15 / 41
15. 凍りつくもの
しおりを挟む
(凍りつくもの)
今日も太陽が眩しく、天気がいい。
リンゴの木が嬉しそうに光って見えた。
学校では、夏休みが近づいてきて、皆そわそわした感じだ。
しかし、雪子は浮かない顔……
「大丈夫、保健室、行くー、……?」
「うー、あと少しでお昼だから、我慢するー」
真理子は、下敷きを団扇代わりにして扇ぐ。
「私、山の道具、お母さんに買ってもらっちゃったー」
「それは、よかったね……」
雪子は、今日も机に頭を寝かせていた。
お団子を作っていた長い髪がゴムの間から飛び出て崩れていても、それを繕う余裕もない。
「……、でも、お母さん、山には行けないって、畑の仕事があるからって……」
「そうー、残念……」
雪子は、うあの空で呟いた。
「でも、それって、行かない口実みたいな気がするけど……、やっぱり、なんか、誠さんと、わだかまりがあるみたいなのよー」
「そうね……」
「……、ねーえ、聴いているー、……?」
真理子は、下敷の団扇を顔近くにもっていき、激しく扇いで目を覚ませようとした。
「……、聴いているわよー、時間がかかりそうね……」
「でも、私は行くからねー、山、お母さんの好きだった人、見たいし……」
「……、行きましょう、それまで私の体が持てばねー、……」
「しっかりしてよー」
給食時間とお昼休みになって、ようやく、雪子と真理子はプールにやって来た。
「あー、生き返ったー、……」
雪子は、真っ先にプールに飛び込んだ。
「じゃーあたしもー、……」
真理子も飛び込もうとしたが……
「……、準備体操してないしー」と言って、プールサイドから静かに入った。
「雪子ちゃん、給食、食べようよー」
真理子は、平泳ぎで雪子を追った。
「すげー、女、二人で泳いでいるぜー」
プールのフェンス越しに男子四人、しがみ付いて、雪子たちを見ていた。
「えー、けっこう可愛いじゃん」
「ちょっと水着、脱がしてみたいなー、……」
「こりゃいいー」
男子四人はフェンスをよじ登って、プールサイドに入ってきた。
雪子は、叫んだ。
「ここは、男子禁制、女子水泳部の使用中よ! 出て行きなさい!」
男たちは、にやにや笑って……
「なんか、言ってるぜー?」
「聞こえないねー」
「それより、こっちへ来いよー、楽しいことしようぜー」
男たちはプールサイドで二手に分かれて、雪子たちを囲った。
「早く、上がって来いよー」
真理子は、プールの真ん中にいた雪子の所まで泳いできた。
「いやな奴らに見つかったわね……、どうする、これじゃー、上がれないわよ……」
「しょうがないわねー、真理子はここから動いちゃー駄目よ!」
「どうするのよー?」
「死んでもらうわ!」
「だ、だめよー殺しちゃー」
「じゃー死なない程度に……」
雪子は、プールサイドに向かって泳ぎだした。
「おー、来た来たー、……」
二手に分かれていた男たちは、雪子めがけて走ってきた。
しかし、雪子の方が一足早くプールから上がって、用具室の前に置いてあったバケツを取って再びプ―ルサイドに行き、バケツに水を汲んで追ってきた男たちに向かって水を撒いた。
「出て行きなさい!」
追ってきた男たちは一瞬たじろいだが……
「やろ―、なにしやがる!」
「そんなもの、怖くないよ―」
「一緒に、ずぶぬれになって、ひこひこしようぜー」
「ひこひこ―? ずぼずぼじゃ―ないのか―」
男たちは、笑いながら、ゆっくり雪子を囲むように近づいてきた。
「……、ばかね―、……」
雪子は、もう一度バケツ一杯の水を汲むと、今度は、男たち四人に向かって、浴びせかけた。
次の瞬間、男たち四人は真っ白くなって、プ―ルサイドのコンクリ―トの上を転げまわった。
「あ、あち、ち、ち―!」
「ひ―え―、え―、え―!」
「あ、あ、あ、あ、あ、!」
散々転げまくった挙句、四人はプールに飛び込んだ。
男たちが苦し紛れにプ―ルに飛び込んできたのを見て、真理子は慌ててプ―ルから上がって来た。
「どうしたの、彼ら……?」
「さ―あー、陽気のせいでしょう―、今日はもう帰りましょうー」
「そうね―、あいつら、どうするの……?」
「ほっときましょう―、死んじゃ―いないから……」
雪子たちが教室にもどって来て、しばらくすると救急車が二台、校内に入ってきた。
それと同時に、担任が雪子と真理子を呼んだ。
「ちょっと、話が訊きたいそうだ、保健室に来てくれ……」
「え―、めんどくさい―」
「私たち、関係ないですから……」
そう言いながらも、仕方なく雪子たちは、保健室に向かった。
保健室では、遥先生が浮かない顔……
「三年生の男子四人がプ―ルで酷い凍傷になって、今、病院に行ったわ……、お昼休みだから、あなたたちも、プ―ルにいたんじゃないかと思って……?」
「いましたよ。あいつら、フェンスよじ登って、プ―ルに入って来て、なにがしたいかわかりますよね―。だから、バケツで水をかけて追い返したんです。それでも出て行かなかったから、私たちがしょうがなく帰ってきたの……。それからどうしたかは、知りませんけど、最後に見た時は、四人服を着てプ―ルに入っていましたよ―」と雪子は笑って話した。
「熱中症じゃ―ないんですか?」と真理子が訊いた。
「それなら、話は早いのだけれど……、凍傷なのよ―、私が見た時には、ずぶ濡れだったけれど、ところどころまだ、凍っていて、服が皮膚に張り付いていたわ……」
「遥先生、もうわかっているでしょう―、私、雪ん子だから、ね……」
雪子は、遥先生を見て、目配りをした。
遥先生は、雪子をじっと見据えて、それでも驚いた様子もなく……
「……、そうね―、ほんとうね―」
「先生―、悪いのは彼らです」と真理子。
「わかっているは、でも、多分、警察の人も事情を聴きに来ると思うから、正直に答えてあげてね……」
「……、雪ん子って、言うんですか?」
「そうね―、それも信じないわよね。とりあえず、夏に凍傷なんてありえないから、不可解な事件としておきましょう。もうじき夏休みだから、そのうち皆、忘れるわ―」
「でも先生、このことを他の人に話しては駄目よ。雪女に命、吸い取られちゃうから―」と雪子は付け加えた。
「そうね―、そういう話だったわね―。でも警察の人には事情を話さないといけないし、あなたたちが、彼らとプ―ルにいたことは、すぐに彼らの口から分かることだから……」
「仕方ないですね……、でも大丈夫、先生は私が守ってあげるから、先生がいないと私、生きていけないから―」
雪子は、遥先生の困った顔を見て、励ますように言った。
「大げさね―、でも、ありがとう―」
今日も太陽が眩しく、天気がいい。
リンゴの木が嬉しそうに光って見えた。
学校では、夏休みが近づいてきて、皆そわそわした感じだ。
しかし、雪子は浮かない顔……
「大丈夫、保健室、行くー、……?」
「うー、あと少しでお昼だから、我慢するー」
真理子は、下敷きを団扇代わりにして扇ぐ。
「私、山の道具、お母さんに買ってもらっちゃったー」
「それは、よかったね……」
雪子は、今日も机に頭を寝かせていた。
お団子を作っていた長い髪がゴムの間から飛び出て崩れていても、それを繕う余裕もない。
「……、でも、お母さん、山には行けないって、畑の仕事があるからって……」
「そうー、残念……」
雪子は、うあの空で呟いた。
「でも、それって、行かない口実みたいな気がするけど……、やっぱり、なんか、誠さんと、わだかまりがあるみたいなのよー」
「そうね……」
「……、ねーえ、聴いているー、……?」
真理子は、下敷の団扇を顔近くにもっていき、激しく扇いで目を覚ませようとした。
「……、聴いているわよー、時間がかかりそうね……」
「でも、私は行くからねー、山、お母さんの好きだった人、見たいし……」
「……、行きましょう、それまで私の体が持てばねー、……」
「しっかりしてよー」
給食時間とお昼休みになって、ようやく、雪子と真理子はプールにやって来た。
「あー、生き返ったー、……」
雪子は、真っ先にプールに飛び込んだ。
「じゃーあたしもー、……」
真理子も飛び込もうとしたが……
「……、準備体操してないしー」と言って、プールサイドから静かに入った。
「雪子ちゃん、給食、食べようよー」
真理子は、平泳ぎで雪子を追った。
「すげー、女、二人で泳いでいるぜー」
プールのフェンス越しに男子四人、しがみ付いて、雪子たちを見ていた。
「えー、けっこう可愛いじゃん」
「ちょっと水着、脱がしてみたいなー、……」
「こりゃいいー」
男子四人はフェンスをよじ登って、プールサイドに入ってきた。
雪子は、叫んだ。
「ここは、男子禁制、女子水泳部の使用中よ! 出て行きなさい!」
男たちは、にやにや笑って……
「なんか、言ってるぜー?」
「聞こえないねー」
「それより、こっちへ来いよー、楽しいことしようぜー」
男たちはプールサイドで二手に分かれて、雪子たちを囲った。
「早く、上がって来いよー」
真理子は、プールの真ん中にいた雪子の所まで泳いできた。
「いやな奴らに見つかったわね……、どうする、これじゃー、上がれないわよ……」
「しょうがないわねー、真理子はここから動いちゃー駄目よ!」
「どうするのよー?」
「死んでもらうわ!」
「だ、だめよー殺しちゃー」
「じゃー死なない程度に……」
雪子は、プールサイドに向かって泳ぎだした。
「おー、来た来たー、……」
二手に分かれていた男たちは、雪子めがけて走ってきた。
しかし、雪子の方が一足早くプールから上がって、用具室の前に置いてあったバケツを取って再びプ―ルサイドに行き、バケツに水を汲んで追ってきた男たちに向かって水を撒いた。
「出て行きなさい!」
追ってきた男たちは一瞬たじろいだが……
「やろ―、なにしやがる!」
「そんなもの、怖くないよ―」
「一緒に、ずぶぬれになって、ひこひこしようぜー」
「ひこひこ―? ずぼずぼじゃ―ないのか―」
男たちは、笑いながら、ゆっくり雪子を囲むように近づいてきた。
「……、ばかね―、……」
雪子は、もう一度バケツ一杯の水を汲むと、今度は、男たち四人に向かって、浴びせかけた。
次の瞬間、男たち四人は真っ白くなって、プ―ルサイドのコンクリ―トの上を転げまわった。
「あ、あち、ち、ち―!」
「ひ―え―、え―、え―!」
「あ、あ、あ、あ、あ、!」
散々転げまくった挙句、四人はプールに飛び込んだ。
男たちが苦し紛れにプ―ルに飛び込んできたのを見て、真理子は慌ててプ―ルから上がって来た。
「どうしたの、彼ら……?」
「さ―あー、陽気のせいでしょう―、今日はもう帰りましょうー」
「そうね―、あいつら、どうするの……?」
「ほっときましょう―、死んじゃ―いないから……」
雪子たちが教室にもどって来て、しばらくすると救急車が二台、校内に入ってきた。
それと同時に、担任が雪子と真理子を呼んだ。
「ちょっと、話が訊きたいそうだ、保健室に来てくれ……」
「え―、めんどくさい―」
「私たち、関係ないですから……」
そう言いながらも、仕方なく雪子たちは、保健室に向かった。
保健室では、遥先生が浮かない顔……
「三年生の男子四人がプ―ルで酷い凍傷になって、今、病院に行ったわ……、お昼休みだから、あなたたちも、プ―ルにいたんじゃないかと思って……?」
「いましたよ。あいつら、フェンスよじ登って、プ―ルに入って来て、なにがしたいかわかりますよね―。だから、バケツで水をかけて追い返したんです。それでも出て行かなかったから、私たちがしょうがなく帰ってきたの……。それからどうしたかは、知りませんけど、最後に見た時は、四人服を着てプ―ルに入っていましたよ―」と雪子は笑って話した。
「熱中症じゃ―ないんですか?」と真理子が訊いた。
「それなら、話は早いのだけれど……、凍傷なのよ―、私が見た時には、ずぶ濡れだったけれど、ところどころまだ、凍っていて、服が皮膚に張り付いていたわ……」
「遥先生、もうわかっているでしょう―、私、雪ん子だから、ね……」
雪子は、遥先生を見て、目配りをした。
遥先生は、雪子をじっと見据えて、それでも驚いた様子もなく……
「……、そうね―、ほんとうね―」
「先生―、悪いのは彼らです」と真理子。
「わかっているは、でも、多分、警察の人も事情を聴きに来ると思うから、正直に答えてあげてね……」
「……、雪ん子って、言うんですか?」
「そうね―、それも信じないわよね。とりあえず、夏に凍傷なんてありえないから、不可解な事件としておきましょう。もうじき夏休みだから、そのうち皆、忘れるわ―」
「でも先生、このことを他の人に話しては駄目よ。雪女に命、吸い取られちゃうから―」と雪子は付け加えた。
「そうね―、そういう話だったわね―。でも警察の人には事情を話さないといけないし、あなたたちが、彼らとプ―ルにいたことは、すぐに彼らの口から分かることだから……」
「仕方ないですね……、でも大丈夫、先生は私が守ってあげるから、先生がいないと私、生きていけないから―」
雪子は、遥先生の困った顔を見て、励ますように言った。
「大げさね―、でも、ありがとう―」
1
あなたにおすすめの小説
相続した畑で拾ったエルフがいつの間にか嫁になっていた件 ~魔法で快適!田舎で農業スローライフ~
ちくでん
ファンタジー
山科啓介28歳。祖父の畑を相続した彼は、脱サラして農業者になるためにとある田舎町にやってきた。
休耕地を畑に戻そうとして草刈りをしていたところで発見したのは、倒れた美少女エルフ。
啓介はそのエルフを家に連れ帰ったのだった。
異世界からこちらの世界に迷い込んだエルフの魔法使いと初心者農業者の主人公は、畑をおこして田舎に馴染んでいく。
これは生活を共にする二人が、やがて好き合うことになり、付き合ったり結婚したり作物を育てたり、日々を生活していくお話です。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
一級魔法使いになれなかったので特級厨師になりました
しおしお
恋愛
魔法学院次席卒業のシャーリー・ドットは、
「一級魔法使いになれなかった」という理由だけで婚約破棄された。
――だが本当の理由は、ただの“うっかり”。
試験会場を間違え、隣の建物で行われていた
特級厨師試験に合格してしまったのだ。
気づけばシャーリーは、王宮からスカウトされるほどの
“超一流料理人”となり、国王の胃袋をがっちり掴む存在に。
一方、学院首席で一級魔法使いとなった
ナターシャ・キンスキーは、大活躍しているはずなのに――
「なんで料理で一番になってるのよ!?
あの女、魔法より料理の方が強くない!?」
すれ違い、逃げ回り、勘違いし続けるナターシャと、
天然すぎて誤解が絶えないシャーリー。
そんな二人が、魔王軍の襲撃、国家危機、王宮騒動を通じて、
少しずつ距離を縮めていく。
魔法で国を守る最強魔術師。
料理で国を救う特級厨師。
――これは、“敵でもライバルでもない二人”が、
ようやく互いを認め、本当の友情を築いていく物語。
すれ違いコメディ×料理魔法×ダブルヒロイン友情譚!
笑って、癒されて、最後は心が温かくなる王宮ラノベ、開幕です。
屈辱と愛情
守 秀斗
恋愛
最近、夫の態度がおかしいと思っている妻の名和志穂。25才。仕事で疲れているのかとそっとしておいたのだが、一か月もベッドで抱いてくれない。思い切って、夫に聞いてみると意外な事を言われてしまうのだが……。
敗戦国の姫は、敵国将軍に掠奪される
clayclay
恋愛
架空の国アルバ国は、ブリタニア国に侵略され、国は壊滅状態となる。
状況を打破するため、アルバ国王は娘のソフィアに、ブリタニア国使者への「接待」を命じたが……。
冤罪で辺境に幽閉された第4王子
satomi
ファンタジー
主人公・アンドリュート=ラルラは冤罪で辺境に幽閉されることになったわけだが…。
「辺境に幽閉とは、辺境で生きている人間を何だと思っているんだ!辺境は不要な人間を送る場所じゃない!」と、辺境伯は怒っているし当然のことだろう。元から辺境で暮している方々は決して不要な方ではないし、‘辺境に幽閉’というのはなんとも辺境に暮らしている方々にしてみれば、喧嘩売ってんの?となる。
辺境伯の娘さんと婚約という話だから辺境伯の主人公へのあたりも結構なものだけど、娘さんは美人だから万事OK。
酒好きおじさんの異世界酒造スローライフ
天野 恵
ファンタジー
酒井健一(51歳)は大の酒好きで、酒類マスターの称号を持ち世界各国を飛び回っていたほどの実力だった。
ある日、深酒して帰宅途中に事故に遭い、気がついたら異世界に転生していた。転移した際に一つの“スキル”を授かった。
そのスキルというのは【酒聖(しゅせい)】という名のスキル。
よくわからないスキルのせいで見捨てられてしまう。
そんな時、修道院シスターのアリアと出会う。
こうして、2人は異世界で仲間と出会い、お酒作りや飲み歩きスローライフが始まる。
敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています
藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。
結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。
聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。
侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。
※全11話 2万字程度の話です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる