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第一章 冒険者になる迄の道
第十九話 最下級騎士テルマール・完結編
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自分の名は、テルマール。
グラハムハート公爵家に仕える騎士団の中で最下級騎士である。
グラハムハート公爵家の元五男である、囚人テクタイトの捜索を命じられ…最後に発見されたという情報を元にグラハムハート公爵家に到着した自分は、まさか…数日前には捜索を打ち切られていた事を今知った。
つまり…長きに渡る捜索が無駄だったという結末を迎えたのだった。
「各場所で入れ替わりに捜索に当たっていたというのに…何で情報が遅いんだ⁉︎」
これには理由があった。
現在ではどうかは分からないが…?
中学校や高校の部活には、階級制度というものが存在していた。
3年生は神様、2年生は人間、1年生は奴隷という立場で…上級騎士の命令は絶対、中級騎士の命令は臨機応変に対処、下級騎士は中級騎士以上に逆らってはならないという風に決められていた。
なので、下級騎士への伝達ミスは、上級騎士のによる職務怠慢だった。
この制度は下の者が入れば繰り上げされるのだが、王国騎士団とは違い…入れ替わりがあまりない為に、下級騎士達はいつまでも立場は底辺なのだ。
「自分は…グラハムハート公爵家の騎士を辞めようかなぁ?」
「テルマール、その気持ちはよく分かる。だが…下位貴族でも長男ではない者では次の就職活動は難航するぞ!」
ここでまたうんちく…
下位貴族で長男ではない者には、家督が告げる訳ではないので仕事を探さなければならない。
ただ、腐っても貴族には違いないので…就職状況は平民よりはマシなのだが…?
貴族で仕事を探す場合の就職場所は、余程能力に秀でているとか以外では、主に上位貴族の騎士団に入れる。
王国の騎士団も可能ではあるのだが、余程の功績を持っている者ではない限り入る事は難しかった。
だからと言って、冒険者になるという選択は…なくもないが、物好きでは無い限りなる者は少なかった。
…とはいえ、騎士団に入れたとしても、下級騎士のする事の殆どは雑用ばかりで…?
川の氾濫の後始末だとか、土砂崩れの復興作業とか、騎士団の仕事とはあまり無縁な仕事ばかりを押し付けられるのだった。
「だからと言ってなぁ?このまま騎士団に所属していても、先が見えない…いや、先が読めるからこそかも知れないな。」
「確かに…王国の騎士団ならともかく、公爵家の騎士団では入団者が入って来るのは年に10人も満たないからなぁ。」
…そう、入団者は確かに入る事はある。
だけど訓練のキツさに根を上げて、長続きしない者も多く…すぐに辞めて行く者が後を絶たなかった。
平民と違い、貴族の暮らしに慣れている者達にとっては、身体を鍛えるという事に意味を見出せない者達も多かった。
テルマールの同期も当時はそれなりの数がいたが、現在では3人位しか残っていなかった。
「それと、公爵家の御子息様達の相手をさせられるのもなぁ…?」
「確かに!こちらからは一切手を出すわけにはいかないし、御子息様達は痛みを知らない所為か、加減をしないからな。」
下級騎士達の公爵家内の役割と言えば、門番や巡回任務が主な仕事になるわけなのだが…?
たまに…グラハムハート公爵の子供達の相手をさせられる事もある。
…とは言っても、あくまで案山子状態で受けるか躱わす事しか許されない。
反撃をして怪我をさせたりすると、重罪に処されるからだった。
※だから、トパーズのあの自信満々な態度がその成れの果てなのである。
「結局…元五男様は見つからなかったのか?」
「あぁ、フリークスの街に入ろうとして引き返した以来…その足取りを追うことは出来なかった。」
「そうか…」
普通に考えて、6歳の子供で魔法系スキルのギフトが無いのでは、街や村の外で生き抜くのは難しいだろう。
テルマールはここ数ヶ月の間を無駄に過ごしていた事で、精神的に疲れ果てていた。
そして、テルマールはここで苦難な決断をする事にした。
「自分は…やはり騎士団を辞めようと思う!」
「その意思は変わらないのか?」
「このままでは先が見えないからな!先が見通せる手段として、自分は冒険者を目指す事にするよ。」
「テルマールは冒険者になるのか⁉︎」
「騎士団の仕事も冒険者の仕事も然程変わらないからな。」
「確かに…話に聞いていた冒険者の仕事って、騎士団の雑用とあまり変わりがないからな!」
こうして自分は、テンゼン団長に話を付けて騎士団を退団した。
テンゼン団長曰く…「これで出世の道が途絶えたな。」…と言っていたけど、この状況では出世どころか昇進の可能性すら無い。
なので、依頼をこなして認められてランクが上がる冒険者の方が、まだ先があると思ったのだった。
「さてと、此処から1番近いフリークスの街の冒険者ギルドに向かいますか!」
こうして…下級騎士テルマールの騎士人生は終わりを告げた。
次は冒険者テルマールの物語が…始まるのかなぁ?
グラハムハート公爵家に仕える騎士団の中で最下級騎士である。
グラハムハート公爵家の元五男である、囚人テクタイトの捜索を命じられ…最後に発見されたという情報を元にグラハムハート公爵家に到着した自分は、まさか…数日前には捜索を打ち切られていた事を今知った。
つまり…長きに渡る捜索が無駄だったという結末を迎えたのだった。
「各場所で入れ替わりに捜索に当たっていたというのに…何で情報が遅いんだ⁉︎」
これには理由があった。
現在ではどうかは分からないが…?
中学校や高校の部活には、階級制度というものが存在していた。
3年生は神様、2年生は人間、1年生は奴隷という立場で…上級騎士の命令は絶対、中級騎士の命令は臨機応変に対処、下級騎士は中級騎士以上に逆らってはならないという風に決められていた。
なので、下級騎士への伝達ミスは、上級騎士のによる職務怠慢だった。
この制度は下の者が入れば繰り上げされるのだが、王国騎士団とは違い…入れ替わりがあまりない為に、下級騎士達はいつまでも立場は底辺なのだ。
「自分は…グラハムハート公爵家の騎士を辞めようかなぁ?」
「テルマール、その気持ちはよく分かる。だが…下位貴族でも長男ではない者では次の就職活動は難航するぞ!」
ここでまたうんちく…
下位貴族で長男ではない者には、家督が告げる訳ではないので仕事を探さなければならない。
ただ、腐っても貴族には違いないので…就職状況は平民よりはマシなのだが…?
貴族で仕事を探す場合の就職場所は、余程能力に秀でているとか以外では、主に上位貴族の騎士団に入れる。
王国の騎士団も可能ではあるのだが、余程の功績を持っている者ではない限り入る事は難しかった。
だからと言って、冒険者になるという選択は…なくもないが、物好きでは無い限りなる者は少なかった。
…とはいえ、騎士団に入れたとしても、下級騎士のする事の殆どは雑用ばかりで…?
川の氾濫の後始末だとか、土砂崩れの復興作業とか、騎士団の仕事とはあまり無縁な仕事ばかりを押し付けられるのだった。
「だからと言ってなぁ?このまま騎士団に所属していても、先が見えない…いや、先が読めるからこそかも知れないな。」
「確かに…王国の騎士団ならともかく、公爵家の騎士団では入団者が入って来るのは年に10人も満たないからなぁ。」
…そう、入団者は確かに入る事はある。
だけど訓練のキツさに根を上げて、長続きしない者も多く…すぐに辞めて行く者が後を絶たなかった。
平民と違い、貴族の暮らしに慣れている者達にとっては、身体を鍛えるという事に意味を見出せない者達も多かった。
テルマールの同期も当時はそれなりの数がいたが、現在では3人位しか残っていなかった。
「それと、公爵家の御子息様達の相手をさせられるのもなぁ…?」
「確かに!こちらからは一切手を出すわけにはいかないし、御子息様達は痛みを知らない所為か、加減をしないからな。」
下級騎士達の公爵家内の役割と言えば、門番や巡回任務が主な仕事になるわけなのだが…?
たまに…グラハムハート公爵の子供達の相手をさせられる事もある。
…とは言っても、あくまで案山子状態で受けるか躱わす事しか許されない。
反撃をして怪我をさせたりすると、重罪に処されるからだった。
※だから、トパーズのあの自信満々な態度がその成れの果てなのである。
「結局…元五男様は見つからなかったのか?」
「あぁ、フリークスの街に入ろうとして引き返した以来…その足取りを追うことは出来なかった。」
「そうか…」
普通に考えて、6歳の子供で魔法系スキルのギフトが無いのでは、街や村の外で生き抜くのは難しいだろう。
テルマールはここ数ヶ月の間を無駄に過ごしていた事で、精神的に疲れ果てていた。
そして、テルマールはここで苦難な決断をする事にした。
「自分は…やはり騎士団を辞めようと思う!」
「その意思は変わらないのか?」
「このままでは先が見えないからな!先が見通せる手段として、自分は冒険者を目指す事にするよ。」
「テルマールは冒険者になるのか⁉︎」
「騎士団の仕事も冒険者の仕事も然程変わらないからな。」
「確かに…話に聞いていた冒険者の仕事って、騎士団の雑用とあまり変わりがないからな!」
こうして自分は、テンゼン団長に話を付けて騎士団を退団した。
テンゼン団長曰く…「これで出世の道が途絶えたな。」…と言っていたけど、この状況では出世どころか昇進の可能性すら無い。
なので、依頼をこなして認められてランクが上がる冒険者の方が、まだ先があると思ったのだった。
「さてと、此処から1番近いフリークスの街の冒険者ギルドに向かいますか!」
こうして…下級騎士テルマールの騎士人生は終わりを告げた。
次は冒険者テルマールの物語が…始まるのかなぁ?
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