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オマケ
旅路─翡翠の僥倖2
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「リンドウが拐われた。犯人はキノの兄、らしい人物だ」
またしても迷子になったしおちゃんを手分けして探していた僕たち。どうやら何かがあったらしいと気づいたのは、集合場所である宿屋の部屋に入ってすぐだ。
そこで開口一番に言われたのは、ずっと望んでいた人物の、ある意味予想できていた行動の報告であった。何してるんだ、うちの兄貴は。
コロリと机の上に乗せられたのは、紫色の真ん丸い宝石。色味がしおちゃんの瞳を思わせる。
余談であるが、僕としおちゃんの瞳は、この世界に順応してきたから何か別の原因があるのか、何故か黒から色が変わってきていた。旅に出た辺りから急に変わってきたので、もしかしたら召喚された目的を果たし役目が終わったことが原因かもしれない。
その宝石がどうしたのかと問う前に、それがしおちゃんの右目だと言われた。驚いて宝石を凝視するが、形と色以外は目玉とは思えない見た目である。
「彼奴が言うには、右目をくり貫いて宝石にしたと…実際、そんなことが可能なのか?」
「何とも言えないね。そんな魔法は聞いたこと無いけれど、異世界人のスキルだとしたらあり得なくはない話だ」
「それなら、もし話が本当でも元に戻せる可能性もあるのね?」
「うーん…そこまでは、何とも」
「…でも、僕は兄貴がそんなことするようには思えない。わざわざ目をくり貫いて宝石になんて…」
「お前は弟だからそう思うんだろう。しかし─」
「兄貴なら宝石になんかしないで潰す」
「より凶悪じゃないか。俺が言うのもなんだが、お前は自分の兄を何だと思ってるんだ…」
傍若無人なクズ野郎と思っている、とは言わないでおく。それが事実であるが、兄貴が僕やしおちゃんに優しいことも事実だから。だから、別の人ならいざ知らず、しおちゃんを無駄に傷つけるようなことはしないだろう。
…相当な喧嘩でもしてない限り。
「とにかく、まずは兄貴を探そう。多分、しおちゃんは一緒にいるか何処かに閉じ込められてるだろうから」
「キノ、お前が呼んだら出てきたりしないのか?」
「え?どうだろ…うーん…ちょっと呼んでみるね?」
部屋の窓を開け、すぅ…と息を吸い込む。
「は?ちょっと待て、今ここでじゃ─」
「あーにきー!!!!」
「衛兵の方が来そう…」
「呼んだか?」
「「「来た!?!?」」」
あれ、来ちゃった。
開けた窓の上から逆さまにひょっこり顔を出したのは、瞳の色だけが緑色に変わっている兄貴だった。一年以上も会っていなかったのに、特にこれと言った感動はない。だって、居るのが当たり前なんだから。
何で上からなのかと問えば、上の部屋に泊まっているのだと返ってきた。それを聞いた赤目さんが、部屋を飛び出して行く。
「上にしおちゃんも居るの?」
「いや?何か買い物あるっつうから、変装させて街に出したけど」
「方向音痴のしおちゃんを、一人で街に…?」
「オレの連れも一緒だよ。あ、やべ何か来やがった」
くるりと窓から僕らのいる部屋に入って来た兄貴。上から赤目さんの声が聞こえてきたから、多分乗り込んだ赤目さんから逃げてきたな。
上に居ないらしいしおちゃんを探す声が聞こえ、すぐに窓から赤目さんが顔を出す。言っておくけど、窓って出入口じゃないからね?
掴みかかる勢いで兄貴に詰め寄る赤目さんだが、兄貴はのらりくらりと躱している。ケラケラと笑うその表情は、見覚えのあるものだ。
どうやら兄貴は、赤目さんが気に食わないらしい。
いつだったか、何処かの不良グループのリーダーがしおちゃんに惚れた時もこんな感じだった。物理的な攻撃はしない。その代わり、からかい、おちょくり、神経を逆撫でするなど、精神的にくる嫌がらせをしまくるのだ。
ケラケラケタケタ笑いながら、性悪小姑もげっそりするほどの嫌がらせが続くのだ。彼はノイローゼになり、次にしおちゃんに会ったときは白目を剥いて倒れた。流石に可哀想だと思ったね、あれは。
だから宝石をしおちゃんの右目と嘯いたり、今も嘲笑うような表情で会話をしているのだろう。全く、僕の兄弟は何でこうも素直になれないんだろうね。
「で?リンドウは何処だ」
「せっかちな騎士サマだなぁ、おい。ま、ちょっと落ち着けって」
「あの子は無事なんだろうね?その宝石が右目と言うのは?」
「アンタ、あの国の王弟だな。あぁ、嘘だぜ。そこの騎士サマの焦る姿が見たくて適当言った」
「貴様!!」
「そうカッカすんなよ、器の小せぇ騎士サマだなぁ。言っとくが、オレはアンタらの上辺しか知らん。それで簡単に弟達を任せられっか?無理に決まってんだろ。だから、一つゲームをしよう」
ひょい、とテーブルの上に置かれていた紫色の宝石を持ち上げ、兄貴がニヤリと笑う。
「これは右目じゃあねぇが、紫苑の視界に繋がってるもんだ。つまり、今この宝石の半径2メートル…こっちじゃ2ヘクタっつーんだっけ?の範囲全体を進行形で彼奴に見えてる」
「リンドウがこちらを覗けて、何の意味がある」
「だぁから、せっかち止めろって。これは彼奴へのハンデだよ。ゲームはシンプルに隠れ鬼だ。鬼はそこの騎士サマ。この街で変装して歩いてるちび紫色を探して捕まえろ。捕まえれたらお前らの勝ち、日暮れまでに捕まえられなかったらオレの勝ち。その場合、彼奴とキノは貰ってくぜ」
「なっ!今から日暮れまでだと!?あと少ししかないじゃないか!!」
突然の話に全員が驚く。僕もビックリした。赤目さんの言う通りで、迷子のしおちゃんを探していたおかげで昼はとっくに過ぎている。今から日暮れとなると、三時間もあるかないか。
そんなに大きな街では無いけれど、変装までしているなら聞き込みも意味がないし、ヒントが何も無い状態だ。しかも探してる相手はこちらの動きが分かるときた。
しおちゃんが自分から出てくる可能性は……ゼロだね。絶対に面白がって逃げる。
「捕まえんのは騎士サマだけど、他は探すの手伝ってもいいぜ。情報共有しながら追い込み漁でもすればいい。これは鬼が持てよ。ハンデなんだから」
「…何故俺なんだ」
「オレがアンタを嫌いだから♡」
あー、赤目さんが兄貴をゴミを見るような目で見ている。仕方ないから、説得に協力してあげよう。全く赤目さんが納得してなさそうだから。
「諦めなよ、赤目さん。このゲーム受けなきゃ、このまましおちゃん帰って来ないと思うよ?しおちゃん、兄貴に負けたんでしょ?」
「おう。棒倒しで三連勝したわ」
「まさかの棒倒し」
「…ゲームの勝ち負けで何が決まると言うんだ」
「?負けたら勝った奴の言うこと聞くもんだろ?」
「喧嘩の常識だよ?赤目さん知らないの?」
「リンドウ含め、お前らのその謎常識は何なんだ…!」
そんなこと言われてもなぁ。勝てばいいだけなのに、何を渋っているのだろう。自信無いのかな?
ちなみに、僕もしおちゃん探しに協力していいのかと聞いたら、好きな陣営に付けばいいんじゃね?と返ってきた。じゃあ、兄貴側につこ。話したいことあるし。
「あ、ちなみに彼奴から騎士サマにメッセージ預かってるわ」
「リンドウから?」
「『まさか俺一人見つけられない訳じゃないですよね?』だとよ」
「…………上等だ」
「おや。スイッチが入ってしまったみたいだよ」
「仕方ないわね…私たちも手伝いましょうか」
「僕兄貴と待ってるねー」
「あ、オレの連れも一緒だから攻撃とかすんなよ」
しおちゃんの煽りを受けてキレた様子の赤目さんに、ため息をつくルファさんとラナさん。ストッパー頑張ってください。
さ、しおちゃんが帰って来るまで兄貴と思い出話しよーっと。
「…っ!な、何か寒気が…」
「大丈夫デスカ?」
「うん…あ、そろそろ動くっぽい。逃げよう」
「了解しまシタ!それでは逃走経路の確認を……彼方にパンケーキの美味しいお店がありマス」
「え、逃走経路は?」
「逃走経路の途中にありマス!早速行きまショウ!!」
「いや、食べてる暇ねぇって…」
「フルーツゴロゴロ生クリーム乗せ、ふわっふわな三段パンケーキだそうデス」
「逃走経路の途中にあるなら仕方ないな!」
「そうデス!仕方ないのデス!」
「いやー、俺らはちゃんと逃げてる逃げてる」
「逃げてマス!ア、デートスポットでもあるらしいデスヨ?デートコース登録しますカ?」
「しなくていいデス」
またしても迷子になったしおちゃんを手分けして探していた僕たち。どうやら何かがあったらしいと気づいたのは、集合場所である宿屋の部屋に入ってすぐだ。
そこで開口一番に言われたのは、ずっと望んでいた人物の、ある意味予想できていた行動の報告であった。何してるんだ、うちの兄貴は。
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余談であるが、僕としおちゃんの瞳は、この世界に順応してきたから何か別の原因があるのか、何故か黒から色が変わってきていた。旅に出た辺りから急に変わってきたので、もしかしたら召喚された目的を果たし役目が終わったことが原因かもしれない。
その宝石がどうしたのかと問う前に、それがしおちゃんの右目だと言われた。驚いて宝石を凝視するが、形と色以外は目玉とは思えない見た目である。
「彼奴が言うには、右目をくり貫いて宝石にしたと…実際、そんなことが可能なのか?」
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「うーん…そこまでは、何とも」
「…でも、僕は兄貴がそんなことするようには思えない。わざわざ目をくり貫いて宝石になんて…」
「お前は弟だからそう思うんだろう。しかし─」
「兄貴なら宝石になんかしないで潰す」
「より凶悪じゃないか。俺が言うのもなんだが、お前は自分の兄を何だと思ってるんだ…」
傍若無人なクズ野郎と思っている、とは言わないでおく。それが事実であるが、兄貴が僕やしおちゃんに優しいことも事実だから。だから、別の人ならいざ知らず、しおちゃんを無駄に傷つけるようなことはしないだろう。
…相当な喧嘩でもしてない限り。
「とにかく、まずは兄貴を探そう。多分、しおちゃんは一緒にいるか何処かに閉じ込められてるだろうから」
「キノ、お前が呼んだら出てきたりしないのか?」
「え?どうだろ…うーん…ちょっと呼んでみるね?」
部屋の窓を開け、すぅ…と息を吸い込む。
「は?ちょっと待て、今ここでじゃ─」
「あーにきー!!!!」
「衛兵の方が来そう…」
「呼んだか?」
「「「来た!?!?」」」
あれ、来ちゃった。
開けた窓の上から逆さまにひょっこり顔を出したのは、瞳の色だけが緑色に変わっている兄貴だった。一年以上も会っていなかったのに、特にこれと言った感動はない。だって、居るのが当たり前なんだから。
何で上からなのかと問えば、上の部屋に泊まっているのだと返ってきた。それを聞いた赤目さんが、部屋を飛び出して行く。
「上にしおちゃんも居るの?」
「いや?何か買い物あるっつうから、変装させて街に出したけど」
「方向音痴のしおちゃんを、一人で街に…?」
「オレの連れも一緒だよ。あ、やべ何か来やがった」
くるりと窓から僕らのいる部屋に入って来た兄貴。上から赤目さんの声が聞こえてきたから、多分乗り込んだ赤目さんから逃げてきたな。
上に居ないらしいしおちゃんを探す声が聞こえ、すぐに窓から赤目さんが顔を出す。言っておくけど、窓って出入口じゃないからね?
掴みかかる勢いで兄貴に詰め寄る赤目さんだが、兄貴はのらりくらりと躱している。ケラケラと笑うその表情は、見覚えのあるものだ。
どうやら兄貴は、赤目さんが気に食わないらしい。
いつだったか、何処かの不良グループのリーダーがしおちゃんに惚れた時もこんな感じだった。物理的な攻撃はしない。その代わり、からかい、おちょくり、神経を逆撫でするなど、精神的にくる嫌がらせをしまくるのだ。
ケラケラケタケタ笑いながら、性悪小姑もげっそりするほどの嫌がらせが続くのだ。彼はノイローゼになり、次にしおちゃんに会ったときは白目を剥いて倒れた。流石に可哀想だと思ったね、あれは。
だから宝石をしおちゃんの右目と嘯いたり、今も嘲笑うような表情で会話をしているのだろう。全く、僕の兄弟は何でこうも素直になれないんだろうね。
「で?リンドウは何処だ」
「せっかちな騎士サマだなぁ、おい。ま、ちょっと落ち着けって」
「あの子は無事なんだろうね?その宝石が右目と言うのは?」
「アンタ、あの国の王弟だな。あぁ、嘘だぜ。そこの騎士サマの焦る姿が見たくて適当言った」
「貴様!!」
「そうカッカすんなよ、器の小せぇ騎士サマだなぁ。言っとくが、オレはアンタらの上辺しか知らん。それで簡単に弟達を任せられっか?無理に決まってんだろ。だから、一つゲームをしよう」
ひょい、とテーブルの上に置かれていた紫色の宝石を持ち上げ、兄貴がニヤリと笑う。
「これは右目じゃあねぇが、紫苑の視界に繋がってるもんだ。つまり、今この宝石の半径2メートル…こっちじゃ2ヘクタっつーんだっけ?の範囲全体を進行形で彼奴に見えてる」
「リンドウがこちらを覗けて、何の意味がある」
「だぁから、せっかち止めろって。これは彼奴へのハンデだよ。ゲームはシンプルに隠れ鬼だ。鬼はそこの騎士サマ。この街で変装して歩いてるちび紫色を探して捕まえろ。捕まえれたらお前らの勝ち、日暮れまでに捕まえられなかったらオレの勝ち。その場合、彼奴とキノは貰ってくぜ」
「なっ!今から日暮れまでだと!?あと少ししかないじゃないか!!」
突然の話に全員が驚く。僕もビックリした。赤目さんの言う通りで、迷子のしおちゃんを探していたおかげで昼はとっくに過ぎている。今から日暮れとなると、三時間もあるかないか。
そんなに大きな街では無いけれど、変装までしているなら聞き込みも意味がないし、ヒントが何も無い状態だ。しかも探してる相手はこちらの動きが分かるときた。
しおちゃんが自分から出てくる可能性は……ゼロだね。絶対に面白がって逃げる。
「捕まえんのは騎士サマだけど、他は探すの手伝ってもいいぜ。情報共有しながら追い込み漁でもすればいい。これは鬼が持てよ。ハンデなんだから」
「…何故俺なんだ」
「オレがアンタを嫌いだから♡」
あー、赤目さんが兄貴をゴミを見るような目で見ている。仕方ないから、説得に協力してあげよう。全く赤目さんが納得してなさそうだから。
「諦めなよ、赤目さん。このゲーム受けなきゃ、このまましおちゃん帰って来ないと思うよ?しおちゃん、兄貴に負けたんでしょ?」
「おう。棒倒しで三連勝したわ」
「まさかの棒倒し」
「…ゲームの勝ち負けで何が決まると言うんだ」
「?負けたら勝った奴の言うこと聞くもんだろ?」
「喧嘩の常識だよ?赤目さん知らないの?」
「リンドウ含め、お前らのその謎常識は何なんだ…!」
そんなこと言われてもなぁ。勝てばいいだけなのに、何を渋っているのだろう。自信無いのかな?
ちなみに、僕もしおちゃん探しに協力していいのかと聞いたら、好きな陣営に付けばいいんじゃね?と返ってきた。じゃあ、兄貴側につこ。話したいことあるし。
「あ、ちなみに彼奴から騎士サマにメッセージ預かってるわ」
「リンドウから?」
「『まさか俺一人見つけられない訳じゃないですよね?』だとよ」
「…………上等だ」
「おや。スイッチが入ってしまったみたいだよ」
「仕方ないわね…私たちも手伝いましょうか」
「僕兄貴と待ってるねー」
「あ、オレの連れも一緒だから攻撃とかすんなよ」
しおちゃんの煽りを受けてキレた様子の赤目さんに、ため息をつくルファさんとラナさん。ストッパー頑張ってください。
さ、しおちゃんが帰って来るまで兄貴と思い出話しよーっと。
「…っ!な、何か寒気が…」
「大丈夫デスカ?」
「うん…あ、そろそろ動くっぽい。逃げよう」
「了解しまシタ!それでは逃走経路の確認を……彼方にパンケーキの美味しいお店がありマス」
「え、逃走経路は?」
「逃走経路の途中にありマス!早速行きまショウ!!」
「いや、食べてる暇ねぇって…」
「フルーツゴロゴロ生クリーム乗せ、ふわっふわな三段パンケーキだそうデス」
「逃走経路の途中にあるなら仕方ないな!」
「そうデス!仕方ないのデス!」
「いやー、俺らはちゃんと逃げてる逃げてる」
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