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第四十五話 パーティー離脱
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「どうしてなの、ファスティア⁉︎」
「メナスには説明したじゃない!」
私とメナスは喧嘩…というか、言い争いをしていた。
あの後の事を話すと、ドレクスの件はステファニーさんから散々ボコられる事で解決した。
幾ら回復魔法が使えるからと言って、あそこ迄する必要はないんじゃないかと思うくらいの重傷を与えていたけど、まぁ…そこまでされる程に怨みが深かったのでしょう。
これは仕方がない事です。
そして、その後に私とメナスがカルーセルに胸を揉まれた事を報告すると…
その話に怒りを聞いたステファニーさんは再度激おこし始めて、弟子であるカルーセルをボコボコにして私達に土下座で謝罪…
「もうやらない…」「二度としません!」という事で誓いを取り決めた訳なのですが…?
正直言って、ドレクスよりも重傷を負っているカルーセルに対して、これ以上の制裁は酷だと思って許しました。
そして次は話し合いなのですが…?
当然だけど、長年離れていた親子と夫婦は一緒に行動をする…
これは至って何も問題はないのだけれど、別な問題が浮上しました。
ステファニーさんは男女問わずスキンシップが激しい…
フレクスとレドナースにハグをして、ドレクス、カルーセル、そして長年会えなかったメナスに熱い抱擁を…
そして最後は私になった訳なんだけど、ステファニーさんが私に触れた瞬間に…バチっと弾かれてしまった。
こんな経験は今まで初めてだったので、私は意味が分からずにいた。
「そうだった、聖女同士は過度な接近は許されないんだっけ…」
「え? そんな事があるのですか⁉︎」
ステファニーさんは私以外の聖女の方との面識があるみたいで、以前も他の聖女に触れようとした時に同じ様な状態になったらしい。
そもそも…何が原因でそんな事になっているかは分からないんだけど、聖女同士だとそう言った事が起こるみたい。
今は会ったばかりで触れるのに問題がある程度らしいんだけど、この先一緒に行動をしていたりすると、何かしらの暴走が起きてしまうという話だった。
ステファニーさんが以前一緒にいた聖女達と共に行動をしていた時期もあったらしいんだけど、急に力が使えなくなった事があったり、逆に暴走する様になって周囲を巻き込む様な事が起きたという話でした。
…そうなると、私はこのパーティーにこのまま在籍するのも無理かも知れない。
ドレクスとメナスは親子で、フレクスとレドナースは同郷…
そこに夫婦であるステファニーさんが加わって、幼馴染であるカルーセルが加わるとなると…?
どう見ても私は…?
そもそも、私がドレクス達とのパーティーに入ったのも…暫く行動を共にするという話で参加した。
ここで妻や幼馴染が加わったのなら、特に特別な関係を持っていない私が居座るのもなんか違う。
そこで私はパーティーの離脱をドレクスに話した訳なんだけど…
それに猛反発をして来たのがメナスで、冒頭に戻るという訳なのです。
「何でなの! どうしてファスティアが離脱しなければならないの⁉︎」
「私とステファニーさんが近い距離でいると、この先に迷惑が掛かるという話だし…それに私は元々、パーティー以外では大した繋がりはないし…」
「そんな悲しい事を言わないでよファスティア! 私はファスティアの事をお姉ちゃんだと思っていたのに…」
「お姉ちゃんって…私とメナスは同じ年だし、誕生日で言ったらメナスの方が早いし…どちらかと言うと、メナスの方がお姉ちゃんじゃないかな?」
「だからって…ファスティアはパーティーを離脱したらどうするのよ⁉︎」
「私は元々ソロで活動していたし、それに戻るだけよ。」
「何とかならないの? ねぇ、ママ‼︎」
メナスはステファニーさんにそう言ったんだけど、ステファニーさんはとても困った顔をしていた。
原因不明の症状が起きると言うのなら、私は近くにいるのはあまり好ましくはない。
「仕方が無いよ、聖女同士が一緒にいると何か問題が起こると言う話だし…それにさぁ、メナスは長年会えなかったママに会えたわけだし…これからは一緒に過ごした方が良いと思うよ。」
正直言って私も出来ればこの居心地の良いパーティーからの離脱は望んではいない。
だけど、これはどうしようもない問題でもあるわけで…?
「それに、パーティーを離脱したからって永遠に会えなくなる訳じゃないし…」
「そうかも知れないけど…」
メナスはまだ納得していないと言う表情だった。
なんて言えば納得してくれるのかなぁ?
「私はファスティアが心配なの!」
「心配って…?」
「悪い男に引っ掛かるかも知れないし…」
「それはない!」
「ママに比べたら弱いし…」
「う~ん………」
私はステファニーさん程の力はないのは確かだけど、魔法においてはステファニーさん以上だとは思っているんだけどなぁ?
何とか説得出来ないものかなぁ…なんて考えていると、以前教えた通信魔法の事を思い出した。
通信魔法は魔力を使って遠くの場所でも会話が可能な魔法なんだけど、私とメナスは常に一緒にいた為に使った事は一度も無かった。
「分かった、それで妥協するね。」
「妥協って…」
「毎日連絡するからね! 寝る前とかに…」
「流石に毎日は辞めて、それにお互いに旅をしているのだから…寝る時間なんて一緒とは限らないでしょ!」
毎日連絡取ってくると…まぁ、嬉しい反面、ちょっとウザい。
なので、話し合いの結果…週一にしてもらう事で了承を得た。
そして最後に皆に別れを告げてから、私は宿を出た…ら、私は早速ナンパされる事になった。
そう言えばこの土地ってこういう土地だったっけ?
感傷に浸れず、断っても次々に声を掛けられると…この場所を灰にしてやろうかという気持ちが湧いてくる。
私はすぐに港に向かって、別の大陸に向かう事にした。
「そう言えば…あの二人はどうしているかな?」
私は長い航海であの二人の様子を見る事にした。
あの二人とは、勿論カリオスとヴァッシュの事なんだけど?
「メナスには説明したじゃない!」
私とメナスは喧嘩…というか、言い争いをしていた。
あの後の事を話すと、ドレクスの件はステファニーさんから散々ボコられる事で解決した。
幾ら回復魔法が使えるからと言って、あそこ迄する必要はないんじゃないかと思うくらいの重傷を与えていたけど、まぁ…そこまでされる程に怨みが深かったのでしょう。
これは仕方がない事です。
そして、その後に私とメナスがカルーセルに胸を揉まれた事を報告すると…
その話に怒りを聞いたステファニーさんは再度激おこし始めて、弟子であるカルーセルをボコボコにして私達に土下座で謝罪…
「もうやらない…」「二度としません!」という事で誓いを取り決めた訳なのですが…?
正直言って、ドレクスよりも重傷を負っているカルーセルに対して、これ以上の制裁は酷だと思って許しました。
そして次は話し合いなのですが…?
当然だけど、長年離れていた親子と夫婦は一緒に行動をする…
これは至って何も問題はないのだけれど、別な問題が浮上しました。
ステファニーさんは男女問わずスキンシップが激しい…
フレクスとレドナースにハグをして、ドレクス、カルーセル、そして長年会えなかったメナスに熱い抱擁を…
そして最後は私になった訳なんだけど、ステファニーさんが私に触れた瞬間に…バチっと弾かれてしまった。
こんな経験は今まで初めてだったので、私は意味が分からずにいた。
「そうだった、聖女同士は過度な接近は許されないんだっけ…」
「え? そんな事があるのですか⁉︎」
ステファニーさんは私以外の聖女の方との面識があるみたいで、以前も他の聖女に触れようとした時に同じ様な状態になったらしい。
そもそも…何が原因でそんな事になっているかは分からないんだけど、聖女同士だとそう言った事が起こるみたい。
今は会ったばかりで触れるのに問題がある程度らしいんだけど、この先一緒に行動をしていたりすると、何かしらの暴走が起きてしまうという話だった。
ステファニーさんが以前一緒にいた聖女達と共に行動をしていた時期もあったらしいんだけど、急に力が使えなくなった事があったり、逆に暴走する様になって周囲を巻き込む様な事が起きたという話でした。
…そうなると、私はこのパーティーにこのまま在籍するのも無理かも知れない。
ドレクスとメナスは親子で、フレクスとレドナースは同郷…
そこに夫婦であるステファニーさんが加わって、幼馴染であるカルーセルが加わるとなると…?
どう見ても私は…?
そもそも、私がドレクス達とのパーティーに入ったのも…暫く行動を共にするという話で参加した。
ここで妻や幼馴染が加わったのなら、特に特別な関係を持っていない私が居座るのもなんか違う。
そこで私はパーティーの離脱をドレクスに話した訳なんだけど…
それに猛反発をして来たのがメナスで、冒頭に戻るという訳なのです。
「何でなの! どうしてファスティアが離脱しなければならないの⁉︎」
「私とステファニーさんが近い距離でいると、この先に迷惑が掛かるという話だし…それに私は元々、パーティー以外では大した繋がりはないし…」
「そんな悲しい事を言わないでよファスティア! 私はファスティアの事をお姉ちゃんだと思っていたのに…」
「お姉ちゃんって…私とメナスは同じ年だし、誕生日で言ったらメナスの方が早いし…どちらかと言うと、メナスの方がお姉ちゃんじゃないかな?」
「だからって…ファスティアはパーティーを離脱したらどうするのよ⁉︎」
「私は元々ソロで活動していたし、それに戻るだけよ。」
「何とかならないの? ねぇ、ママ‼︎」
メナスはステファニーさんにそう言ったんだけど、ステファニーさんはとても困った顔をしていた。
原因不明の症状が起きると言うのなら、私は近くにいるのはあまり好ましくはない。
「仕方が無いよ、聖女同士が一緒にいると何か問題が起こると言う話だし…それにさぁ、メナスは長年会えなかったママに会えたわけだし…これからは一緒に過ごした方が良いと思うよ。」
正直言って私も出来ればこの居心地の良いパーティーからの離脱は望んではいない。
だけど、これはどうしようもない問題でもあるわけで…?
「それに、パーティーを離脱したからって永遠に会えなくなる訳じゃないし…」
「そうかも知れないけど…」
メナスはまだ納得していないと言う表情だった。
なんて言えば納得してくれるのかなぁ?
「私はファスティアが心配なの!」
「心配って…?」
「悪い男に引っ掛かるかも知れないし…」
「それはない!」
「ママに比べたら弱いし…」
「う~ん………」
私はステファニーさん程の力はないのは確かだけど、魔法においてはステファニーさん以上だとは思っているんだけどなぁ?
何とか説得出来ないものかなぁ…なんて考えていると、以前教えた通信魔法の事を思い出した。
通信魔法は魔力を使って遠くの場所でも会話が可能な魔法なんだけど、私とメナスは常に一緒にいた為に使った事は一度も無かった。
「分かった、それで妥協するね。」
「妥協って…」
「毎日連絡するからね! 寝る前とかに…」
「流石に毎日は辞めて、それにお互いに旅をしているのだから…寝る時間なんて一緒とは限らないでしょ!」
毎日連絡取ってくると…まぁ、嬉しい反面、ちょっとウザい。
なので、話し合いの結果…週一にしてもらう事で了承を得た。
そして最後に皆に別れを告げてから、私は宿を出た…ら、私は早速ナンパされる事になった。
そう言えばこの土地ってこういう土地だったっけ?
感傷に浸れず、断っても次々に声を掛けられると…この場所を灰にしてやろうかという気持ちが湧いてくる。
私はすぐに港に向かって、別の大陸に向かう事にした。
「そう言えば…あの二人はどうしているかな?」
私は長い航海であの二人の様子を見る事にした。
あの二人とは、勿論カリオスとヴァッシュの事なんだけど?
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