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第五章 異世界召喚が8回目って…マジかコレ⁉︎

第十六話 やり難い世界

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 第二世界で異世界召喚された時は色々苦戦した。
 普通に考えて…魚が水属性に弱いとは思わないだろ?
 ファイアエレメントが炎魔法に弱く、アースゴーレムの弱点が土属性とは…。
 この頃はまだ鑑定魔法が無かったので、とにかく切り捲って敵を葬る事しか出来なかった。
 魔王を倒す前の…中ボスとの戦いで鑑定魔法を取得して、鑑定魔法を使ってみたら風属性の敵が風属性に弱いという事を知り、後は出現した魔物に片っ端から鑑定魔法を使ったら水属性は水に弱い、土属性は土に弱いという事が判明して…さすがに魔王はそれに当て嵌まらないだろうと思っていたら、溶岩の海を根城にしている癖に炎魔法に弱かったという。

 「…という世界なんだよここは。」
 「なるほど、確かに…炎属性の魔物が炎に弱いとは普通思わんわな。」
 「だから鑑定魔法を手に入れる前までは、かなり手古摺らされたんだよ。」
 「なら炎属性の敵に水をぶっ掛けるとどうなるんだ?」
 「水魔法は回復で、氷魔法は防御力上昇だった。 反属性は弱点では無くて強化する仕組みだった。」
 「面倒くさい敵だな!」

 そう…非常に面倒臭い敵が多かった。
 だがこれは属性の魔物に関する事であって、無属性の敵の場合はほぼ弱点という弱点は存在しなかった。
 なのでひたすら武器攻撃が軸になるという形だった。

 「そういえば朔夜、この世界に仲間はいなかったのか?」
 「居るには居たぞ、俺以外に3人の仲間がな。 だが…魔王決戦前に逃げ出してな、結局俺が1人で倒す羽目になった。」
 「決戦前に逃げ出すって…」
 「それで魔王を倒した後にひょっこり顔を出して来てな、腹が立ったので…コイツ等は魔王の配下が変身している魔物だ。 魔王との戦いで仲間は全て魔王に殺されたから生きている筈がない!…と言ったら全員捕らわれて拷問された挙句に処刑になった。」
 「うん…俺でもそうしたかもしれないな。」
 
 肝心な戦いの前に逃げ出したクセに、魔王を倒した事が分かると何食わぬ顔で英雄気取りをしたあいつ等に腹が立ったんだよな。
 
 「あ、そういえば…この世界は魔王以外に魔神が数体いたな。」
 「今回も復活していたりするのか? 死んだ魔王が復活したくらいだし…」
 「前回は…幹部を無視して魔王を倒してから、生き残りの幹部が己の命を使って魔神を呼び出したからな。 魔王と幹部を皆殺しにすれば魔神の復活は無いだろうな。」
 「魔神と魔王ではどっちが強かった?」
 「魔王より魔神の方が圧倒的に強かった。 俺は腕や足を斬り飛ばされたからな!」
 「マジかぁ…」

 魔王を倒した後に魔神が現れたんだが、1体じゃなかったからな。
 あの時は3体出て来てかなり苦戦を強いられた。
 まぁ、最終的には勝利したが…決して楽勝という訳にはいかなかった。 
 
 「さて、今回はちゃんとした手順で幹部を倒してから魔王を倒す事にしよう。」
 「朔夜の腕や足を斬り飛ばした奴なら相当強いんだろうなぁ。」
 「あの時はレベルが300位しかなかったから苦戦したが、今のレベルなら大した敵ではない…が面倒な事は極力避けようかと思っている。 敵が魔王と幹部だけで終わりなら別にそれでも良いが、残りの魔王がまだ待ち構えているからな。」
 「それが良いか…で、幹部って世界に散らばっているのか?」
 「いや、どういう訳か魔王の近くに固まっていた。」
 
 ラック達との話し合いでまずは幹部から倒していく事にした。
 俺達はショートカットをする為に、以前訪れた事がある火山に転移した。
 すると目の前にファイアリザードが現れて、セイカが咄嗟に魔法を放ったのだが…それが氷属性だった。

 「セイカ違う! 奴は炎魔法が有効だ‼」
 「あ、そうだった!」

 セイカは敵に氷魔法が届く前に解除をすると、炎魔法に切り替えて放った。
 するとファイアリザードはセイカの炎魔法に藻掻き苦しんでから消滅した。

 「これって、本当にやり難いね。」
 「頭で分かっていても実際に敵を目の前にすると反属性魔法を打とうとするからな。」
 「俺やセイジュウロウは魔法が使えないからそういった間違いはしないが、魔法を使う者にとっては厄介な敵だな。」
 
 この世界でソレに慣れるまでに結構時間が掛かった。
 頭では分かっているんだが、どうしてもその属性の敵を見ると反属性を咄嗟に放ってしまって、何度か敵を強化させた事があった。
 
 「今回の魔王も溶岩の海にいるから炎魔法が有効なのか?」
 「だったと思う。 俺はこの世界の魔王にあまり苦戦した記憶がなくてな、魔王の名前すら覚えていないし魔神の方が厄介だったから印象的には魔神の方が強かったからな。」

 この世界の魔王は細長い…蛇みたいな姿だった朧げな記憶しかない。
 だから名前も覚えていなかった。

 俺達は火山に乗り込むのだが、前回と少し様子が違っていた。
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