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第七話 吸血侯爵の筆頭騎士
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女の子「俺さん、大丈夫ですか?」オロオロ
俺「……ああ、手当してもらったおかげで随分よくなったよ」
俺「今日、明日はこのまま寝させてもらうけどな」
俺「悪いな、ゴロツキがいたから根性直してやろうと思ったら、このザマだよ」ハッ
女の子「……危険なことは、しないでくださいね。俺さんがいなくなったら私、どうすればいいのか……」グスッ
槍使い「…………」
俺「いたのか、お前」
槍使い「少し、俺さんと二人で話したいことがある。席を外してくれ」
女の子「え……? わ、わかりました」ペコッ
◆◆
槍使い「どういうことだ?」
俺「…………」
槍使い「竜種を一人で仕留めたS級冒険者の貴方が、たかだかゴロツキ相手に苦戦するとは思えないのだが」
俺「……お前、あいつのこと好きか?」
槍使い「え……? あ、ああ、そりゃあもう!」ダンッ
俺「命を懸けて、持ってるもん全部放り出して守れって言われて、頷けるか?」
槍使い「え……?」
俺「……無茶なこと言っちまったな、忘れてくれ」
槍使い「…………で、できる」
俺「!」
槍使い「できるって言ったんだ! やってやるさ! 俺のことを見縊ってくれるな!」グッ
俺「……」
槍使い「……」フーフーッ
俺「そっか、ありがとうな」ニコッ
槍使い「あ、ああ! 礼には及ばんともさ!」
俺「……あいつは、多分だが、貴族か、それに準ずる権力持ちに狙われている」
俺「相手は、街中で兵を嗾けることもいとわない連中だ」
槍使い「な……!」
俺「実家に帰って貴族に戻って、正式にあいつを娶ってやってくれ」バッ
槍使い「お、俺があの子を……」
俺「そうすれば、連中も手出しはしづらくなるはずだ」
俺「……もっとも、もしかしたら以降も何かの嫌がらせを受けるかもしれないがな」
槍使い「…………」
俺「さすがに……呑めないか」
槍使い「わ、わかった! やってみせる!」
◆◆
―天魔の塔・再奥地―
紅緋竜「ギャオオオオ!」
翡翠竜「ガァアアアアア!」
蒼碧竜「グオオオオオオオ!」
長髪の男「アァ、つまんねぇ、なぁ」
ザンッ、ドサァ!
紅緋竜「ギオッ!?」
長髪「おっ、綺麗に腕が落ちたか」
長髪「デカくて頑丈ってだけで、トロ臭いし、魔物の中じゃマシってだけで頭も悪い」
長髪「人間と違って、信念や意地って奴も持ち合わせてねぇ。もう慣れちまったし、暇潰しにもならないか」
長髪「違うんだよなあ、俺の求めた闘いって奴はよお」ハァ
蒼碧竜「オ、オオ……」ブルッ
長髪「どうした? 竜って奴は、世界最強の種族なんだろ? もっとどっしり構えようぜ、興醒めだ」
◆◆
―ある酒場―
長髪「……またテメェか、辛気臭い面見せんなよ」
女侯爵の部下「……たまには仕事をしたらどうか、筆頭騎士様」
長髪「つまんねぇんだよ。頼まれたから名前貸してやってるだけ感謝してくれや」
長髪「俺は名声も金もいらねンだわ」
女侯爵の部下「……竜種を屠れるS級冒険者を一人、殺してほしい」
長髪「……」ニマァ
長髪「いいねェ……そういうのを、待ってたんだよ」
俺「……ああ、手当してもらったおかげで随分よくなったよ」
俺「今日、明日はこのまま寝させてもらうけどな」
俺「悪いな、ゴロツキがいたから根性直してやろうと思ったら、このザマだよ」ハッ
女の子「……危険なことは、しないでくださいね。俺さんがいなくなったら私、どうすればいいのか……」グスッ
槍使い「…………」
俺「いたのか、お前」
槍使い「少し、俺さんと二人で話したいことがある。席を外してくれ」
女の子「え……? わ、わかりました」ペコッ
◆◆
槍使い「どういうことだ?」
俺「…………」
槍使い「竜種を一人で仕留めたS級冒険者の貴方が、たかだかゴロツキ相手に苦戦するとは思えないのだが」
俺「……お前、あいつのこと好きか?」
槍使い「え……? あ、ああ、そりゃあもう!」ダンッ
俺「命を懸けて、持ってるもん全部放り出して守れって言われて、頷けるか?」
槍使い「え……?」
俺「……無茶なこと言っちまったな、忘れてくれ」
槍使い「…………で、できる」
俺「!」
槍使い「できるって言ったんだ! やってやるさ! 俺のことを見縊ってくれるな!」グッ
俺「……」
槍使い「……」フーフーッ
俺「そっか、ありがとうな」ニコッ
槍使い「あ、ああ! 礼には及ばんともさ!」
俺「……あいつは、多分だが、貴族か、それに準ずる権力持ちに狙われている」
俺「相手は、街中で兵を嗾けることもいとわない連中だ」
槍使い「な……!」
俺「実家に帰って貴族に戻って、正式にあいつを娶ってやってくれ」バッ
槍使い「お、俺があの子を……」
俺「そうすれば、連中も手出しはしづらくなるはずだ」
俺「……もっとも、もしかしたら以降も何かの嫌がらせを受けるかもしれないがな」
槍使い「…………」
俺「さすがに……呑めないか」
槍使い「わ、わかった! やってみせる!」
◆◆
―天魔の塔・再奥地―
紅緋竜「ギャオオオオ!」
翡翠竜「ガァアアアアア!」
蒼碧竜「グオオオオオオオ!」
長髪の男「アァ、つまんねぇ、なぁ」
ザンッ、ドサァ!
紅緋竜「ギオッ!?」
長髪「おっ、綺麗に腕が落ちたか」
長髪「デカくて頑丈ってだけで、トロ臭いし、魔物の中じゃマシってだけで頭も悪い」
長髪「人間と違って、信念や意地って奴も持ち合わせてねぇ。もう慣れちまったし、暇潰しにもならないか」
長髪「違うんだよなあ、俺の求めた闘いって奴はよお」ハァ
蒼碧竜「オ、オオ……」ブルッ
長髪「どうした? 竜って奴は、世界最強の種族なんだろ? もっとどっしり構えようぜ、興醒めだ」
◆◆
―ある酒場―
長髪「……またテメェか、辛気臭い面見せんなよ」
女侯爵の部下「……たまには仕事をしたらどうか、筆頭騎士様」
長髪「つまんねぇんだよ。頼まれたから名前貸してやってるだけ感謝してくれや」
長髪「俺は名声も金もいらねンだわ」
女侯爵の部下「……竜種を屠れるS級冒険者を一人、殺してほしい」
長髪「……」ニマァ
長髪「いいねェ……そういうのを、待ってたんだよ」
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