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第二十三話 黙らせても良いですか?
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「ファスティアさん、貴女の魔法なら可能だったりしませんか?」
突然ヴァッシュ殿下がこんな事を言い出して来た。
その言葉に対してカリオスも私の方を向いて来た。
私は無言で首を振ると言った。
「流石に自然界の脅威を退けられる様な魔法はありません!」
レントグレマール王国で私の張った結界は、あらゆる災害を退けられる効果があり…熊車の周囲に結界を展開すればできない事はないけど…?
「そうですか…って、ファスティアさん…そんな仮面を付けておられましたっけ?」
貴方が余計な事を言って注目を向ける様な発言をするからでしょ!
そのお陰でカリオスが私を見ても問題なさそうにしているから構わないけど。
私は多分この仮面に関して聞かれると思っていたから、事前にメナスと打ち合わせをしていた設定を話した。
「私はこの国の出身で、横柄な態度をして来る貴族から逃げる為に他の大陸に移ったのです。 まさかこの国に戻って来るとは思わなくて…素性を隠す為に仮面で隠しているだけなので。」
「そうだったのですか…」
これで話が終わってくれると良かったんだけど…?
「実は僕の能力には魔力視というのがありまして、他人の魔力を見る事が出来るのです。」
なるほど、それでか~!
船で甲板に出た時にピンポイントで私のいる場所を探り当てて接触して来たのね。
てっきり私と話をする為に扉の前で見張って後を着いて来たストーカー野郎だと思っていたんだけど、どうやら違ったみたいね。
「それで僕の魔力視によると、貴女の魔力量はここにいる誰よりも高いので…もしかしたら可能ではないかと思ったのですが?」
「確かに私は生まれ付き魔力が高いですが、それでも自然界の脅威を抑制出来る力は有りません。 それが可能なら…私は貴族とのいざこざが無く逃げ出しておりましたし、こんな仮面で顔を隠す様な真似はしません。」
こうでも言っておけば…諦めるだろうと思っていた。
ところが…?
「僕は魔法の使い方は色々知っていますので、もし良ければ教える事が出来ますが…」
「結構です! 私は身の丈に合った魔法で充分ですので…」
これで退いてくれると良いんだけど…?
ところがそれでは終わらないヴァッシュ殿下と…
「ヴァッシュ殿下、この女はライラよりも魔力が高いのか?」
「ライラ殿とは比べ物にならない位に高いですね、レイラ殿がどの位の総魔力量なのかが分かりませんが…この方が居れば、レントグレマール王国の結界を張る事が出来るかも知れませんよ。」
「何だと⁉︎」
ヴァッシュ殿下…永遠に黙らせてやろうか?
それにカリオスも余計な事を聞いて来るんじゃないわよ‼︎
その証拠に…カリオスが私の方を見て考え込んでいる。
カリオスの目的がデルバディル城に行く事となれば、レイラを連れ戻すのが目的なんだろうけど…?
私で代用が出来るなら、足止めを喰らっていつまでもこんな場所で待つよりも…私を連れ去ろうとか考える筈?
あんな王国に戻りたくもないし、あんな王国がどうなろうとか知った事ではない。
「おい、女! お前を…」
「お断りします! 先程に結界の話云々が聞こえましたけど、レントグレマール王国の結界を私に張れと仰りたいみたいですが…私も以前にレントグレマール王国に赴いた事がありますが、アレって聖属性の結界ですよね? 私に聖属性はありませんけど…」
私の言葉でヴァッシュ殿下とカリオスが呆けていた。
「まさか…知らなかったのですか? 私は結界の存在を知った時に神殿に赴いて誰が結界を張ったのかという話を聞いたら、神殿の方が聖女様が張ったと聞かされましたけど?」
流石に結界に聖属性が絡んでいた事をヴァッシュ殿下は知らなかったみたいで…魔力が有れば結界を張れると思い込んでいたみたいだった。
「呆れましたね、魔力を使った魔力結界では攻撃を弾き返す効果があるだけで、加護や恩恵の効果がまるで無いのに…」
「だからライラの張った結界は何の効果ももたらさなかったのか!」
「まさか…レントグレマール王国の結界にそんな秘密があったなんて⁉︎」
これで…私をどうこうするという話は無くなったと思う。
まぁ、実際にはあの結界に聖属性なんて全く使われてはいないんだけどね。
私があの結界を張った時は、家族を振り向かせ為に加護や恩恵といった類の祈りを込めた物で、それなりに魔力が高ければ誰でも張れる物なんだけど…ライラの場合はそんな事を考えずにただ魔力を使っただけなんでしょうね。
あの子は私と違って、家族に甘やかされて裕福に育てられたから…王国の為にどうこうしようとか思っていた訳では無いから、結界に何も反映されなかったのでしょう。
「なら…やはりレイラを連れ戻すしか無いのか。」
「レイラ殿が聖女様なら…豊穣の加護や恩恵も納得が出来る!」
これで完全に私の興味が無くなったでしょう。
それにしても魔力視ですか…厄介な能力ですね?
どの程度の範囲まで探れるのかが分かりませんが、中央都市デルーランスに行って魔力の反応が無ければ…手紙の内容が嘘だとバレる可能性があるかも知れない。
やはりここは…?
私は二人にある提案をしようと試みた。
「納得してくれれば良いんだけどねぇ?」
突然ヴァッシュ殿下がこんな事を言い出して来た。
その言葉に対してカリオスも私の方を向いて来た。
私は無言で首を振ると言った。
「流石に自然界の脅威を退けられる様な魔法はありません!」
レントグレマール王国で私の張った結界は、あらゆる災害を退けられる効果があり…熊車の周囲に結界を展開すればできない事はないけど…?
「そうですか…って、ファスティアさん…そんな仮面を付けておられましたっけ?」
貴方が余計な事を言って注目を向ける様な発言をするからでしょ!
そのお陰でカリオスが私を見ても問題なさそうにしているから構わないけど。
私は多分この仮面に関して聞かれると思っていたから、事前にメナスと打ち合わせをしていた設定を話した。
「私はこの国の出身で、横柄な態度をして来る貴族から逃げる為に他の大陸に移ったのです。 まさかこの国に戻って来るとは思わなくて…素性を隠す為に仮面で隠しているだけなので。」
「そうだったのですか…」
これで話が終わってくれると良かったんだけど…?
「実は僕の能力には魔力視というのがありまして、他人の魔力を見る事が出来るのです。」
なるほど、それでか~!
船で甲板に出た時にピンポイントで私のいる場所を探り当てて接触して来たのね。
てっきり私と話をする為に扉の前で見張って後を着いて来たストーカー野郎だと思っていたんだけど、どうやら違ったみたいね。
「それで僕の魔力視によると、貴女の魔力量はここにいる誰よりも高いので…もしかしたら可能ではないかと思ったのですが?」
「確かに私は生まれ付き魔力が高いですが、それでも自然界の脅威を抑制出来る力は有りません。 それが可能なら…私は貴族とのいざこざが無く逃げ出しておりましたし、こんな仮面で顔を隠す様な真似はしません。」
こうでも言っておけば…諦めるだろうと思っていた。
ところが…?
「僕は魔法の使い方は色々知っていますので、もし良ければ教える事が出来ますが…」
「結構です! 私は身の丈に合った魔法で充分ですので…」
これで退いてくれると良いんだけど…?
ところがそれでは終わらないヴァッシュ殿下と…
「ヴァッシュ殿下、この女はライラよりも魔力が高いのか?」
「ライラ殿とは比べ物にならない位に高いですね、レイラ殿がどの位の総魔力量なのかが分かりませんが…この方が居れば、レントグレマール王国の結界を張る事が出来るかも知れませんよ。」
「何だと⁉︎」
ヴァッシュ殿下…永遠に黙らせてやろうか?
それにカリオスも余計な事を聞いて来るんじゃないわよ‼︎
その証拠に…カリオスが私の方を見て考え込んでいる。
カリオスの目的がデルバディル城に行く事となれば、レイラを連れ戻すのが目的なんだろうけど…?
私で代用が出来るなら、足止めを喰らっていつまでもこんな場所で待つよりも…私を連れ去ろうとか考える筈?
あんな王国に戻りたくもないし、あんな王国がどうなろうとか知った事ではない。
「おい、女! お前を…」
「お断りします! 先程に結界の話云々が聞こえましたけど、レントグレマール王国の結界を私に張れと仰りたいみたいですが…私も以前にレントグレマール王国に赴いた事がありますが、アレって聖属性の結界ですよね? 私に聖属性はありませんけど…」
私の言葉でヴァッシュ殿下とカリオスが呆けていた。
「まさか…知らなかったのですか? 私は結界の存在を知った時に神殿に赴いて誰が結界を張ったのかという話を聞いたら、神殿の方が聖女様が張ったと聞かされましたけど?」
流石に結界に聖属性が絡んでいた事をヴァッシュ殿下は知らなかったみたいで…魔力が有れば結界を張れると思い込んでいたみたいだった。
「呆れましたね、魔力を使った魔力結界では攻撃を弾き返す効果があるだけで、加護や恩恵の効果がまるで無いのに…」
「だからライラの張った結界は何の効果ももたらさなかったのか!」
「まさか…レントグレマール王国の結界にそんな秘密があったなんて⁉︎」
これで…私をどうこうするという話は無くなったと思う。
まぁ、実際にはあの結界に聖属性なんて全く使われてはいないんだけどね。
私があの結界を張った時は、家族を振り向かせ為に加護や恩恵といった類の祈りを込めた物で、それなりに魔力が高ければ誰でも張れる物なんだけど…ライラの場合はそんな事を考えずにただ魔力を使っただけなんでしょうね。
あの子は私と違って、家族に甘やかされて裕福に育てられたから…王国の為にどうこうしようとか思っていた訳では無いから、結界に何も反映されなかったのでしょう。
「なら…やはりレイラを連れ戻すしか無いのか。」
「レイラ殿が聖女様なら…豊穣の加護や恩恵も納得が出来る!」
これで完全に私の興味が無くなったでしょう。
それにしても魔力視ですか…厄介な能力ですね?
どの程度の範囲まで探れるのかが分かりませんが、中央都市デルーランスに行って魔力の反応が無ければ…手紙の内容が嘘だとバレる可能性があるかも知れない。
やはりここは…?
私は二人にある提案をしようと試みた。
「納得してくれれば良いんだけどねぇ?」
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