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チャプター06-02
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スノーは、リップルが搭乗する船から出ると、空中通路を歩いた。
その船は、ゆっくりと浮上を開始すると、空へと消えていった。
その様子を見て、自分の無力さと、魔界の汚い部分をもっと感じたようだった。
「スノー」いつの間にか、背後にはバリスがいた。「……お前も、魔女として不適切な行動を取った。魔女を続けたいのなら、惑星スティーアンへ行き、頭魔様のもとへと行け。魔女の証である首の紋章を、もう一度つけてもらうが良い。もし、その気がないなら、魔界からの追放の身とする。今所持している船を使ってこの惑星から出るが良い。しっかりと判断をしたうえで、行動に移せ」
「望むところだ」スノーは、バリスを睨みつけた。「私は、すでに判断をしている」
スノーは、バリスに背を向け、自分の船へと向かっていった。
バリスもまた、これ以上の関わりを持たないということでこの場を去った。
※※※
リップルは、強引に立ち上がるブーチの身体を支えていた。彼女は、肩に大怪我を負い、腹部にも壊死を続ける怪我ある。そんな姿を見ていられなかった。
「宇宙基地の病院に行こう」リップルは提案した。「腹部の傷が重症だ。放っておくと……」
「だめ」ブーチは、息を切らせながら、操縦席へと向かおうとしていた。「ランスちゃんを一刻もはやく救わないと。わかってるでしょ?」
「今から惑星マシスに行ったら、ブーチが危ないだろ!」リップルは声を張った。
なぜなら、サリーに起きたことが、脳裏に浮かんだからだ。もし、ブーチが死んでしまうことがあったのなら、こちらの気がどうにかなってしまいそうだった。
彼女は、こちらから無理に離れると、操縦席にいるエギーと交代して、操縦席に座った。
舵を取り、こちらの言うことを聞かず、進路を惑星マシスへと設定していた。
「私は大丈夫。ミアの妖術で楽になったし、万能軟膏があるから、壊死を遅らせることはできる」と言う。もちろん、死への時間を遅らせることができても、病院に行かなければ完治できないのはわかっているはずだった。「それに、ここまで来たら、ランスちゃんを優先するべきでしょ?」
その言葉に、返す言葉もなかった。もし、今のブーチの立場がサリーであったならば、その判断をするかもしれないからだ。
「一つ、提案が」エギーが言った。「ランス殿の救出作戦後、無所属の惑星で優秀な病院があります。ちょうど、僕の友人が入院している病院です。その惑星は、宇宙基地へ向かうより、時間が掛からないと思われます」
「そこまで、どのくらい」リップルは、エギーの情報提供に喰いついた。
「惑星マシスから付近の宇宙基地に行くより半分ほど。妨害する者がいなければ、そんなに時間が掛からないと思います」エギーは続けて、話しづらそうに言った。「もし良かったら、花摘みの時間を削りましょうか?」
「その必要はない」リップルは、真剣なまなざしをエギーに向けた。「作戦どおりにいけば、簡単に発電所内に侵入して、ランスを救出。同時に、エギーには花を摘んでもらいながら待機。最終合流が出来れば、そのままおさらばだ。惑星マシスの次に向かう惑星は?」
「惑星ダッセル。内戦の多い国が集まる惑星ですが、都市部の病院は優れております」エギーは言った。「きっと、ワープ機能を使えば、一瞬で到着するでしょう。怪我人がいれば、緊急処置が可能です。隠された優秀医療施設とされております」
「ありがとう」リップルは、操縦室の助手席に座った。「……ブーチ、少しだけ我慢をしてて。すぐに終わらせるから。……ランスを救出して、白い花を摘んで、皆を無事に返す」リップルは改めて、約束事を確認した。「誰も死なせない。約束する」
窮地に陥ったリップル達であったものの、予定通りに惑星マシスへと向かった。
その船は、ゆっくりと浮上を開始すると、空へと消えていった。
その様子を見て、自分の無力さと、魔界の汚い部分をもっと感じたようだった。
「スノー」いつの間にか、背後にはバリスがいた。「……お前も、魔女として不適切な行動を取った。魔女を続けたいのなら、惑星スティーアンへ行き、頭魔様のもとへと行け。魔女の証である首の紋章を、もう一度つけてもらうが良い。もし、その気がないなら、魔界からの追放の身とする。今所持している船を使ってこの惑星から出るが良い。しっかりと判断をしたうえで、行動に移せ」
「望むところだ」スノーは、バリスを睨みつけた。「私は、すでに判断をしている」
スノーは、バリスに背を向け、自分の船へと向かっていった。
バリスもまた、これ以上の関わりを持たないということでこの場を去った。
※※※
リップルは、強引に立ち上がるブーチの身体を支えていた。彼女は、肩に大怪我を負い、腹部にも壊死を続ける怪我ある。そんな姿を見ていられなかった。
「宇宙基地の病院に行こう」リップルは提案した。「腹部の傷が重症だ。放っておくと……」
「だめ」ブーチは、息を切らせながら、操縦席へと向かおうとしていた。「ランスちゃんを一刻もはやく救わないと。わかってるでしょ?」
「今から惑星マシスに行ったら、ブーチが危ないだろ!」リップルは声を張った。
なぜなら、サリーに起きたことが、脳裏に浮かんだからだ。もし、ブーチが死んでしまうことがあったのなら、こちらの気がどうにかなってしまいそうだった。
彼女は、こちらから無理に離れると、操縦席にいるエギーと交代して、操縦席に座った。
舵を取り、こちらの言うことを聞かず、進路を惑星マシスへと設定していた。
「私は大丈夫。ミアの妖術で楽になったし、万能軟膏があるから、壊死を遅らせることはできる」と言う。もちろん、死への時間を遅らせることができても、病院に行かなければ完治できないのはわかっているはずだった。「それに、ここまで来たら、ランスちゃんを優先するべきでしょ?」
その言葉に、返す言葉もなかった。もし、今のブーチの立場がサリーであったならば、その判断をするかもしれないからだ。
「一つ、提案が」エギーが言った。「ランス殿の救出作戦後、無所属の惑星で優秀な病院があります。ちょうど、僕の友人が入院している病院です。その惑星は、宇宙基地へ向かうより、時間が掛からないと思われます」
「そこまで、どのくらい」リップルは、エギーの情報提供に喰いついた。
「惑星マシスから付近の宇宙基地に行くより半分ほど。妨害する者がいなければ、そんなに時間が掛からないと思います」エギーは続けて、話しづらそうに言った。「もし良かったら、花摘みの時間を削りましょうか?」
「その必要はない」リップルは、真剣なまなざしをエギーに向けた。「作戦どおりにいけば、簡単に発電所内に侵入して、ランスを救出。同時に、エギーには花を摘んでもらいながら待機。最終合流が出来れば、そのままおさらばだ。惑星マシスの次に向かう惑星は?」
「惑星ダッセル。内戦の多い国が集まる惑星ですが、都市部の病院は優れております」エギーは言った。「きっと、ワープ機能を使えば、一瞬で到着するでしょう。怪我人がいれば、緊急処置が可能です。隠された優秀医療施設とされております」
「ありがとう」リップルは、操縦室の助手席に座った。「……ブーチ、少しだけ我慢をしてて。すぐに終わらせるから。……ランスを救出して、白い花を摘んで、皆を無事に返す」リップルは改めて、約束事を確認した。「誰も死なせない。約束する」
窮地に陥ったリップル達であったものの、予定通りに惑星マシスへと向かった。
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