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第三話 白魔導士
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―冒険者の酒場―
俺「どうしよう……どうしよう……あれからいくら探しても、一向に見つからない……」ガリガリ
槍使い「……なぁ、オッサンよ」
俺「お前は……」
槍使い「悪い、以前、とんでもないデマを教えてしまったようだな」
俺「いや……噂でいいから教えてくれと言ったのは俺だ」
槍使い「あれから俺も、調べてみた。都市長が、隠し子の治療のために極秘で白魔導士を読んでいたらしい」
槍使い「これは、恐らく間違いない」
俺「ほ、本当か!」ガタッ
◆◆
―宿屋二階―
デブ「なんだね、チミ。私は忙しいのだがね」
俺(身なりがいい……そうだ、真っ当な白魔導士なら、かなり金を持ってないとおかしいんだ)
◆◆
種族:ヒューマン
年齢:45
性格:傲慢、怠惰
技能:【白魔導:A】
◆◆
俺(ま、間違いない、本物だ! ありがとう、槍使い……!)ジワッ
俺「お、お願いです! 病気の治療をしてほしい子がいるんです!」バッ
デブ「はー、どっから話が漏れたのか」ハナホジー
俺「お願いします!」
デブ「う~ん、まずどういう病気なのかもしらんし」
俺「そ、それは……」
俺「コボルト腫瘍、マンドラゴラ病、ゴブリン疣、魔毒、ゼウス風邪、スライム赤痢……あとは、膣ゴレーム症……」
デブ「よくわかるね」
俺「こ、これは間違いないです!」
デブ「ま、私ならいけるね、付きっ切りでかかれば」
俺「ほ、本当ですか!」
デブ「五十万ゴールド」
俺「っ! か、返します! 払って見せます! すぐには用意できませんが……」
デブ「一日五十万ゴールド」
俺「……え?」
俺「そ、それは、何日掛かるんですか……? あの、目安とか……」
デブ「わかるわけないじゃんそんなの見てもないのに」
俺「一日に、五十万……」ブツブツ
デブ「三日以内に百万ゴールド用意出来たらとりあえず見てあげるわ」
俺(【聖剣】を売れば、行けるか……?)
デブ「勿論、チミが逃げられないように患者は私が預かるし、破れば死に至る、魔縛りの契約書も書いてもらうけどね」
俺「……わかりました、絶対に、用意してみせます」ザッザッ
デブ「ん、頑張ってね」
デブ「馬鹿な奴だ、何十日でも居座ってやる」ニチャア
◆◆
―試練の洞窟・再奥地―
翡翠竜「ガアアアアア!」
キンキンキィン!
俺(さすがにA級モンスター、強すぎる……)
俺(だが、翡翠竜の角は、一本で三十万ゴールドになる。手っ取り早く集めるには、これしかない!)
俺「らああっ!」ブゥン
翡翠竜「ギッ」
俺「力を貸してくれ、【聖剣】!」
俺「俺はどうしようもないクズだったけど……初めて誰かを守りたいと、そう思えたんだ!」ザクッ
翡翠竜「ギャアアアアアアアッ!」
俺「……やった、のか?」ハァハァ
◆◆
―当日―
俺「ごめん、ごめん……」ボロボロ
女の子「……」
俺「百万ゴールドあれば、助けてあげられるはずだったのに……!」
俺「市場で足元を見られて、半分しか溜められなかった……!」
女の子「……」
俺「いつもさ、そうなんだ。前の世界でも、勉強とか必死に頑張っても、過去問もらってる奴らには敵わないし……部活だって、恋愛だって、何一つ上手く生きやしなかったんだ」
俺「この世界でもさぁ……!」
女の子「ありがとう……」ギュッ
俺「!」
女の子「俺さん、ありがとう……。私、あのまま生まれて来なければよかったって思いながら、死ぬところだった」
女の子「でも、俺さんのお陰で、私、すごく幸せだった」
俺「う、うう……」ガクッ
奴隷商人「キキ、旦那、邪魔するよ」
俺「お、お前は、あのときの……」
奴隷商人「随分ヘンな奴があちこち奔走してるって、噂になっててね」
奴隷商人「そういやお釣りを忘れたマヌケな人がいたなって、思い出したのさ」ドサッ
俺「!」
奴隷商人「七十五万ゴールドだ」
俺「な、なんで……!」
奴隷商人「ぼったくったって言われちゃ、看板に傷がつくのさ。アタシの店は、信用が売りなんでね」
俺「ど、奴隷商人さん!」ジワア
俺「どうしよう……どうしよう……あれからいくら探しても、一向に見つからない……」ガリガリ
槍使い「……なぁ、オッサンよ」
俺「お前は……」
槍使い「悪い、以前、とんでもないデマを教えてしまったようだな」
俺「いや……噂でいいから教えてくれと言ったのは俺だ」
槍使い「あれから俺も、調べてみた。都市長が、隠し子の治療のために極秘で白魔導士を読んでいたらしい」
槍使い「これは、恐らく間違いない」
俺「ほ、本当か!」ガタッ
◆◆
―宿屋二階―
デブ「なんだね、チミ。私は忙しいのだがね」
俺(身なりがいい……そうだ、真っ当な白魔導士なら、かなり金を持ってないとおかしいんだ)
◆◆
種族:ヒューマン
年齢:45
性格:傲慢、怠惰
技能:【白魔導:A】
◆◆
俺(ま、間違いない、本物だ! ありがとう、槍使い……!)ジワッ
俺「お、お願いです! 病気の治療をしてほしい子がいるんです!」バッ
デブ「はー、どっから話が漏れたのか」ハナホジー
俺「お願いします!」
デブ「う~ん、まずどういう病気なのかもしらんし」
俺「そ、それは……」
俺「コボルト腫瘍、マンドラゴラ病、ゴブリン疣、魔毒、ゼウス風邪、スライム赤痢……あとは、膣ゴレーム症……」
デブ「よくわかるね」
俺「こ、これは間違いないです!」
デブ「ま、私ならいけるね、付きっ切りでかかれば」
俺「ほ、本当ですか!」
デブ「五十万ゴールド」
俺「っ! か、返します! 払って見せます! すぐには用意できませんが……」
デブ「一日五十万ゴールド」
俺「……え?」
俺「そ、それは、何日掛かるんですか……? あの、目安とか……」
デブ「わかるわけないじゃんそんなの見てもないのに」
俺「一日に、五十万……」ブツブツ
デブ「三日以内に百万ゴールド用意出来たらとりあえず見てあげるわ」
俺(【聖剣】を売れば、行けるか……?)
デブ「勿論、チミが逃げられないように患者は私が預かるし、破れば死に至る、魔縛りの契約書も書いてもらうけどね」
俺「……わかりました、絶対に、用意してみせます」ザッザッ
デブ「ん、頑張ってね」
デブ「馬鹿な奴だ、何十日でも居座ってやる」ニチャア
◆◆
―試練の洞窟・再奥地―
翡翠竜「ガアアアアア!」
キンキンキィン!
俺(さすがにA級モンスター、強すぎる……)
俺(だが、翡翠竜の角は、一本で三十万ゴールドになる。手っ取り早く集めるには、これしかない!)
俺「らああっ!」ブゥン
翡翠竜「ギッ」
俺「力を貸してくれ、【聖剣】!」
俺「俺はどうしようもないクズだったけど……初めて誰かを守りたいと、そう思えたんだ!」ザクッ
翡翠竜「ギャアアアアアアアッ!」
俺「……やった、のか?」ハァハァ
◆◆
―当日―
俺「ごめん、ごめん……」ボロボロ
女の子「……」
俺「百万ゴールドあれば、助けてあげられるはずだったのに……!」
俺「市場で足元を見られて、半分しか溜められなかった……!」
女の子「……」
俺「いつもさ、そうなんだ。前の世界でも、勉強とか必死に頑張っても、過去問もらってる奴らには敵わないし……部活だって、恋愛だって、何一つ上手く生きやしなかったんだ」
俺「この世界でもさぁ……!」
女の子「ありがとう……」ギュッ
俺「!」
女の子「俺さん、ありがとう……。私、あのまま生まれて来なければよかったって思いながら、死ぬところだった」
女の子「でも、俺さんのお陰で、私、すごく幸せだった」
俺「う、うう……」ガクッ
奴隷商人「キキ、旦那、邪魔するよ」
俺「お、お前は、あのときの……」
奴隷商人「随分ヘンな奴があちこち奔走してるって、噂になっててね」
奴隷商人「そういやお釣りを忘れたマヌケな人がいたなって、思い出したのさ」ドサッ
俺「!」
奴隷商人「七十五万ゴールドだ」
俺「な、なんで……!」
奴隷商人「ぼったくったって言われちゃ、看板に傷がつくのさ。アタシの店は、信用が売りなんでね」
俺「ど、奴隷商人さん!」ジワア
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