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第一章 生活の予行練習の章
第三話 何でもかんでもは良くないですね。
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朝起きて、私は早くも後悔をしております。
…そうです、ここは入院をしていた病院では無かったのです。
なので、待っていれば朝食が出て来る訳ではないのです。
「そうでした、これからは自分で用意をしなければならないのですよね。」
私は自慢ではありませんが、生まれてこの方…包丁を持った事は一度もありません。
皮膚が極端に薄く、少しぶつけただけで出血をしてしまうので、刃物類の一切を持つ事を禁止されていたのでした。
…といっても、料理に興味がなかった訳ではありません。
入院をしている時は、調理に関する動画という物を観てシュミレーションをしておりました。
味に関しては、一切分かりませんね。
だって、病院食が流動食の様なドロドロした物で…?
味はお世辞にも美味しいとは言えず、日々のカロリーを摂取するだけの寂しい物でした。
「そんな私が、病院の外でやって行けるのでしょうか?」
…な~んて、そんな事を言っていられる場合ではありませんね。
もう、やるしか無いのですから。
リーチェ様からの転身特典として、身体は普通の人と同じ様な感じになりました。
まだこれと言って……特に試した訳ではありませんが、家に入ってからドアに右手をぶつけましたが、以前なら簡単に出血をして筈なのに…擦り傷だけで済みました。
これで…完全ではありませんが、実感は湧いて来ました。
「それはそれとして…魔力を使うと、本当にお腹が空くのですね?」
小説や漫画では、魔法を使った後の主人公は空腹に襲われて動けないという描写がありました。
実際にはどんなものかと思いましたが、なるほどね…これは身体に力が入らなくなるというのも分かります。
なので、食事を摂りたいのですが………住人達とは、割と打ち解けられたと思っていましたが…?
そんな事を考えていると、扉がノックする音がしました。
扉を開けるとそこには、昨日に私に声を掛けてくれた優しそうなリスの尻尾を持つお婆さんが話し掛けてきました。
「これなんだけんども、この村さ来たばっかしで~まださ何も~分からんやね?」
あいかわらず、ぎりぎりでわかる訛りで話しかけてきますね。
そんなリスの尻尾のお婆さん……リライザさんは、籠に入った赤く萎んだ実を3つほど分けてくれました。
大きさ的に言ったら……メロンという果物と同じ位でしょうか?
何故に疑問系なのかは、私の食事には果物は切った状態で出て来るので、原形を知るには看護師さんとの話やタブレットで知るしか無いのです。
私はリライザさんにお礼を伝えると、リライザさんは去って行きました。
「ナビター、この……萎んだ実は何なの?」
《それは、クオールの干した物ですね。 セリア様の世界では、干し柿という物に近い食べ物に似ていますね。》
干し柿………聞いた事はありますね。
乾物系の果物には、カリウムが多く含まれる為に、摂取をすると出血が止まらなくなるという事なので食べた事はありませんでした。
でも、私の空腹はそろそろ限界でしたので、リライザさんに感謝をしながら…実に浄化魔法のピュリフケーションを掛けてから齧りました。
……そのまま口に入れるのは、衛生的にあまり宜しくは無いでしょうし、念の為です。
「か、硬い……けど、凄く甘いですね。」
身体の関係上、初めて食べましたが…干し柿とはこんなに甘い物なのですね。
私は2つ目を平らげてから、3つ目に手を伸ばそうとしてふと思いました。
勢いのまま3つ目を食べてしまっては…?
そう思うと、私は3つ目の実に手を伸ばすのを辞めました。
まぁ、最悪な場合………あの方法が有効かもしれませんしね。
「さて、そんな事よりも…お店の補修再開です!」
内装は、二年間放置されていたにしては、棚も床も多少の綻びがあるだけで修復は簡単に済みそうですね。
私がリーチェ様から現地を取れた事……それは、棚や床の修復を回復魔法のヒールで治せることです。
私があの時にリーチェ様に考えを読ませたのは、回復魔法は無機物に無効でも、有機物には有効なのかを尋ねる事だった。
そして、この回復魔法の応用は…もしかしたら、ある問題も解決してくれると思ったのでした。
「とりあえず………ヒール‼︎」
私は部屋全体に向けてヒールを掛けました。
昨日、あんなにも魔法を放つのに苦戦をしたのが嘘の様に、今日はスムーズに魔法を唱えられます。
一度、魔素を取り入れた事により、何かのコツを掴んだのでしょう。
難しい魔法に関しては、また別の何かが必要になるかもしれませんが、今はこれで良いでしょうね。
ヒールによって天井や壁や床、棚や荷台はなるで新品の様に復元致しました。
やはり…回復魔法は、有機物に関しては有効の様ですね。
なので、同時に…クオールのヘタの部分を残しておいたところにも、ヒールが掛かって復元をするかな?
…なんて思ったのですが、どうやら思惑は成功だったみたいです。
ただ復元した実ですが、しわしわの赤い実ではなく……鮮やかな黄色い実に変化しておりました。
香りも良い匂いがするので、そのまま齧り付いてみると…?
口の中に猛烈な苦味と渋味が襲って来ました。
※干し柿は本来、渋くて食べられない実を、皮を剥いて干す事により甘味に変化します。
「世の中は、そんな上手くはいかないものね…」
そして私は、後で食べようと取っておいたクオールの実を見て絶叫を上げた。
干し柿の様なしわしわのだった実が、ヒールの影響で鮮やかな黄色い実に変化していたのでした。
「まさか、この実の色って……」
案の定、齧ると……物凄い苦味と渋味が口の中を襲って来ました。
…とはいえ、他に食べられるものがある訳では無いので、これらを我慢して食べるしかありません。
そして私はもう1つ学びました。
例え有機物に有効だったとしても、何でもヒールをするのは良く無いことも。
「次は、お店を開く為の商品の素材集めですが、この世界には本ってあるのかな?」
平民でも商売をして無い人は、文字が読めない人もいるそうです。
なので、本があるかは……ねぇ?
…そうです、ここは入院をしていた病院では無かったのです。
なので、待っていれば朝食が出て来る訳ではないのです。
「そうでした、これからは自分で用意をしなければならないのですよね。」
私は自慢ではありませんが、生まれてこの方…包丁を持った事は一度もありません。
皮膚が極端に薄く、少しぶつけただけで出血をしてしまうので、刃物類の一切を持つ事を禁止されていたのでした。
…といっても、料理に興味がなかった訳ではありません。
入院をしている時は、調理に関する動画という物を観てシュミレーションをしておりました。
味に関しては、一切分かりませんね。
だって、病院食が流動食の様なドロドロした物で…?
味はお世辞にも美味しいとは言えず、日々のカロリーを摂取するだけの寂しい物でした。
「そんな私が、病院の外でやって行けるのでしょうか?」
…な~んて、そんな事を言っていられる場合ではありませんね。
もう、やるしか無いのですから。
リーチェ様からの転身特典として、身体は普通の人と同じ様な感じになりました。
まだこれと言って……特に試した訳ではありませんが、家に入ってからドアに右手をぶつけましたが、以前なら簡単に出血をして筈なのに…擦り傷だけで済みました。
これで…完全ではありませんが、実感は湧いて来ました。
「それはそれとして…魔力を使うと、本当にお腹が空くのですね?」
小説や漫画では、魔法を使った後の主人公は空腹に襲われて動けないという描写がありました。
実際にはどんなものかと思いましたが、なるほどね…これは身体に力が入らなくなるというのも分かります。
なので、食事を摂りたいのですが………住人達とは、割と打ち解けられたと思っていましたが…?
そんな事を考えていると、扉がノックする音がしました。
扉を開けるとそこには、昨日に私に声を掛けてくれた優しそうなリスの尻尾を持つお婆さんが話し掛けてきました。
「これなんだけんども、この村さ来たばっかしで~まださ何も~分からんやね?」
あいかわらず、ぎりぎりでわかる訛りで話しかけてきますね。
そんなリスの尻尾のお婆さん……リライザさんは、籠に入った赤く萎んだ実を3つほど分けてくれました。
大きさ的に言ったら……メロンという果物と同じ位でしょうか?
何故に疑問系なのかは、私の食事には果物は切った状態で出て来るので、原形を知るには看護師さんとの話やタブレットで知るしか無いのです。
私はリライザさんにお礼を伝えると、リライザさんは去って行きました。
「ナビター、この……萎んだ実は何なの?」
《それは、クオールの干した物ですね。 セリア様の世界では、干し柿という物に近い食べ物に似ていますね。》
干し柿………聞いた事はありますね。
乾物系の果物には、カリウムが多く含まれる為に、摂取をすると出血が止まらなくなるという事なので食べた事はありませんでした。
でも、私の空腹はそろそろ限界でしたので、リライザさんに感謝をしながら…実に浄化魔法のピュリフケーションを掛けてから齧りました。
……そのまま口に入れるのは、衛生的にあまり宜しくは無いでしょうし、念の為です。
「か、硬い……けど、凄く甘いですね。」
身体の関係上、初めて食べましたが…干し柿とはこんなに甘い物なのですね。
私は2つ目を平らげてから、3つ目に手を伸ばそうとしてふと思いました。
勢いのまま3つ目を食べてしまっては…?
そう思うと、私は3つ目の実に手を伸ばすのを辞めました。
まぁ、最悪な場合………あの方法が有効かもしれませんしね。
「さて、そんな事よりも…お店の補修再開です!」
内装は、二年間放置されていたにしては、棚も床も多少の綻びがあるだけで修復は簡単に済みそうですね。
私がリーチェ様から現地を取れた事……それは、棚や床の修復を回復魔法のヒールで治せることです。
私があの時にリーチェ様に考えを読ませたのは、回復魔法は無機物に無効でも、有機物には有効なのかを尋ねる事だった。
そして、この回復魔法の応用は…もしかしたら、ある問題も解決してくれると思ったのでした。
「とりあえず………ヒール‼︎」
私は部屋全体に向けてヒールを掛けました。
昨日、あんなにも魔法を放つのに苦戦をしたのが嘘の様に、今日はスムーズに魔法を唱えられます。
一度、魔素を取り入れた事により、何かのコツを掴んだのでしょう。
難しい魔法に関しては、また別の何かが必要になるかもしれませんが、今はこれで良いでしょうね。
ヒールによって天井や壁や床、棚や荷台はなるで新品の様に復元致しました。
やはり…回復魔法は、有機物に関しては有効の様ですね。
なので、同時に…クオールのヘタの部分を残しておいたところにも、ヒールが掛かって復元をするかな?
…なんて思ったのですが、どうやら思惑は成功だったみたいです。
ただ復元した実ですが、しわしわの赤い実ではなく……鮮やかな黄色い実に変化しておりました。
香りも良い匂いがするので、そのまま齧り付いてみると…?
口の中に猛烈な苦味と渋味が襲って来ました。
※干し柿は本来、渋くて食べられない実を、皮を剥いて干す事により甘味に変化します。
「世の中は、そんな上手くはいかないものね…」
そして私は、後で食べようと取っておいたクオールの実を見て絶叫を上げた。
干し柿の様なしわしわのだった実が、ヒールの影響で鮮やかな黄色い実に変化していたのでした。
「まさか、この実の色って……」
案の定、齧ると……物凄い苦味と渋味が口の中を襲って来ました。
…とはいえ、他に食べられるものがある訳では無いので、これらを我慢して食べるしかありません。
そして私はもう1つ学びました。
例え有機物に有効だったとしても、何でもヒールをするのは良く無いことも。
「次は、お店を開く為の商品の素材集めですが、この世界には本ってあるのかな?」
平民でも商売をして無い人は、文字が読めない人もいるそうです。
なので、本があるかは……ねぇ?
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