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辺境伯領を目指して…③
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「…っ!ハァハァ…!」
「あ、やばっ…大丈夫か?」
「フゥッ!…スーッ!フゥー!……はい、
大丈夫です。ですが、少し休憩をいただけますか?」
「すまん、加減したつもりだったが…早かったみたいだな…」
返事をする余裕はあまり無いようだ。
入町税を払い町に入る。
町は規模の割に活気がある。
ユウキが町で美味しい食事のできるところを聞くと入ってすぐのところにあるお店を指さした。
「あそこは上手いから食ってみろ」
…だそうだ。
お店に入ると店員がユウキの元に駆け寄り、席へと案内をしてくれる。
「ご注文は決まってますか?」
「いや、だが、走ってきたばかりなので軽めに食事をしたいのだが…」
「かしこまりました。では、サラダはいかがでしょうか?辺境伯領で取れた新鮮な野菜が今日は売られていたので美味しいですよ?」
「では、そうします。お願いできますか?」
「かしこまりました」
サラダを待つ間にラウラに今後の予定を話しておく。
今日は門を使用し、向こうの町で宿をとる。
そういうとラウラはコクリと頷いた。
サラダを食べている間に周りの会話を確認しておく。
「今日はネルミス行きの馬車はないんだとよ…」
「山に有名な山賊が住み着いたらしい…」
「門がもう少しで…」
もう少しで…という大事なところで聞こえなくなってしまう。
「ん~!美味しい!」
というラウラの声と被ってしまったからだ。思わずユウキはイラッとしてラウラを睨んでしまうが、気付かずに食事を終えたようだ。いや、気づいていたのかもしれないが触れないほうがいいと思って触れなかったのかもしれない。
ユウキは食事を速やかに終えると代金を払い門のある場所に向かった。
「無理だ」
その一言は門を管理する男から発せられた言葉だった。
あと一歩…遅かったらしい。
門を閉める理由はネルミスという大きな都市が崩壊したということとその原因は排除されたことは知っているが、大きな都市が落とされたときは門を閉じるようにという決まりがあるらしい。
すぐに閉まらなかった理由は原因が排除されたと教会より連絡を受けた商業ギルドがそれなら少し時間を伸ばしてくれと言ったことで一日半程の期間が延びたようだが…どうやら、ユウキとラウラは山を越えなければならないようだった。
「ラウラ…まだ走れるか?」
「…走れます」
「そうか…では、走るぞ?」
あっと、その前に…。
「これ飲んどけ」
「これは?」
「俊敏性を上げる魔法のポーション」
「それって…『風吹く魔法薬』…ですか?」
「惜しい…って言っても『風吹く魔法薬』と『星降りの魔法薬』では効果が全然違うんだけどね」
『星降りの魔法薬』とは賢者が精製した魔法薬の1つだ。流れ星のように早くなるという意味でつけたようだが…実際のところは『風吹く魔法薬』の効果が俊敏性を少し…正確には子供から大人程度に上げる効果のため、子供から俊敏性特化のB級冒険者レベルの速さまで持っていくこの魔法薬は流れ星レベルだ…と言っているに過ぎない。本当の流れ星ほどの速さではないということだな。
「『星降りの魔法薬』…こんな貴重なモノ飲めません!」
「飲まないなら置いていくだけだ。ついてきたいなら飲み干してついてこい…ちなみに、それは相当不味いぞ?」
「…え?」
「材料が材料だからな…めっちゃ不味い…」
「ちなみに…材料…いえ、やっぱり聞きません。飲めなくなりそうです」
そう言ってラウラは一気に魔法薬を飲み干した。
ちなみに、材料は…スメルスピードビーンズの絞り汁とスピードビーンズの絞り汁、ユニコーンの睾丸だ。
意地悪賢者のイタズラで効果の同じスピードビーンズとスメルスピードビーンズはほぼ全てがスメルスピードビーンズとなっている。
ユニコーンの睾丸は粉末にされスメルスピードビーンズに混ぜられている。
ちなみに、スピードビーンズはどのくらい入れられているかと言うと…魔法瓶につめたときに下にある匂いが漏れないように…膜が張る程度にしか入れられていない。
本当に性格の悪いヤツだ。
ラウラは隣で悶えていたが…起き上がると口からすごい臭いを発していた。
ユウキは静かに…飲める消臭液を渡し、口の中の臭いをとるように命じた。
「あ、やばっ…大丈夫か?」
「フゥッ!…スーッ!フゥー!……はい、
大丈夫です。ですが、少し休憩をいただけますか?」
「すまん、加減したつもりだったが…早かったみたいだな…」
返事をする余裕はあまり無いようだ。
入町税を払い町に入る。
町は規模の割に活気がある。
ユウキが町で美味しい食事のできるところを聞くと入ってすぐのところにあるお店を指さした。
「あそこは上手いから食ってみろ」
…だそうだ。
お店に入ると店員がユウキの元に駆け寄り、席へと案内をしてくれる。
「ご注文は決まってますか?」
「いや、だが、走ってきたばかりなので軽めに食事をしたいのだが…」
「かしこまりました。では、サラダはいかがでしょうか?辺境伯領で取れた新鮮な野菜が今日は売られていたので美味しいですよ?」
「では、そうします。お願いできますか?」
「かしこまりました」
サラダを待つ間にラウラに今後の予定を話しておく。
今日は門を使用し、向こうの町で宿をとる。
そういうとラウラはコクリと頷いた。
サラダを食べている間に周りの会話を確認しておく。
「今日はネルミス行きの馬車はないんだとよ…」
「山に有名な山賊が住み着いたらしい…」
「門がもう少しで…」
もう少しで…という大事なところで聞こえなくなってしまう。
「ん~!美味しい!」
というラウラの声と被ってしまったからだ。思わずユウキはイラッとしてラウラを睨んでしまうが、気付かずに食事を終えたようだ。いや、気づいていたのかもしれないが触れないほうがいいと思って触れなかったのかもしれない。
ユウキは食事を速やかに終えると代金を払い門のある場所に向かった。
「無理だ」
その一言は門を管理する男から発せられた言葉だった。
あと一歩…遅かったらしい。
門を閉める理由はネルミスという大きな都市が崩壊したということとその原因は排除されたことは知っているが、大きな都市が落とされたときは門を閉じるようにという決まりがあるらしい。
すぐに閉まらなかった理由は原因が排除されたと教会より連絡を受けた商業ギルドがそれなら少し時間を伸ばしてくれと言ったことで一日半程の期間が延びたようだが…どうやら、ユウキとラウラは山を越えなければならないようだった。
「ラウラ…まだ走れるか?」
「…走れます」
「そうか…では、走るぞ?」
あっと、その前に…。
「これ飲んどけ」
「これは?」
「俊敏性を上げる魔法のポーション」
「それって…『風吹く魔法薬』…ですか?」
「惜しい…って言っても『風吹く魔法薬』と『星降りの魔法薬』では効果が全然違うんだけどね」
『星降りの魔法薬』とは賢者が精製した魔法薬の1つだ。流れ星のように早くなるという意味でつけたようだが…実際のところは『風吹く魔法薬』の効果が俊敏性を少し…正確には子供から大人程度に上げる効果のため、子供から俊敏性特化のB級冒険者レベルの速さまで持っていくこの魔法薬は流れ星レベルだ…と言っているに過ぎない。本当の流れ星ほどの速さではないということだな。
「『星降りの魔法薬』…こんな貴重なモノ飲めません!」
「飲まないなら置いていくだけだ。ついてきたいなら飲み干してついてこい…ちなみに、それは相当不味いぞ?」
「…え?」
「材料が材料だからな…めっちゃ不味い…」
「ちなみに…材料…いえ、やっぱり聞きません。飲めなくなりそうです」
そう言ってラウラは一気に魔法薬を飲み干した。
ちなみに、材料は…スメルスピードビーンズの絞り汁とスピードビーンズの絞り汁、ユニコーンの睾丸だ。
意地悪賢者のイタズラで効果の同じスピードビーンズとスメルスピードビーンズはほぼ全てがスメルスピードビーンズとなっている。
ユニコーンの睾丸は粉末にされスメルスピードビーンズに混ぜられている。
ちなみに、スピードビーンズはどのくらい入れられているかと言うと…魔法瓶につめたときに下にある匂いが漏れないように…膜が張る程度にしか入れられていない。
本当に性格の悪いヤツだ。
ラウラは隣で悶えていたが…起き上がると口からすごい臭いを発していた。
ユウキは静かに…飲める消臭液を渡し、口の中の臭いをとるように命じた。
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