元Sランクパーティーのサポーターは引退後に英雄学園の講師に就職した。〜教え子達は見た目は美少女だが、能力は残念な子達だった。〜

アノマロカリス

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第一章

第二十四話 ラス達の帰還

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 「先生、今帰りました。」

 「おかえりなさい。どうやら無事に30層までクリア出来た様ですね。」

 ラスがかろうじて言葉が喋る事が出来ていて、他の3人は荒い呼吸をしていた。

 「10層までは普通の迷宮ダンジョンだったのに、11層からフィールドダンジョンに変わっていて…一瞬転移魔法で飛ばされたのかと思いました。」

 「ダンジョンの中には、階層によって全く景色が違う場所に出る場合もありますからね。」

 「本当にアレを先生が作った物だなんて信じられません。」

 「中々スリルがあって楽しかったでしょ?」

 「周りの景色を楽しむ余裕なんて無かったですよ。低レベルの魔物だから余裕かと思っていたら、数で攻めて来たり…」

 「例え格下でも数で襲って来たら…という訓練のつもりで設定しましたからね。でも、30層までにしては随分レベルが上がってますね?」

 「階層によってキラキラ光る魔物を倒した際にレベルが2つや3つも上がったんです。」

 「あぁ、レアを倒したのね。」

 「レア?」

 「あのダンジョンには通常の魔物以外に、レアとユニークとノートリアスという3種類の特殊な魔物を配置しています。レアは合うのが困難ですが討伐すると多くの経験値を取得出来ます。ユニークは通常の魔物とは違い特殊な攻撃を繰り出して来て、討伐するとレア素材が入手出来ます。」

 「それでレベルが跳ね上がったのですね。では、最後のノートリアスというのは?」

 「特定の条件下で現れる魔獣です。強さは…1層~10層まではレベル10程度、11層~20層まではレベル20程度、21層~30層まではレベル30程度の魔獣ですよ。」

 「23階層で出現しましたね。サボテンみたいな魔物で、一見弱そうだと思って油断をしていたら無数の針を飛ばして来て瀕死に近いダメージを負いました。」

 「近くに回復の泉がなければ、他の魔物と出会っていたら死んでいたかもしれません。」

 「あのダンジョンでは50階層以下では無い限り死んだりはしませんよ。死ぬ様な危険な状態になると、入り口に強制的に転移されるだけです。」

 「30層でこんな感じなのに、50階層なんて辿り着けるのか?」

 「今学期より卒業試験は、100階層のフロアボスを討伐する事が条件になるそうです。今は無理でも時期に辿り着いて達成出来ると思いますよ。君達は未来の英雄候補なのですからね!」

 研修期間が終われば生徒達の勇姿が見れなくなる。

 今後の指導はラウリス先生に任せる事になるけど…大丈夫かな?

 「うひ~マジかぁ!」

 「残り1年半で100階層って…行けるのかな?」

 「あれ、そういえば…他の奴等が居ませんけど?」

 「他の子達は10階層に辿り着く様にと言って送り出しました。今頃は全員で8階層にいるみたいですね。」

 「8階層って、キノコゾーンか。」

 「あそこの魔物が喰えるとは思わなかった。」

 「ダンジョン内の魔物は食材になる魔物もいますからね。通常のダンジョンではあり得ませんが、学園のダンジョンは緩く設定されていますので…」

 「アレで緩いのか…」

 「30層でフロアボスと戦いましたが、グレーターミノタウロスだっけか?アレはとんでも無い強さでしたよ。」

 「安心して下さい、あと2ヶ月もすればソロで楽に倒せる様になりますよ。修業を怠らなければの話ですが…」

 「アレをソロでって…」

 「それよりも、証は取ってきましたか?」

 4人は小さな箱を手の上に置いて見せた。

 その箱には4人のジョブの刻印が刻まれている箱だった。

 「最初は証というだけで、どういった物なのかが全く分からなくてダンジョン内を歩き回りました。フロアボスを倒してもドロップしなかったので、戻って探し回る羽目になりましたが…」

 「まさかあんな場所に隠される様にあるとか思いませんよ。先生は意地が悪いですね。」

 「冒険者になったら、探索依頼では普通にある事ですよ。まさか分かり易く看板で表示されているとでも思ったのですか?」

 「そうだった…先生はこういう人だった。」

 「私達の事を考えてくれているのはありがたいけどね。」

 「でもこの箱はどうやっても開かないんですけど、どうやったら開くのですか?」

 「それに関しては、他の生徒達が戻って来たら説明します。それまでは部屋でゆっくり休んで下さいね。」

 「「「「分かりました。」」」」

 ラス達は各自の部屋に帰って行った。

 その箱はラス達にとって今後を左右する物が入っていたのだった。

 「これで彼等とはお別れですね。次に受け持つクラスがこの子達の様な感じなら嬉しいのだけれど。」

 次回、第一章の最終回です。
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