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一章 転生しました
11。サボってたら呼び出し食らった
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傍迷惑な自称神が来た日から数日後。俺は言われた通り、自由気ままに元気に旅を─
─している訳ではないんだな、これが。
初めに言ったはずである。「俺は自堕落に暮らしたい」と。あの神にはその通りの要望をしたはずなんだ。なのになぜ旅に出なければならない。
いくら転生してから既に16年経っていたと言っても、精神的にはまだ数週間。未だに社畜を引きずっていて、もうちょっとだけ、もうちょっとだけ休みたい…と、ずるずる出立を延ばしている。
勿論、オニキスには呆れられたし叱られた。日に日にオカン度が上がっていく彼は、料理を教えたら数日で習得してしまった。マジか。
いや、興味本意だったんだ。ハンバーグ食べたいって言うから、じゃあ作ってみる?って冗談半分で言ってみただけなんだ。なのにさぁ…
「何だ、薬の調合とあまり変わらないんだな」
「は?」
「出来たぞ」
「マジで?……うわうまっ!!」
って、俺より旨いの作られた。ちょっとショックである。嘘だろ、オニキスさん…プロかよお前。
でも、カインにはとても不評だった。何か、俺の方があったかくて美味しいらしい。それは何だ?お母さんのご飯とファミレスのご飯的な違いか?それはそれで何か複雑なんですが。
そんなカインは、俺が旅に出ないことについては特に何も言ってこなかった。
俺からどう思っているのかを聞いたら、こう返ってきた。
「レイちゃんが良いならボクは何も言わないよぉ。何かあればボクが守るしぃ。ただ、気を付けてねぇ?」
とのこと。何に気を付ければいいんだろうと考えつつ、結局何も変わらずに過ごした数日間。
やはり、旅に出ておけば良かったと思った時にはもう遅かった。
「レイ・マルグス、及びカイン・グラトニー、オニキスの以下三名を我が屋敷へと召喚す。魔国『イーラ領』オスカー・ドレッド……だ、そうだ」
今オニキスが読み上げたものは、夕方狩りから帰ってきたら玄関のドアに挟まっていた手紙である。深紅の封筒に入っていた手紙は白く、封筒と同じ深紅のインクで書かれた文章。ちょっとどころか、かなり不気味だと思った。
しかし、他の二人は顔をしかめるだけに終わっている。え、ビビってんの俺だけ?
二人の顔を伺っていれば、オニキスがため息をついて手紙を封筒にしまった。
「彼奴、いつ俺の名前を知ったんだ…?」
「オニキス、このオスカーって人と知り合いなのか?」
「あぁ、まぁ、知り合いではある。こいつはあれだ。そこのオレンジ頭の仕事仲間だ」
「マジで!?」
思わずカインを見れば、少し体が凍った。
いつもふにゃりと笑っている口元は不機嫌そうに結ばれており、前髪で見えないはずの目が冷ややかに感じられ、背後に鬼が見えた気がした。何、怖い。
「はっ。怯えられてるぞ、癖っ毛」
「うるさい、真っ黒。はぁ…あの野郎、手ぇ出すなっつったのに…」
「か、カインさん…?」
「ん~?なぁに?レイちゃん」
「い、いえ…ナンデモナイデス…」
俺の方を向いた瞬間に黒いのが四散した。いつも通りの笑顔だが、逆に怖い。
何でだろう。とても差出人について聞きたいのだが、聞いてはダメな気がするんだ。うん。
「…気になるって顔に書いてあるぞ、レイ」
「えっ。うん、いやぁ…言いたくないならいいんだけど…」
「別に減るもんでもあるまい。このオスカーと言うやつは……」
「─それ以上言ったら今すぐ消すぞ、オニキス」
低い声がオニキスの言葉を遮った瞬間、空気が凍った。比喩ではない。カインから物凄い冷気が発せられ、部屋の中は真冬の夜より冷えている。室内だと言うのに風が緩く渦巻き、俺は少しも動く事ができない。
カインから発せられているのは冷気だけではない。俺は向けられた事がないから分からないが、本能が察する。
これは殺気だと。このままだと、喰われる。
「……はぁ。そんなに殺気立つな。俺はともかく、レイの体に障る」
「……………ごめんねぇ、レイちゃん」
ふっ…と、室温が元に戻る。同時に殺気も消えたが、俺の体はもはや冷えきっていた。今さら震え出した体を、思わずそっと抱き締める。
声が出ない。息をするのだけでやっとだった。俺は今、自分の立ち位置がよく分かっていない。バグっているようなHPやMPで、自分が強いんだろうという自覚はある。
自惚れとかではなく、事実として自分が強い部類に入っているだろうことは分かっていた。
しかし、それでも今のは耐えられなかった。ステータスは俺の方が高いと言っていたオニキスが平気だったのに、だ。
圧倒的な差。それを今、見せつけられた。
ステータスの問題じゃない。そんなもの、この二人のレベルになると誤差のようなものなんだろう。そんなもの、飾りに過ぎないんだ。
経験と場数の差。今のはそれだ。この二人は、ぬるま湯のような世界で生きてきた俺とは違う。きっと、殺気に慣れる程の戦場で生きてきたんだ。
体の震えが止まらない。カインの方が見れない。きっと俺は今、酷い顔をしている。もしかしたら、今の俺を見たら傷付いてしまうかもしれない。
「…ごめんねぇ、レイちゃん…」
また、謝られた。さっきと同じ言葉なのに、随分と弱々しい。あぁ、傷付けてしまった。
もう少し待ってくれ。もう少ししたら、きっと震えも止まるから。そう言ってやりたいのに、喉は震えるだけで音を発してくれない。
「…暴食羊。ちょっと顔貸せ」
「…いいよぉ、偏屈狼」
「レイ。俺たちは少し席を外す。ホットミルクを用意していくから、体を暖めて一度落ち着け」
「……ぁ…」
「ほら、座ってろ」
オニキスに促されるまま椅子に座る。テーブルにはすぐにホットミルクが置かれ、毛布を被せられ、止める間もなく二人は外へ出ていった。
そっとマグカップを持ち上げ、熱いぐらいのミルクを一口飲む。
たった一口。それでも体には十分な熱源だったらしい。あれだけ冷えていた体が内側から、マグカップを持つ手からじんわりと暖まってきた。
飲み干す頃には震えも止まり、声も出るようになってた。
毛布にくるまり、少し考える。帰ってきたらカインに謝ろう。仕方ないと言われるかもしれないが、先程見たカインはやはり少し傷ついている様だった。
殺気に慣れていなかっただけなんだと。確かに怖かったけど、嫌いにはなってないから安心してくれと。きちんと説明する必要がある。
ホットミルクのおかわりを入れ、俺は二人の帰りをゆっくりと待つことにした。
─している訳ではないんだな、これが。
初めに言ったはずである。「俺は自堕落に暮らしたい」と。あの神にはその通りの要望をしたはずなんだ。なのになぜ旅に出なければならない。
いくら転生してから既に16年経っていたと言っても、精神的にはまだ数週間。未だに社畜を引きずっていて、もうちょっとだけ、もうちょっとだけ休みたい…と、ずるずる出立を延ばしている。
勿論、オニキスには呆れられたし叱られた。日に日にオカン度が上がっていく彼は、料理を教えたら数日で習得してしまった。マジか。
いや、興味本意だったんだ。ハンバーグ食べたいって言うから、じゃあ作ってみる?って冗談半分で言ってみただけなんだ。なのにさぁ…
「何だ、薬の調合とあまり変わらないんだな」
「は?」
「出来たぞ」
「マジで?……うわうまっ!!」
って、俺より旨いの作られた。ちょっとショックである。嘘だろ、オニキスさん…プロかよお前。
でも、カインにはとても不評だった。何か、俺の方があったかくて美味しいらしい。それは何だ?お母さんのご飯とファミレスのご飯的な違いか?それはそれで何か複雑なんですが。
そんなカインは、俺が旅に出ないことについては特に何も言ってこなかった。
俺からどう思っているのかを聞いたら、こう返ってきた。
「レイちゃんが良いならボクは何も言わないよぉ。何かあればボクが守るしぃ。ただ、気を付けてねぇ?」
とのこと。何に気を付ければいいんだろうと考えつつ、結局何も変わらずに過ごした数日間。
やはり、旅に出ておけば良かったと思った時にはもう遅かった。
「レイ・マルグス、及びカイン・グラトニー、オニキスの以下三名を我が屋敷へと召喚す。魔国『イーラ領』オスカー・ドレッド……だ、そうだ」
今オニキスが読み上げたものは、夕方狩りから帰ってきたら玄関のドアに挟まっていた手紙である。深紅の封筒に入っていた手紙は白く、封筒と同じ深紅のインクで書かれた文章。ちょっとどころか、かなり不気味だと思った。
しかし、他の二人は顔をしかめるだけに終わっている。え、ビビってんの俺だけ?
二人の顔を伺っていれば、オニキスがため息をついて手紙を封筒にしまった。
「彼奴、いつ俺の名前を知ったんだ…?」
「オニキス、このオスカーって人と知り合いなのか?」
「あぁ、まぁ、知り合いではある。こいつはあれだ。そこのオレンジ頭の仕事仲間だ」
「マジで!?」
思わずカインを見れば、少し体が凍った。
いつもふにゃりと笑っている口元は不機嫌そうに結ばれており、前髪で見えないはずの目が冷ややかに感じられ、背後に鬼が見えた気がした。何、怖い。
「はっ。怯えられてるぞ、癖っ毛」
「うるさい、真っ黒。はぁ…あの野郎、手ぇ出すなっつったのに…」
「か、カインさん…?」
「ん~?なぁに?レイちゃん」
「い、いえ…ナンデモナイデス…」
俺の方を向いた瞬間に黒いのが四散した。いつも通りの笑顔だが、逆に怖い。
何でだろう。とても差出人について聞きたいのだが、聞いてはダメな気がするんだ。うん。
「…気になるって顔に書いてあるぞ、レイ」
「えっ。うん、いやぁ…言いたくないならいいんだけど…」
「別に減るもんでもあるまい。このオスカーと言うやつは……」
「─それ以上言ったら今すぐ消すぞ、オニキス」
低い声がオニキスの言葉を遮った瞬間、空気が凍った。比喩ではない。カインから物凄い冷気が発せられ、部屋の中は真冬の夜より冷えている。室内だと言うのに風が緩く渦巻き、俺は少しも動く事ができない。
カインから発せられているのは冷気だけではない。俺は向けられた事がないから分からないが、本能が察する。
これは殺気だと。このままだと、喰われる。
「……はぁ。そんなに殺気立つな。俺はともかく、レイの体に障る」
「……………ごめんねぇ、レイちゃん」
ふっ…と、室温が元に戻る。同時に殺気も消えたが、俺の体はもはや冷えきっていた。今さら震え出した体を、思わずそっと抱き締める。
声が出ない。息をするのだけでやっとだった。俺は今、自分の立ち位置がよく分かっていない。バグっているようなHPやMPで、自分が強いんだろうという自覚はある。
自惚れとかではなく、事実として自分が強い部類に入っているだろうことは分かっていた。
しかし、それでも今のは耐えられなかった。ステータスは俺の方が高いと言っていたオニキスが平気だったのに、だ。
圧倒的な差。それを今、見せつけられた。
ステータスの問題じゃない。そんなもの、この二人のレベルになると誤差のようなものなんだろう。そんなもの、飾りに過ぎないんだ。
経験と場数の差。今のはそれだ。この二人は、ぬるま湯のような世界で生きてきた俺とは違う。きっと、殺気に慣れる程の戦場で生きてきたんだ。
体の震えが止まらない。カインの方が見れない。きっと俺は今、酷い顔をしている。もしかしたら、今の俺を見たら傷付いてしまうかもしれない。
「…ごめんねぇ、レイちゃん…」
また、謝られた。さっきと同じ言葉なのに、随分と弱々しい。あぁ、傷付けてしまった。
もう少し待ってくれ。もう少ししたら、きっと震えも止まるから。そう言ってやりたいのに、喉は震えるだけで音を発してくれない。
「…暴食羊。ちょっと顔貸せ」
「…いいよぉ、偏屈狼」
「レイ。俺たちは少し席を外す。ホットミルクを用意していくから、体を暖めて一度落ち着け」
「……ぁ…」
「ほら、座ってろ」
オニキスに促されるまま椅子に座る。テーブルにはすぐにホットミルクが置かれ、毛布を被せられ、止める間もなく二人は外へ出ていった。
そっとマグカップを持ち上げ、熱いぐらいのミルクを一口飲む。
たった一口。それでも体には十分な熱源だったらしい。あれだけ冷えていた体が内側から、マグカップを持つ手からじんわりと暖まってきた。
飲み干す頃には震えも止まり、声も出るようになってた。
毛布にくるまり、少し考える。帰ってきたらカインに謝ろう。仕方ないと言われるかもしれないが、先程見たカインはやはり少し傷ついている様だった。
殺気に慣れていなかっただけなんだと。確かに怖かったけど、嫌いにはなってないから安心してくれと。きちんと説明する必要がある。
ホットミルクのおかわりを入れ、俺は二人の帰りをゆっくりと待つことにした。
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