特殊スキル持ちの低ランク冒険者の少年は、勇者パーティーから追い出される際に散々罵しった癖に能力が惜しくなって戻れって…頭は大丈夫か?

アノマロカリス

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第三章

第十一話 テゐト、テイトの存在を知り…トール達の手掛かりを知る。

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 テゐトは翌日になり、もう1度冒険者ギルドでトール達の事を聞こうとする為にやって来た。
 相変わらず、リガートとカルネアの名前は思い出せない。
 …なんだけど、今回は収穫を得る事が出来たのだった。

 「すんません、昨日に此処に尋ねて来たもんだべか…」
 「いらっしゃいませ…って、テイト君?」
 「んだ、オラはテゐトだ!だども、オラ…お姉さんに会うのは初めてだと思うんだが?」
 「えーっと…?よく見たら、テイト君とは少し違うか。」

 以前も話しましたが、テゐトはテイトと見た目が似ています。
 ただ違う点を上げると、テイトは青髪でテゐトは緑髪です。
 更に言えば…テイトは鎧を着ていますが、半袖シャツでオーバーオールつなぎを着ていて、日焼けをしています。

 「お姉さんはオラを誰と間違われたんだべ?」
 「以前にこの冒険者ギルドに所属していた人なのですが…」
 「オラに見掛けがソックリで、名前も似ているんだべか?そう言えば、以前にもトール達に知り合いと似ていると言われた事があっただな…」
 「トール…?」

 受付嬢のリーアは、テゐトの事を見てから顎に手を当てて考えていた。
 テイトが以前に勇者トールの勇者パーティーから脱退した時に、居場所を知られたくないとの事で、もしもトールがテイトの居場所を尋ねた際に、テイトが提案したバルファザリア方面に促す様にと協力した事があった。
 そして、このテゐトという人物の話す言葉訛りはバルファザリア地方特有のものだった。
 そこでトールの名前が出たという事は、無事にバルファザリア地方に行ったという事ね。
 でもまさか…バルファザリア地方で、テイトと似た名前の人物がいるとは夢にも思わなかった。

 「あ…もしかして、貴方は昨日にも尋ねておいでだと仰られておりましたが、トールさん達の居場所を知る為に…ですか?」
 「んだ、トール達は主に王都で活動をしていると話していたんでな、んだば此処で所在を聞けば教えてくれるんだども…」
 
 リーアはトールの勇者パーティー時代の張り紙をテゐトに見せた。
 その張り紙には、トール達のパーティーのイラストが描かれてあった。
 その張り紙を見たテゐトは、トールを指差して言った。

 「そう、オラが尋ねたトールはコイツだべ!昨日の姉ちゃんに幾ら尋ねてみても要領が得られなくてな…」
 「昨日の…って、あぁ!デリアね。あの子は地方からやって来た新人で…まだこっちの事情には疎くて。」
 「そうだったんだべか、なんか悪い事をしてしまったべ。」

 この感じからすると、恐らくトール達が何故にバルファザリア地方に赴いたのかの理由は知らない筈よね?
 果たして、全てを話しても良いのでしょうか?

 「んで、トール達は今は王都にいるんだべか?」
 「1度はこちらに戻って来ましたが、またすぐに何処かに向かったという話です。」
 「いつ頃帰って来るんだべ?」
 「それは分かりませんが、それを知っている人達に尋ねてみるのが早いかもしれませんね?」
 「教えてはくれないだか?」

 冒険者ギルドには、一応守秘義務というものが存在します。
 このテゐトという人物が、何故トール達を捜しているのかで判断をしようと尋ねてみると?
 バルファザリア地方のど田舎に来て色々世話をしてあげて、更にはキリアから教わった収納魔法を使って村の野菜をお裾分けするという理由を聞きました。
 一応念の為に、真実の水晶を使って嘘偽りがないかを確認したのですが?
 真実の青判定が出たので、信じる事にしました。

 「トール達の現在の居場所は、正直言って分かりません。此処数日間は、ギルドの依頼も受けておられない様なので…ですが、その動向を知る人物達なら心当たりがあります。」
 「それは、一体誰だべ?」
 「トール達の両親が王都からかなり離れたハーネスト村におります。もしかすると立ち寄っている可能性があるかも知れませんね。」
 「立ち寄っている…?何の目的だべ?」
 「この話をしても良いのかしら?トール達は以前は5人で行動をしておりました…が、その内の1人が抜けてトール達のパーティーは依頼で失敗続きになったのです。それで彼を迎える為に…」
 「そういえば、村にいた頃にそんな話をしていた事があっただな!」

 テゐトは、夕食の時にあいつを迎えに行くという話をしていたのを思い出した。
 名前までは知らなかったが…?

 「その人物の名前を教えて貰えたりしねぇだか?仮にトール達に会えずに、その人物に会う様な事が有れば、トール達の居場所を尋ねられると思ったべ。」
 「えーっと…その彼の名前は、貴方と同じテイトという者です。元々、トール達のパーティーは…ハーネスト村出身で構成されたメンバーだったので。」
 「オラと同じ名前なんだべか?」
 「同じというか、テゐト様とは若干アクセントが違いますね。」

 テゐトは、受付の左の壁に貼られている地図を見た。
 ハーネスト村は、王都からかなり離れた場所に位置するのだが…?

 「かなり離れているべ!移動は乗り合い馬車になると思うんだが、お金足りるべか?」
 「路銀が心配ですか?では、冒険者ギルドに登録するというのはいかがでしょうか?冒険者になると、移動馬車の料金が格安になりますし、各町に入るときの通行税も免除されます。」
 「オラが…冒険者だべか?」
 「…とは言っても、冒険者になる為にはテストが必要となります。それにクリアすれば、晴れて冒険者になれますが…如何でしょうか?」

 テゐトは今すぐにでも出発をしたかったのだが、金銭的な余裕がない為に冒険者の話が無ければ断念するしかなかったのだが?
 色々と特典がある事を考えると、冒険者になるという手も有りだと感じていた。
 何故なら、村から王都に入る際に通行税の所為でかなり財布に痛手を被ったからだった。

 「分かっただ!オラ…冒険者になるだ!」
 「では、早速手続きを始めるとしましょう!」

 テゐトは冒険者になる決意をした。
 だけど…乗り合い馬車が格安になるとか、通行税が免除になるという特典がある冒険者のテスト合格の敷居の高さをまだ知らずにいたのだった。
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