俺「重課金疲れた……」ギルメン「俺さんすごい! 次のイベントもお願いします!」

道楽時計

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第六話 約束

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俺「課金……課金するしか、ないのか? いや……俺はもう、あんなこと……」ブツブツ 

女「俺さん……」 

俺「……女か」 
俺「俺は、俺はどうすればいいんだ?」 

女「その……課金、ちょっとで……ちょっとでいいんっす。とりあえず、周囲を誤魔化せるくらいの……」 

俺「課金……ちょっと……課金……」 

女2『ね、俺さん! なんでもいいんです! ちょっと……何か、私に向いてる武器を借りられないかなぁと……』 

俺「…………」 

女「そ、そうっす! 少量でも、追加で課金したという体裁さえ取れれば……表立っては何も言ってこないはずですし……」 

俺「そうか、そうだな」 

女「俺さ……」 

俺「お前も、俺に課金しろというんだな。お前も俺の課金が目当てだったんだな」 


女「ち、違うっす……。ウチは、ウチはただ、俺さんと一緒に楽しく狩りができたらいいなって……ただ、それだけっす」 

俺「信じられるかよ! 課金しろ課金しろ課金しろって! ぎゃーぎゃーうっせぇんだよ!」 
俺「罠だ! ぜんぶ罠だったんだ! そうか、わかったぞ!」 
俺「お前はわざと! 俺が剣盾オンラインにいたことをギルドメンバーにばらしたんだ! 俺が課金せざるを得ないように追い込むため!」 
俺「炎上を広げたのもわざとだったんだ! いや、お前がギルマスの振りをして書き込んだんだ! そうなんだな!」 

女「ち、違うっす……ウチは……ウチは、ただ……。どうして、どうしてそんな……」 
女「そんなこと……考えたこと、なかったのに……」 

俺「信じられるかよこの売女が! もう騙されねぇぞ!」 
俺「お前さえいなかったら! 弱小ながらに男さんのギルドはまだあったはずなんだ!」 
俺「細々と……仲良く楽しく、やっていけたはずなんだ! お前さえ、お前さえいなかったら……」 

女「ち、違う……違う、違うのに……どうして、なんで……」 

俺「黙れや!」バシュッ 

女「あっ!」ドサッ 

俺「叩き……叩き斬ってやる! 二度とその汚いアバターを見せるんじゃねぇ!」 

女「ど、どうしたら信じてくれるんっすか! 全部、全部誤解っす!」 

俺「何を信じるっつうんだよ! どの道もう、こうなっちまった以上続けられねぇんだよ!」バシュッ 

女「また二人で、どこかギルドに……そうだ! ウチら二人でギルドを作るんっす! それなら……」 

俺「…………」ピクッ 

女「剣を止めてくれた! 俺さん! 考えてくれるんっすね!」 
女「ね? 二人だけで……一緒に……ウチは、それでも……」 

俺「悪いな、女」 

女「え?」 

俺「もう……誰も信じられそうにない」ブンッ 

ガッ

俺(今の場面から……避けられた?) 

女(ここでウチが死んだら、きっとその間に俺さんがアカウントを消しちゃう……なんとか耐えて、引き留めなきゃ)ゼェゼェ 

俺(いや、俺の攻撃ミスか。あそこで動いたとき、いつもの俺なら追撃できたはずだ) 
俺「…………」 

女「ウ、ウチが、払うっす! 俺さんが課金するのを……半額、負担するっす!」 

俺「な!?」 

女「……それなら、俺さんだってウチのこと信じてくれるっすよね?」 

俺「そんな……そんなこと、できるはずがねぇ!」 

女「貯金もありますし……バイトしたら、月10万くらい、出せるはずっす。ウチは本気っす!」 

俺「……嘘だ、嘘に決まってる。できるもんならやってみろよ!」 
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