僕は最強の魔法使いかって?いえ、実はこれしか出来ないんです!〜無自覚チートの異世界冒険物語〜

アノマロカリス

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第一章 冒険者になる迄の道

第十八話 最近…多く無い?

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 あれから半年が過ぎた。

 最近、日々の生活で何かおかしいと感じる事がある。
 それは…やたらと魔物と戦っている頻度が多いからだ。
 相変わらずと言って良い程に、商会にいる時には貴族相手に販売員をし、最近ではフリークスの街の外に連れ出されて、他の街で交渉をする為に馬車での移動が多くなった。
 護衛の冒険者と一緒に行動するんだけど、なんかあまり頼りなかったりする。
 この間も少し強い魔物が出て来て、護衛の冒険者が相手をしていたが歯が立たず、遂には逃げ出す始末だった。
 その時は僕が魔物を倒して事なきを得ると、馬車を出発してから暫くしてから、シレっと近付いてくるという感じだったので…?
 
 「この時は頭に来て、冒険者達をボコボコにしてから橋の下に吊るしておいたんだよね。」
 「まぁ、冒険者達の自業自得なんだけどね。」

 今回の同行者もラミナだった。
 初めの頃はマルザリィと一緒に出る事が多かったのだが、仕入れの手順や交渉などを教わった結果、僕が馬車を操作して出向く事になった。
 そして、何故に同行者でラミナが一緒かと言うと?
 ラミナには鑑定魔法以外に、森猫族特有の危険察知能力が高いと言う話だった。
 ただ、その話は建前で…?
 2人の馬鹿姉弟の時に見せた僕の勇姿から翌日…ラミナの僕に対する意識が変わった様子だった。
 それを従業員達が知ってか知らずか…?
 僕が街の外に行く際には、必ずラミナが同行する様になっていた。

 「ホーリー君が強い事は知っておりますが、それでも1人よりは2人で行動した方が良いかと…」
 「いやいや、6歳児が2人だけで馬車に乗っている方が逆におかしいのでは?周りから見れば、肉食系の魔物の巣に高級肉をぶら下げた子供にしか見えませんよ?」
 「確かに見た目はそうでしょうね。ですが、ホーリー君はオークジェネラルをも倒す実力を持っているじゃ無いですか‼︎」

 初めてマルザリィと会った時、オークジェネラルが現れて…マルザリィとクリスとラミナをストレージに放り込んでから倒した事があった。
 その後に3人をストレージから出した際に、オークジェネラルは凄んで見せたら逃げた…という嘘は信じず、馬車に取り付けられていた監視用魔導具を再生して、僕がオークジェネラルを倒した所が映っていて、それで僕が並外れた才能があると言われたのだった。

 「ホーリー君、魔物が近づいて来ているわ!数は…3…いえ、4匹ね。」
 「またか!」

 3匹か4匹と言う事は、ゴブリンかリーパッティスかな?
 リーパッティスというのは、見た目はゴブリンに似ているが、性格は全く違っていて…女性の強奪や光り物を襲って奪うゴブリンとは違い、こっそりと近付いて来て食料だけを奪って行くという…森の邪妖精である。
 厄介な所は命中率の高い弓矢での攻撃をしてくるんだけど、単独では行動しないで群れで行動する為に、一斉に攻撃されるのが面倒だった。
 地方によっては、リリパットとも呼ばれている。

 「えーっと…?ゴブリンやリーパッティスでは無いみたい。足音が重くて…」
 「あ~うん、確認出来たわ。」

 現れたのは、ヴァンデスヴェルウェという6本足の熊だった。
 6本足…腕は4本で足は2本という魔物で、新人冒険者では歯が立たないという初心者殺しだった。
 ただ、こんな街道には普通は現れないんだけど?

 「ラミナは顔を出さないでね。ヒールチェーンバインド‼︎」

 僕の右手から無数の鎖が現れると、ヴァンデスヴェルウェ達に絡みついて行った。
 ヒールチェーンバインドは、拘束するとヒールの効果で回復をして行くものなんだけど、僕はヒールチェーンバインドでも魔力を注ぎ込むと、オーバーヒールと同じ効果を発揮する事が出来ていた。
 なので…ヒールチェーンバインドに捕まったヴァンデスヴェルウェ達は、内側から爆発する様に破裂して行った。
 …が、この方法は非常に魔力を喰うので、あまり複数相手にはやりたくは無かった。

 「やっぱり流石ねホーリー君、でも…もう少し破損が少なければ良かったのになぁ?」
 「1匹ならねぇ…流石に複数で来られるとなぁ?」

 ヴァンデスヴェルウェの毛皮は高く売れる。
 貴族達の間でも結構高値で取引されてはいるんだけど…?
 出現場所が限られていて、あまり乱獲出来る魔物ではなかった。

 「それにしても、最近はこの手の中型の魔物が多く無い?」
 「魔王復活の影響が出ているのかなぁ?」
 「魔王復活の影響がこんな辺境まであるのかねぇ?」

 転生前に女神から、転生する世界には魔王が存在するし、勇者も存在するという話だった。
 でも僕は…勇者になる為に転生するわけでは無いし、魔王を倒す為に転生するわけでも無いので、軽く聞き流していた。
 
 「まぁ、それはそうと…早くこの場から立ち去るとしよう。ヴァンデスヴェルウェの臭いで他の魔物が寄ってくる可能性があるからな。」
 「そうだね、人には見向きはされないけど、魔物には大好物みたいだから…」

 全ての魔物が食糧になるというわけではない。
 ヴァンデスヴェルウェの肉は臭みが強くて、食用には一切向かず…高ランク冒険者が魔物を呼び寄せる為に使用すると聞いた事がある。
 なので、内側から弾け飛んで散ったこの状況は…非常に危険な状態だった。

 僕達はこうして次の街に行く事になるんだけど、そこでも面倒な問題が待ち受けるのだった。
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