許してくださいました。それで私は奴隷となりました」

「…そうか、話してくれてありがとう。生活魔法は使えるんだよな?自分の体を綺麗にして服を着替えてくれ」

「はい、分かりました」

ラウラはエルフの国でそれなりの地位にいたようだな…しかし、エルフの姫は酷いことをする。
私としては家事ができる戦力を手に入れたのでありがたいのだが…ラウラはエルフの国に戻りたいとは思っていないのだろうか?
…そんなことを考えているとラウラはユウキの目の前まで来て服を脱いだ。
ユウキの前にはリンゴほどの大きさの胸が現れ、下の方には剃っているのか毛の生えていない部分が見えていた。

「…なにをしている?」

「…目の前で着替えろということでは?」

「いや…すまない。ラウラの部屋はここだ。使うといい」

そう言って入口に1番近い部屋をラウラに与える。
ラウラは部屋の中に入りベットが置かれていることに驚いていた。
奴隷にはベットなど必要なく床に敷かれた布の上で寝るものだ…と教えてくれた。
しかし、もとから用意されていた家具なので気にする必要は無いといい、部屋を1つラウラに与えた。
ラウラは部屋の中に入ると部屋の中を見回す。
…どうやら、気に入ってくれたようだ。

「ラウラ。食材をここに置いておく。料理を頼んでもいいか?」

「はい!分かりました!」

明るい声で返事をすると着替えを終えたラウラが部屋から出てくる。
…うん、可愛い。眼福だ。
ラウラは包丁を使ってササッとホーンラビットを捌いた。
野菜も簡単に切り終えてしまい下処理は数分で終わってしまった。
料理をしているラウラの後ろ姿は…よかった。
何が良かったのかは…想像にお任せする。しかし、1つヒントを与えるのであれば…桃が良い!である。

「終わりました。あとは煮込むだけです。他に何かすることはありますか?」

「…ん?鍋の前に居なくても良いのか?」

「一応、エルフですので…魔法制御で良いタイミングになったら消えるようにしてあります」

「そうか、そういえば裏庭がついているのだが…見てみるか?」

「是非」

ユウキは自らも入ったことのない裏庭へと足を踏み入れる。
すると、そこには…!
…………………雑草がボーボーと生えていた。
うん、予想してた。
まぁ、家がこんな状態じゃないだけマシだろう。

「これは…」

「すまんな、購入したばかりで裏庭まで手が回っていない」

「分かりました。綺麗にさせていただきます」

「いや、いいぞ?少し休め…」

「大丈夫です!お夕飯までには間に合わせます!」

そういえば、この世界って、一日二食制か…。
一日三食食べていたユウキからしたら夜まで待つことは…できない。
ユウキは軽くインベントリを漁ることにした。
すると、日本で購入した菓子パンを見つける。
インベントリから2つ菓子パンを取り出すと片方をラウラの方に投げた。

「…これは?」

「アンパンだ。食べてみろ」

「あうぱ?」

「アンパン」

「アンパン?」

「そうだ。こうやって袋を開ける」

ユウキは袋の開け方を教えて中にあるアンパンを口に入れた。
うん、美味い…やはり甘味は大事だよなぁ…この世界って本当に甘味が少ないんだよなぁ…貴族の女性が食べるクッキーは砂糖の塊かって位甘いから食う気にならなかったんだよね…。

「…美味しいです」

「そうだろ?」

「こんなに甘い食べ物初めて食べました」

「エルフの国だと甘味は確か…果物だけだったか?」

「はい、砂糖というのは体に良くないからダメだと言われてきました。しかし、意味がやっと分かりました。これは…虜になってしまいます」

「まぁ、毎日ってわけにはいかないが…今日はラウラが家に来た日だからな。特別だ」

「ありがとうございます」
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

旧校舎の地下室

守 秀斗
恋愛
高校のクラスでハブられている俺。この高校に友人はいない。そして、俺はクラスの美人女子高生の京野弘美に興味を持っていた。と言うか好きなんだけどな。でも、京野は美人なのに人気が無く、俺と同様ハブられていた。そして、ある日の放課後、京野に俺の恥ずかしい行為を見られてしまった。すると、京野はその事をバラさないかわりに、俺を旧校舎の地下室へ連れて行く。そこで、おかしなことを始めるのだったのだが……。

盾の間違った使い方

KeyBow
ファンタジー
その日は快晴で、DIY日和だった。 まさかあんな形で日常が終わるだなんて、誰に想像できただろうか。 マンションの屋上から落ちてきた女子高生と、運が悪く――いや、悪すぎることに激突して、俺は死んだはずだった。 しかし、当たった次の瞬間。 気がつけば、今にも動き出しそうなドラゴンの骨の前にいた。 周囲は白骨死体だらけ。 慌てて武器になりそうなものを探すが、剣はすべて折れ曲がり、鎧は胸に大穴が空いたりひしゃげたりしている。 仏様から脱がすのは、物理的にも気持ち的にも無理だった。 ここは―― 多分、ボス部屋。 しかもこの部屋には入り口しかなく、本来ドラゴンを倒すために進んできた道を、逆進行するしかなかった。 与えられた能力は、現代日本の商品を異世界に取り寄せる 【異世界ショッピング】。 一見チートだが、完成された日用品も、人が口にできる食べ物も飲料水もない。買えるのは素材と道具、作業関連品、農作業関連の品や種、苗等だ。 魔物を倒して魔石をポイントに換えなければ、 水一滴すら買えない。 ダンジョン最奥スタートの、ハード・・・どころか鬼モードだった。 そんな中、盾だけが違った。 傷はあっても、バンドの残った盾はいくつも使えた。 両手に円盾、背中に大盾、そして両肩に装着したL字型とスパイク付きのそれは、俺をリアルザクに仕立てた。 盾で殴り 盾で守り 腹が減れば・・・盾で焼く。 フライパン代わりにし、竈の一部にし、用途は盛大に間違っているが、生きるためには、それが正解だった。 ボス部屋手前のセーフエリアを拠点に、俺はひとりダンジョンを生き延びていく。 ――そんなある日。 聞こえるはずのない女性の悲鳴が、ボス部屋から響いた。 盾のまちがった使い方から始まる異世界サバイバル、ここに開幕。 ​【AIの使用について】 本作は執筆補助ツールとして生成AIを使用しています。 主な用途は「誤字脱字のチェック」「表現の推敲」「壁打ち(アイデア出しの補助)」です。 ストーリー構成および本文の執筆は作者自身が行っております。

敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています

藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。 結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。 聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。 侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。 ※全11話 2万字程度の話です。

魔力ゼロの俺だけが、呪いの装備を『代償なし』で使い放題 ~命を削る魔剣も、俺が持てば『ただのよく切れる剣』~

仙道
ファンタジー
現代日本で天才研究者だった相模登(さがみ のぼる)は、ある日突然、異世界へ転移した。  そこは『スキル』と『魔力』が全てを決める世界。   しかし登には、ステータス画面もなければ、魔力も、スキルも一切存在しなかった。   ただの一般人として迷宮に放り出された彼は、瀕死の女騎士と出会う。彼女の前には、使う者の命を瞬時に吸い尽くす『呪いの魔剣』が落ちていた。   武器はそれしかない。女騎士は絶望していたが、登は平然と魔剣を握りしめる。 「なぜ……生きていられるの?」  登には、剣が対価として要求する魔力は存在しない。故に、魔剣はデメリットなしの『ただのよく切れる剣』として機能した。   これは、世界で唯一「対価」を支払う必要がない登が、呪われた武具を次々と使いこなし、その副作用に苦しむ女騎士やエルフ、聖女を救い出し、無自覚に溺愛されていく物語。

JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――

のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」 高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。 そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。 でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。 昼間は生徒会長、夜は…ご主人様? しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。 「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」 手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。 なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。 怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。 だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって―― 「…ほんとは、ずっと前から、私…」 ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。 恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。

エリクサーは不老不死の薬ではありません。~完成したエリクサーのせいで追放されましたが、隣国で色々助けてたら聖人に……ただの草使いですよ~

シロ鼬
ファンタジー
エリクサー……それは生命あるものすべてを癒し、治す薬――そう、それだけだ。 主人公、リッツはスキル『草』と持ち前の知識でついにエリクサーを完成させるが、なぜか王様に偽物と判断されてしまう。 追放され行く当てもなくなったリッツは、とりあえず大好きな草を集めていると怪我をした神獣の子に出会う。 さらには倒れた少女と出会い、疫病が発生したという隣国へ向かった。 疫病? これ飲めば治りますよ? これは自前の薬とエリクサーを使い、聖人と呼ばれてしまった男の物語。

勇者の隣に住んでいただけの村人の話。

カモミール
ファンタジー
とある村に住んでいた英雄にあこがれて勇者を目指すレオという少年がいた。 だが、勇者に選ばれたのはレオの幼馴染である少女ソフィだった。 その事実にレオは打ちのめされ、自堕落な生活を送ることになる。 だがそんなある日、勇者となったソフィが死んだという知らせが届き…? 才能のない村びとである少年が、幼馴染で、好きな人でもあった勇者の少女を救うために勇気を出す物語。

処理中です...