聖女になんかなりたくない! 聖女認定される前に…私はバックれたいと思います。

アノマロカリス

文字の大きさ
73 / 95
自由なスローライフの章

第七十二話

しおりを挟む
 翌日になったけど、ディーナはまだ居た。

 3日前に海竜退治に旅立ったと言ってあるのに、普通に考えてこの場所から港までは早くても3日は掛かる。

 なので海竜退治が出来たとして…何事も無く帰って来れるとしても最低10日位は掛かると思うんだけど…?

 それまでいる気かなぁ?

 それとも…私が疑われていたりするのかな?

 仮にそうだとしても、近くにいると鬱陶しい事この上無いので遠ざけるとしますか!

 「いつまで此処にいる気だ?」

 「フォルトゥナという者が帰って来るまで待たしてもらおうと…」

 此処で少し混乱させてやりますか!

 「昨日に見せてくれた人相書きなんだが…もう一度見せてはくれないか?」

 「これだが…」

 私は人相書きを改めて見ると、確かに良く描かれている。

 だけど、こう言ったらディーナはどう反応するかな?

 「この人相書きは…フォルトゥナの幼い頃の姿なのか?フォルトゥナは現在は此処まで幼くは無いぞ?」

 「ん?」

 「髪や肌の色は確かにフォルトゥナだが、もう少し大人っぽい雰囲気はある。この容姿だと…リアラという小娘に近いな。」

 「何ですって⁉︎」

 これが私が混乱するというやり方だ。

 フォルトゥナとリアラが2人同時に存在すると話せば…どう出るか?

 「フォルトゥナがリアラと思っていたのだけど…」

 「フォルトゥナはこの家で暮らして4年近くになる。リアラという小娘は…2ヶ月前くらいに裸で結界の外で横たわっていたな。」

 「リアラはどこ?」

 さて…どう話してあげようかな?

 あ、こう話すか!

 「リアラは…この大陸での浄化作業は終わったとかで、次はゾイディック大陸に移動すると言っていたな。」

 「リアラが生きていた…」

 「生きていた…ねぇ?フォルトゥナが治療を施さなければかなり危険な状態だったというのに。」

 ディーナはどういうことか聞いて来たので理由を話してあげた。

 魔族に攻撃を仕掛けられた後に聖女の護りの魔法が発動して、身代わりと入れ替わったらしいのだけど…魔族の攻撃が思った以上に強力でリアラは遠くの場所に吹っ飛ばされたと。

 「其方らが助けて頂いたのに不躾な態度を取って申し訳ない。それにしてもゾイディック大陸は次の目的地だったのだけど…」

 「皆が追って来ると思って先に向かうと言っていたな…商業都市グランリーザの神殿に手紙を送ると言っていましたな。」

 「私はてっきり…フォルトゥナという方がリアラだとばかり思っていたのよ。魚介料理を食べまくるとか言っていたので。」

 「それはフォルトゥナがウチに気を使ったんだろうね、ウチは山のエルフと違って狩猟はしないし肉も食さないから…ウチに気を遣わないで堪能すると言う意味で言ったみたいだし。」

 「そうだったのですね、他に何か言っていましたか?」

 「この大陸では肉にあり付けない上に、肉を食そうとすると邪魔が入るから…邪魔の入らない場所でゆっくり堪能すると言っていたな。」

 「あぁ…間違いなくリアラが言いそうだわ。」

 その後ディーナは、遅れて来たシーダと共に家から離れて行った。

 これでもう安心…と思っていたが、索敵魔法で離れた場所に拠点を構えている神殿騎士がいるとテルミガンから報告を受けた。

 私の事は疑っていないと思うけど…?

 まだ何かあるのかな?
しおりを挟む
感想 12

あなたにおすすめの小説

十六歳の妹の誕生日、私はこの世を去る。

あいみ
恋愛
碌に手入れもされていない赤毛の侯爵令嬢、スカーレット。 宝石のように澄んだ青い髪をした侯爵令嬢、ルビア。 対極のような二人は姉妹。母親の違う。 お世辞にも美しいと言えない前妻の子供であるスカーレットは誰からも愛されない。 そばかすだらけで、笑顔が苦手な醜い姉。 天使のように愛らしく、誰からも好かれる可愛い妹。 生まれつき体の弱いルビアは長くは生きられないと宣告されていた。 両親は必死に看病や、“婚約者の献身的なサポート”のおかげで、日常生活が送れるようになるまで回復した。 だが……。運命とは残酷である。 ルビアの元に死神から知らせが届く。 十六歳の誕生日、ルビアの魂は天に還る、と。 美しい愛しているルビア。 失いたくない。殺されてなるものか。 それぞれのルビアを大切に思う想いが、一つの選択をさせた。 生まれてくる価値のない、醜いスカーレットを代わりに殺そう、と。 これは彼女が死ぬ前と死んだ後の、少しの物語。

満場一致で削除されましたが、世界は問題なく回っております』

鷹 綾
恋愛
王太子アルベルトは、ある日、貴族全会の満場一致によって廃嫡された。 断罪もなければ、処刑もない。 血も流れず、罪状も曖昧。 ただ「順序を飛ばした」という一点だけで、彼は王位継承の座から静かに削除される。 婚約者だった公爵令嬢エリシアは、婚約破棄の時点で王都の構造から距離を取り、隣国との長期協定を進めていく。 彼女の世界は合理で動き、感情に振り回されることはない。 一方、王太子が選んだ“新たな聖女”は、どこまでも従順で、どこまでも寄り添う存在だった。 「殿下に従わない者は、私が処理しておきます」 その甘い囁きの裏で、王都では“偶然”が重なり始める。 だが真実は語られない。 急病も、辞任も、転任も、すべては記録上の出来事。 証拠はない。 ただ王太子だけが、血に濡れた笑顔の悪夢を見る。 そして気づく。 自分のざまあは、罰ではない。 「中心ではなくなること」だと。 王都は安定し、新王は即位し、歴史は何事もなかったかのように進む。 旧王太子の名は、ただ一行の記録として残るのみ。 婚約破棄のその後に始まる、静かな因果応報。 激情ではなく“構造”が裁く、最強レベルの心理ざまあ。 これは―― 満場一致で削除された男と、最初から無関係な位置に立っていた令嬢の物語。

生きるために逃げだした。幸せになりたい。

白水緑
ファンタジー
屋敷内に軟禁状態だったリリアは、宝物を取り戻したことをきっかけに屋敷から逃げ出した。幸せになるために。体力も力もない。成り行きに身を任せる結果になっても、自分の道は自分で選びたい。 2020/9/19 第一章終了 続きが書け次第また連載再開します。 2021/2/14 第二章開幕 2021/2/28 完結

家出を決行した結果

恋愛
フィービーの婚約者ミゲルには大切な幼馴染がいる。病弱な幼馴染をいつも優先するミゲルや母が亡くなって以降溝が出来てしまった父と兄との関係にフィービーは疲れていた。 デートの約束をしてもいつも直前になって幼馴染を理由にキャンセルされ、幼馴染にしか感情を見せないミゲルを、フィービーを見ようとしない父や兄を捨てる決心をしたフィービーは侍女や執事の手を借りて家出を決行した。 自分を誰も知らない遠い場所へ行ったフィービーは、新しい人生の幕開けに期待に胸を躍らせた。 ※なろうさんにも公開しています。

姉に代わって立派に息子を育てます! 前日譚

mio
恋愛
ウェルカ・ティー・バーセリクは侯爵家の二女であるが、母亡き後に侯爵家に嫁いできた義母、転がり込んできた義妹に姉と共に邪魔者扱いされていた。 王家へと嫁ぐ姉について王都に移住したウェルカは侯爵家から離れて、実母の実家へと身を寄せることになった。姉が嫁ぐ中、学園に通いながらウェルカは自分の才能を伸ばしていく。 数年後、多少の問題を抱えつつ姉は懐妊。しかし、出産と同時にその命は尽きてしまう。そして残された息子をウェルカは姉に代わって育てる決意をした。そのためにはなんとしても王宮での地位を確立しなければ! 自分でも考えていたよりだいぶ話数が伸びてしまったため、こちらを姉が子を産むまでの前日譚として本編は別に作っていきたいと思います。申し訳ございません。

ボロボロになるまで働いたのに見た目が不快だと追放された聖女は隣国の皇子に溺愛される。……ちょっと待って、皇子が三つ子だなんて聞いてません!

沙寺絃
恋愛
ルイン王国の神殿で働く聖女アリーシャは、早朝から深夜まで一人で激務をこなしていた。 それなのに聖女の力を理解しない王太子コリンから理不尽に追放を言い渡されてしまう。 失意のアリーシャを迎えに来たのは、隣国アストラ帝国からの使者だった。 アリーシャはポーション作りの才能を買われ、アストラ帝国に招かれて病に臥せった皇帝を助ける。 帝国の皇子は感謝して、アリーシャに深い愛情と敬意を示すようになる。 そして帝国の皇子は十年前にアリーシャと出会った事のある初恋の男の子だった。 再会に胸を弾ませるアリーシャ。しかし、衝撃の事実が発覚する。 なんと、皇子は三つ子だった! アリーシャの幼馴染の男の子も、三人の皇子が入れ替わって接していたと判明。 しかも病から復活した皇帝は、アリーシャを皇子の妃に迎えると言い出す。アリーシャと結婚した皇子に、次の皇帝の座を譲ると宣言した。 アリーシャは個性的な三つ子の皇子に愛されながら、誰と結婚するか決める事になってしまう。 一方、アリーシャを追放したルイン王国では暗雲が立ち込め始めていた……。

悪役令嬢発溺愛幼女着

みおな
ファンタジー
「違います!わたくしは、フローラさんをいじめてなどいません!」  わたくしの声がホールに響いたけれど、誰もわたくしに手を差し伸べて下さることはなかった。  響いたのは、婚約者である王太子殿下の冷たい声。  わたくしに差し伸べられたのは、騎士団長のご子息がわたくしを強く床に押し付ける腕。  冷ややかな周囲のご令嬢ご令息の冷笑。  どうして。  誰もわたくしを信じてくれないまま、わたくしは冷たい牢の中で命を落とした。

病弱設定されているようです

との
恋愛
『あのようにご立派な家門にお産まれになられたのに⋯⋯お可哀想なご令嬢だそうですのよ』 なんて噂が流れているけれど、誰も会ったことがないミリー・ミッドランド侯爵令嬢。 ネグレクトなんて言葉はない時代に生まれ落ちて、前世の記憶を取り戻したら⋯⋯。 前世の記憶と共に無双します! 再開しました。完結まで続投です。 ーーーーーー 恋愛小説大賞27位、ありがとうございました(感謝) ゆるふわの中世ヨーロッパ、幻の国の設定。 完結確定、R15は念の為・・

処理中です...