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「……計算ミスだわ。私の気象予測アルゴリズムに、コンマ三パーセントの誤差があったようね」
別荘から少し離れた林の中。
シェリルは、頭上の巨大なフキの葉を傘代わりに掲げながら、忌々しげに空を見上げた。
つい数分前まで晴天だった空は、今や墨を流したような黒雲に覆われ、バケツをひっくり返したような豪雨が降り注いでいる。
「お前……そんな葉っぱ一枚で防げる量じゃないだろう。こっちへ来い!」
隣にいたウォルフが、自分のマントを大きく広げてシェリルを強引に引き寄せた。
分厚い軍用マントの陰に入ると、激しい雨音が一気に遠のき、代わりにウォルフの体温と、濡れた革と鉄の匂いが間近に迫ってきた。
「……心拍数が平時より五パーセント上昇したわ。これは『吊り橋効果』による一時的な錯覚ね。ウォルフ、無駄に接近して私の脳に余計な演算をさせないで」
「この状況で心拍数の心配か!? いいから走るぞ、あそこに古い狩猟小屋がある!」
二人は雨の中を駆け抜け、崩れかけの小さな木製小屋へと飛び込んだ。
バタン、とウォルフが扉を閉めると、密閉された空間には激しい雨音だけが響くようになった。
広さはわずか二畳ほど。
狩猟用の資材置き場だったのか、中には古びた毛布と、少しの薪が転がっているだけだ。
「……ふぅ。最悪ね。服の湿度が九十パーセントを超えているわ。このままでは気化熱によって体温が奪われ、明日の労働効率が壊滅的に低下するわね」
シェリルは寝巻き兼作業着のシャツをパタパタと扇ぎながら、不満を露わにした。
濡れた生地が肌に張り付き、その曲線が露わになっていることに、彼女自身は全く無頓着だった。
「……おい、シェリル。あまり動くな。……目のやり場に困る」
ウォルフは顔を背け、自分のマントを絞りながら低い声で言った。
小屋の中は暗く、わずかな隙間から差し込む光が、シェリルの白い肌を淡く照らしている。
「何を言っているの。個体の視覚的情報を処理するリソースがあるなら、火を熾す方法でも考えなさい。この小屋の断熱材は皆無よ。このままだと、一時間以内に私たちの体温は生存ラインの境界まで下がるわ」
「わかっている。……火は俺が熾す。お前はそこで、その毛布でも被っていろ」
ウォルフは手際よく、小屋の隅に放置されていた薪を組み、火打ち石で火を点けた。
小さな炎が上がり、パチパチとはぜる音が響き始める。
ようやく訪れた暖かさに、シェリルは毛布を頭から被り、火の傍に丸まった。
「……ねえ、ウォルフ。この小屋、構造的に欠陥があるわね」
「……いきなり建築批評か?」
「見てなさい。屋根の勾配が不適切よ。この降雨量に対して排水が追いついていない。あと三十分もすれば、北西の角から雨漏りが始まるわ。私の計算によれば、その落下地点はちょうどあなたの頭の上よ」
「……お前、こういう時はもう少し『怖い』とか『心細い』とか言えないのか?」
ウォルフが呆れたように、火の粉を見つめながら呟いた。
狭い小屋、二人きり。外は激しい嵐。
普通の男女であれば、もっと別の言葉が交わされるはずの場面だ。
「怖い? 恐怖は未知の事象に対して発生するバグよ。私はこの状況をすべて数値化し、生存確率九十九・八パーセントと算出しているわ。怖がる理由がどこにあるのかしら?」
「……残り零・二パーセントは何だ?」
「小屋が物理的に崩壊して、私たちが下敷きになる確率よ。その場合は、あなたの強靭な広背筋を支柱代わりにするから問題ないわ」
「俺を建材扱いするな」
ウォルフは苦笑し、少しだけシェリルの隣に腰を下ろした。
肩が触れ合うほどの距離。
シェリルは、毛布の中からチラリとウォルフの横顔を盗み見た。
いつもは厳しい騎士の顔をしている彼も、火に照らされる今の表情は、どこか柔らかい。
「……お前、王宮にいた頃もこうだったのか?」
「どういう意味?」
「いや、いつも数字や効率の話ばかりして……。一人で全部背負って。……疲れないのか?」
ウォルフの問いは、雨音に混じって優しく響いた。
シェリルは一瞬、言葉を失った。
「……疲れ? そんな主観的な概念、私の辞書には……」
「嘘をつけ。……さっきの添削の手紙もそうだ。お前は口では嫌だと言いながら、結局は誰かのために頭を使いすぎている。……効率化っていうのは、誰かを楽にするためにあるんだろう?」
ウォルフの手が、そっとシェリルの手の上に重なった。
大きくて、節くれだった、温かい手。
「……シェリル。俺の前でくらい、効率の悪い人間になってもいいんだぞ。……俺が、お前の不足分を埋めてやる」
「…………」
密室の空気が、急激に熱を帯びる。
ウォルフの瞳が、真っ直ぐにシェリルを射抜いた。
これまでの「護衛」としてではない、一人の男としての、熱い視線。
シェリルは、自分の心臓が、設計限界を超えた速度で鼓動しているのを感じた。
(……まずいわ。このままでは、論理回路が完全に焼き切れてしまう……!)
彼女は、必死に脳内の数式を検索した。
そして、顔を真っ赤にしながら、弾かれたように叫んだ。
「……無理よ! 今の発言、熱力学第二法則を無視しているわ!」
「……は?」
ウォルフが、固まった。
「いい!? 不足分を埋めるという概念は、エネルギーの移動を伴うわ。あなたの体温が私に移動すれば、あなたの生存効率が低下し、結果として全体の生存戦略が破綻する! それに、あなたのその発言の糖度は、私の血糖値を異常上昇させ、インスリンの過剰分泌を招くわ! 非効率よ、極めて非効率だわ!」
「……お前、今の流れでそれを言うか?」
ウォルフは脱力し、繋ごうとした手をダラリと下げた。
「当然よ! 密室における酸素濃度の低下も考慮しなさい! 二人の呼吸が荒くなれば、二酸化炭素濃度が上昇し、判断力が鈍るわ。さあ、ウォルフ! 今すぐその甘いムードという名のノイズを排して、小屋の雨漏り対策に全リソースを割きなさい!」
「………………はぁ」
ウォルフは天を仰ぎ、深いため息をついた。
「……わかった。俺が悪かった。お前に情緒を求めた俺が、一番非効率だったよ」
「理解が早くて助かるわ。さあ、あそこのバケツを雨漏りの予測地点に配置して!」
嵐が吹き荒れる中。
狭い小屋の中では、ムードを完璧に粉砕したシェリルが、テキパキと雨漏り対策の指揮を執っていた。
ウォルフは「これも修行か」と自分に言い聞かせながら、彼女の指示に従って動き回った。
結局、その夜、二人の間に甘い出来事は一つも起きなかった。
だが、小屋を出る頃には、嵐は去り、澄み切った月光が二人を照らしていた。
「……見て、ウォルフ。空気が洗浄されて、視界の透過率が二十パーセント向上したわ。素晴らしいわね」
「……そうだな。……お前が元気なら、それでいいよ」
ウォルフは諦めたように笑い、シェリルの隣を歩いた。
効率主義の令嬢と、彼女に振り回される騎士団長。
二人の距離は、数式では測れないほど、ほんの少しだけ近づいていた。
別荘から少し離れた林の中。
シェリルは、頭上の巨大なフキの葉を傘代わりに掲げながら、忌々しげに空を見上げた。
つい数分前まで晴天だった空は、今や墨を流したような黒雲に覆われ、バケツをひっくり返したような豪雨が降り注いでいる。
「お前……そんな葉っぱ一枚で防げる量じゃないだろう。こっちへ来い!」
隣にいたウォルフが、自分のマントを大きく広げてシェリルを強引に引き寄せた。
分厚い軍用マントの陰に入ると、激しい雨音が一気に遠のき、代わりにウォルフの体温と、濡れた革と鉄の匂いが間近に迫ってきた。
「……心拍数が平時より五パーセント上昇したわ。これは『吊り橋効果』による一時的な錯覚ね。ウォルフ、無駄に接近して私の脳に余計な演算をさせないで」
「この状況で心拍数の心配か!? いいから走るぞ、あそこに古い狩猟小屋がある!」
二人は雨の中を駆け抜け、崩れかけの小さな木製小屋へと飛び込んだ。
バタン、とウォルフが扉を閉めると、密閉された空間には激しい雨音だけが響くようになった。
広さはわずか二畳ほど。
狩猟用の資材置き場だったのか、中には古びた毛布と、少しの薪が転がっているだけだ。
「……ふぅ。最悪ね。服の湿度が九十パーセントを超えているわ。このままでは気化熱によって体温が奪われ、明日の労働効率が壊滅的に低下するわね」
シェリルは寝巻き兼作業着のシャツをパタパタと扇ぎながら、不満を露わにした。
濡れた生地が肌に張り付き、その曲線が露わになっていることに、彼女自身は全く無頓着だった。
「……おい、シェリル。あまり動くな。……目のやり場に困る」
ウォルフは顔を背け、自分のマントを絞りながら低い声で言った。
小屋の中は暗く、わずかな隙間から差し込む光が、シェリルの白い肌を淡く照らしている。
「何を言っているの。個体の視覚的情報を処理するリソースがあるなら、火を熾す方法でも考えなさい。この小屋の断熱材は皆無よ。このままだと、一時間以内に私たちの体温は生存ラインの境界まで下がるわ」
「わかっている。……火は俺が熾す。お前はそこで、その毛布でも被っていろ」
ウォルフは手際よく、小屋の隅に放置されていた薪を組み、火打ち石で火を点けた。
小さな炎が上がり、パチパチとはぜる音が響き始める。
ようやく訪れた暖かさに、シェリルは毛布を頭から被り、火の傍に丸まった。
「……ねえ、ウォルフ。この小屋、構造的に欠陥があるわね」
「……いきなり建築批評か?」
「見てなさい。屋根の勾配が不適切よ。この降雨量に対して排水が追いついていない。あと三十分もすれば、北西の角から雨漏りが始まるわ。私の計算によれば、その落下地点はちょうどあなたの頭の上よ」
「……お前、こういう時はもう少し『怖い』とか『心細い』とか言えないのか?」
ウォルフが呆れたように、火の粉を見つめながら呟いた。
狭い小屋、二人きり。外は激しい嵐。
普通の男女であれば、もっと別の言葉が交わされるはずの場面だ。
「怖い? 恐怖は未知の事象に対して発生するバグよ。私はこの状況をすべて数値化し、生存確率九十九・八パーセントと算出しているわ。怖がる理由がどこにあるのかしら?」
「……残り零・二パーセントは何だ?」
「小屋が物理的に崩壊して、私たちが下敷きになる確率よ。その場合は、あなたの強靭な広背筋を支柱代わりにするから問題ないわ」
「俺を建材扱いするな」
ウォルフは苦笑し、少しだけシェリルの隣に腰を下ろした。
肩が触れ合うほどの距離。
シェリルは、毛布の中からチラリとウォルフの横顔を盗み見た。
いつもは厳しい騎士の顔をしている彼も、火に照らされる今の表情は、どこか柔らかい。
「……お前、王宮にいた頃もこうだったのか?」
「どういう意味?」
「いや、いつも数字や効率の話ばかりして……。一人で全部背負って。……疲れないのか?」
ウォルフの問いは、雨音に混じって優しく響いた。
シェリルは一瞬、言葉を失った。
「……疲れ? そんな主観的な概念、私の辞書には……」
「嘘をつけ。……さっきの添削の手紙もそうだ。お前は口では嫌だと言いながら、結局は誰かのために頭を使いすぎている。……効率化っていうのは、誰かを楽にするためにあるんだろう?」
ウォルフの手が、そっとシェリルの手の上に重なった。
大きくて、節くれだった、温かい手。
「……シェリル。俺の前でくらい、効率の悪い人間になってもいいんだぞ。……俺が、お前の不足分を埋めてやる」
「…………」
密室の空気が、急激に熱を帯びる。
ウォルフの瞳が、真っ直ぐにシェリルを射抜いた。
これまでの「護衛」としてではない、一人の男としての、熱い視線。
シェリルは、自分の心臓が、設計限界を超えた速度で鼓動しているのを感じた。
(……まずいわ。このままでは、論理回路が完全に焼き切れてしまう……!)
彼女は、必死に脳内の数式を検索した。
そして、顔を真っ赤にしながら、弾かれたように叫んだ。
「……無理よ! 今の発言、熱力学第二法則を無視しているわ!」
「……は?」
ウォルフが、固まった。
「いい!? 不足分を埋めるという概念は、エネルギーの移動を伴うわ。あなたの体温が私に移動すれば、あなたの生存効率が低下し、結果として全体の生存戦略が破綻する! それに、あなたのその発言の糖度は、私の血糖値を異常上昇させ、インスリンの過剰分泌を招くわ! 非効率よ、極めて非効率だわ!」
「……お前、今の流れでそれを言うか?」
ウォルフは脱力し、繋ごうとした手をダラリと下げた。
「当然よ! 密室における酸素濃度の低下も考慮しなさい! 二人の呼吸が荒くなれば、二酸化炭素濃度が上昇し、判断力が鈍るわ。さあ、ウォルフ! 今すぐその甘いムードという名のノイズを排して、小屋の雨漏り対策に全リソースを割きなさい!」
「………………はぁ」
ウォルフは天を仰ぎ、深いため息をついた。
「……わかった。俺が悪かった。お前に情緒を求めた俺が、一番非効率だったよ」
「理解が早くて助かるわ。さあ、あそこのバケツを雨漏りの予測地点に配置して!」
嵐が吹き荒れる中。
狭い小屋の中では、ムードを完璧に粉砕したシェリルが、テキパキと雨漏り対策の指揮を執っていた。
ウォルフは「これも修行か」と自分に言い聞かせながら、彼女の指示に従って動き回った。
結局、その夜、二人の間に甘い出来事は一つも起きなかった。
だが、小屋を出る頃には、嵐は去り、澄み切った月光が二人を照らしていた。
「……見て、ウォルフ。空気が洗浄されて、視界の透過率が二十パーセント向上したわ。素晴らしいわね」
「……そうだな。……お前が元気なら、それでいいよ」
ウォルフは諦めたように笑い、シェリルの隣を歩いた。
効率主義の令嬢と、彼女に振り回される騎士団長。
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