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第二話 貧民街の仙人
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―冒険者の酒場―
俺「……そういや、昼飯も後回しにしたまま、まだだったんだよな。もう夕刻か」グウ
俺「あーあ、全財産渡したのは馬鹿だったなぁ」ポリポリ
剣士「あの感じ悪いオッサンいるじゃん」
槍使い「ああ、強そうだったから誘ったら鼻で笑いやがった奴だな。誰に対してもあんな調子だとよ」
剣士「なんか頼んで回ってるみたいだが……馬鹿にされてるみたいだな」
槍使い「だろうよ、いいザマだ」
俺「な、なぁ、アンタ、以前はその、悪かった」バッ
剣士「うわ、こっち来たwww笑うわwww」
剣士「アンタじゃなくて、剣士さんだが?」
槍使い「おい、止めとけ、こいつ短気でクズだって……」
俺「す、すまない、剣士さん、その、訊きたいことがあるんだ」バッ
剣士「wwww」
槍使い「…………」
俺「白魔導士を、探してるんだ……それも、最低でもB級以上の」
俺「もう時間がなくて、遠出して会いに行く猶予はないんだ」
俺「頼む、噂でもいい、何か知っていることがあったら……!」
剣士「知るかよそんなの! この都市に、そう都合よくB級の凄腕白魔導士がいるわけないだろバカかよ」
俺「……そう、ですよね」
槍使い「……貧民街に、仙人と呼ばれている白魔導士の男がいるらしい」
剣士「おい、お前……!」
槍使い「キナ臭い話だがな、行くなら気を付けろ」
俺「ありがとう、ございます。行ってみます」ペコッ
◆◆
―翌日―
女の子「ごほ、ごほ」
俺「わ、悪い、連れ回して……。背負おうか?」
「見ろよ、あいつ、病持ち連れてるぜ」
「あの目、魔毒の症状じゃないか? よく触れるわ……」
「あんな汚物、表に出すなよなぁ、非常識だなあ」
女の子「…………」
俺「うるせぇぞテメエらぁ! お前達に、この子の何がわかる!」
女の子「!」
「おいおいあいつ、目に涙浮かんでんぞ」
「ビビってんじゃねぇか。無理するなよ雌犬の飼い主さん」
◆◆
―貧民街―
俺(噂通りの、小汚い、変わった頭の形の爺さんだ……)
俺「あなたが、仙人さんですか……?」
浮浪者「よーお、貴族の遣いが頼みに来るね。そんなこと言って」カカカ
浮浪者「そっちの子が病持ちか」ジロッ
女の子「…………」
浮浪者「で、ゼニは持ってるか?」
俺「う……その、金目のものなら……」
浮浪者「ほーう」
俺(足りるか……? 大したものは持っていない)
俺(相場を確かめるべきだったか……)
俺(いや、その前に、こいつが本物かどうか確かめておいた方がいい。確認事項を【ステータス】にセットして……)
◆◆
種族:ヒューマン
年齢:64
性格:狡猾
技能:【ペテン:B】【カリスマ:C】
◆◆
俺「なっ!」
浮浪者「どうしたか?」
俺「か、帰らせてもらう! この子には時間がないんだよ!」
浮浪者「はぁ……お前ら、出番だ」
孤児A「…………」ザッ
孤児B「…………」ザッ
孤児C「…………」ザッ
女の子「……!」ギュッ
俺「……なんの、つもりだ?」
浮浪者「ゼニ持ってる、わざわざ病気の治療のために暢気にこんなとこ入り込むお貴族様にはわからんか?」
浮浪者「噂でカモ呼び込んで、身ぐるみはがすんだよ。こんなふうにな」ギロッ
浮浪者「お前ら仕事や、どっちも殴り殺せ。女も犯すんじゃないぞ、あれは汚物の塊だ」
浮浪者「叩き殺せ、毒女の血は浴びるなよ。穢れるぞ」
孤児A「……」バッ
女の子「きゃぁぁぁっ!」
俺「ぐっ!」バッ
グサッ
孤児A「……」ニイ
女の子「お、俺さん!」オドオド
俺「だ、大丈夫だ、浅い……。はは、初めて名前呼んでくれたな」ヨロッ
孤児B「……」シュン
俺「……【聖剣】の奇跡」カンッ
浮浪者「な、なんだあの剣は!」
俺「神様からもらった……俺だけが自在に出し入れ可能な【聖剣】だ」ギロ
浮浪者「ううっ」
俺「はぁっ!」ズパァツ
孤児B「がぁっ! う、腕が!」
孤児A・孤児C「!」
俺「退け……ここから先は、殺すぞ。俺は本気だ」
浮浪者「うう、うぐう……」
◆◆
女の子「俺さん、俺さん、死なないでください!」ボロボロ
俺「大丈夫だ……これくらい、なんてことない」ゼエゼェ
俺「悪かったな、下調べが甘くて、とんでもないところに連れてきてしまった」
俺(……無駄に日数を使ってしまった)ギリ
俺「この子には……もう、時間がないっていうのに」
俺「……そういや、昼飯も後回しにしたまま、まだだったんだよな。もう夕刻か」グウ
俺「あーあ、全財産渡したのは馬鹿だったなぁ」ポリポリ
剣士「あの感じ悪いオッサンいるじゃん」
槍使い「ああ、強そうだったから誘ったら鼻で笑いやがった奴だな。誰に対してもあんな調子だとよ」
剣士「なんか頼んで回ってるみたいだが……馬鹿にされてるみたいだな」
槍使い「だろうよ、いいザマだ」
俺「な、なぁ、アンタ、以前はその、悪かった」バッ
剣士「うわ、こっち来たwww笑うわwww」
剣士「アンタじゃなくて、剣士さんだが?」
槍使い「おい、止めとけ、こいつ短気でクズだって……」
俺「す、すまない、剣士さん、その、訊きたいことがあるんだ」バッ
剣士「wwww」
槍使い「…………」
俺「白魔導士を、探してるんだ……それも、最低でもB級以上の」
俺「もう時間がなくて、遠出して会いに行く猶予はないんだ」
俺「頼む、噂でもいい、何か知っていることがあったら……!」
剣士「知るかよそんなの! この都市に、そう都合よくB級の凄腕白魔導士がいるわけないだろバカかよ」
俺「……そう、ですよね」
槍使い「……貧民街に、仙人と呼ばれている白魔導士の男がいるらしい」
剣士「おい、お前……!」
槍使い「キナ臭い話だがな、行くなら気を付けろ」
俺「ありがとう、ございます。行ってみます」ペコッ
◆◆
―翌日―
女の子「ごほ、ごほ」
俺「わ、悪い、連れ回して……。背負おうか?」
「見ろよ、あいつ、病持ち連れてるぜ」
「あの目、魔毒の症状じゃないか? よく触れるわ……」
「あんな汚物、表に出すなよなぁ、非常識だなあ」
女の子「…………」
俺「うるせぇぞテメエらぁ! お前達に、この子の何がわかる!」
女の子「!」
「おいおいあいつ、目に涙浮かんでんぞ」
「ビビってんじゃねぇか。無理するなよ雌犬の飼い主さん」
◆◆
―貧民街―
俺(噂通りの、小汚い、変わった頭の形の爺さんだ……)
俺「あなたが、仙人さんですか……?」
浮浪者「よーお、貴族の遣いが頼みに来るね。そんなこと言って」カカカ
浮浪者「そっちの子が病持ちか」ジロッ
女の子「…………」
浮浪者「で、ゼニは持ってるか?」
俺「う……その、金目のものなら……」
浮浪者「ほーう」
俺(足りるか……? 大したものは持っていない)
俺(相場を確かめるべきだったか……)
俺(いや、その前に、こいつが本物かどうか確かめておいた方がいい。確認事項を【ステータス】にセットして……)
◆◆
種族:ヒューマン
年齢:64
性格:狡猾
技能:【ペテン:B】【カリスマ:C】
◆◆
俺「なっ!」
浮浪者「どうしたか?」
俺「か、帰らせてもらう! この子には時間がないんだよ!」
浮浪者「はぁ……お前ら、出番だ」
孤児A「…………」ザッ
孤児B「…………」ザッ
孤児C「…………」ザッ
女の子「……!」ギュッ
俺「……なんの、つもりだ?」
浮浪者「ゼニ持ってる、わざわざ病気の治療のために暢気にこんなとこ入り込むお貴族様にはわからんか?」
浮浪者「噂でカモ呼び込んで、身ぐるみはがすんだよ。こんなふうにな」ギロッ
浮浪者「お前ら仕事や、どっちも殴り殺せ。女も犯すんじゃないぞ、あれは汚物の塊だ」
浮浪者「叩き殺せ、毒女の血は浴びるなよ。穢れるぞ」
孤児A「……」バッ
女の子「きゃぁぁぁっ!」
俺「ぐっ!」バッ
グサッ
孤児A「……」ニイ
女の子「お、俺さん!」オドオド
俺「だ、大丈夫だ、浅い……。はは、初めて名前呼んでくれたな」ヨロッ
孤児B「……」シュン
俺「……【聖剣】の奇跡」カンッ
浮浪者「な、なんだあの剣は!」
俺「神様からもらった……俺だけが自在に出し入れ可能な【聖剣】だ」ギロ
浮浪者「ううっ」
俺「はぁっ!」ズパァツ
孤児B「がぁっ! う、腕が!」
孤児A・孤児C「!」
俺「退け……ここから先は、殺すぞ。俺は本気だ」
浮浪者「うう、うぐう……」
◆◆
女の子「俺さん、俺さん、死なないでください!」ボロボロ
俺「大丈夫だ……これくらい、なんてことない」ゼエゼェ
俺「悪かったな、下調べが甘くて、とんでもないところに連れてきてしまった」
俺(……無駄に日数を使ってしまった)ギリ
俺「この子には……もう、時間がないっていうのに」
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