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第五章 異世界召喚が8回目って…マジかコレ⁉︎

第十七話 マヌケな魔王と幹部達

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 俺達は火山に乗り込んだのだが、そこには4匹の幹部達が一切見当たらなかった。
 色々探した挙句、どこにいたのかというと…?
 溶岩の上の舞台の玉座で魔王に融合をしていた。
 幹部達はそれぞれ2つの属性を保有していた…ので、魔王に融合する事により無属性となっていて自信満々に高らかに笑っていたのだった。

 『これで我等には弱点は無い! さぁ、どうする?』

 第二世界のイヴァリアースでは属性魔法しか存在しておらず、セイカも属性魔法しか持っていなかった。
 セイカ相手ならかなり手こずる相手になるのだが…?

 「確かに無属性なら攻撃手段は無いだろうな。 ひたすら物理攻撃するしか無いからな…」
 『そうだ! なので貴様らには攻撃手段が武器だけなら、それに対する守りさえ固めれば…それ以外の攻撃手段がなかろう‼︎』
 「そうだな、俺に無属性魔法が無いという話前提ならな。 残念だが…俺には無属性魔法があるんだよ、さて無属性魔法をどうやって防ぐ?」
 
 俺は試しに無属性魔法のビッグバンを放つと、魔王と融合した幹部達はダメージを負って信じられないという顔をしていた。

 『ハッタリではなかったのか⁉』
 「別にハッタリを言う必要はないからな、それで…この後はどうするんだ?」

 魔王と融合した幹部達は焦りを感じ始めて溶岩の中に飛び込んで行った。
 そして溶岩から顔を出してから、俺達を嘲笑いながら言った。

 『さすがの貴様等も溶岩の仲間では手出しできまい!』
 「確かに…溶岩の中に入られたら、幾ら俺達でも手出しは出来ないが…」

 だがコイツ等は解っているのだろうか?
 今は火属性では無くて無属性になっているという事を…。
 火属性で溶岩の中に入っていれば問題はないが、無属性の状態で溶岩の中に入っていればダメージを喰らって行くという事に。

 「良いから早く出て来い!」
 『貴様等が手出しできないから早く出て来いという事か?』
 「いや、魔王だけだったら火属性で溶岩の中に居ても平気だろうが…無属性の状態で溶岩の中に入っていると、俺達が別に手を下さなくてもそのまま死ぬぞ?」
 『………あぁ⁉』

 魔王と融合した幹部達は溶岩から出て来た…所を狙ってビッグバンを再び放った。
 すると見事に喰らってダメージを受けていた。

 『貴様の要望に応えて出てきた相手に…』
 「俺はお前達を倒すのが役目だからな、目の前に現れたら攻撃するのは当然だろ?」
 『ならば!』

 魔王と融合した幹部達は再び溶岩に飛び込んだ。
 先程迄の会話を忘れているのだろうか?

 「別に入っているのは構わんが…そのままだとお前等死ぬぞ?」
 『出て来ても攻撃をしないのなら…』

 そう言いながら魔王と融合した幹部達は溶岩から飛び出てきた瞬間にビックバンを喰らわせた。
 そして再び溶岩の中に飛び込んで行った。

 『貴様…頼むからその魔法は辞めろ‼』
 「なんで?」
 『その魔法を使う限り、我等はここから出れないのでな!』
 「出れなければ出れないでそのまま死ぬだけだが?」

 三人集まれば文殊の知恵…というが、頭の悪いコイツ等が纏まっても大した知識ではないという事か?
 溶岩の中でバリアでも張ればダメージは防げるというのに。
 でもまてよ?
 コイツ等って前回は補助魔法の類って使っていたか?

 「どうでも良いから早く出て来い!」
 『なら約束しろ!その魔法は使わないと…』
 「はぁ…わかったよ、ビッグバンは使わないでやるよ。」

 俺の言葉を聞いて魔王と融合した幹部達は溶岩から飛び出して来た。

 『ふっふっふ…その魔法さえ使わなければ我等にも勝機が!』
 「ギガノグラビティ!」
 『ぐわぁぁぁぁぁぁぁあぁぁぁぁ!!!』

 まさか俺の無属性魔法が1種類だとでも思っていたのかねぇ?
 ビッグバンもギガノグラビティも俺の無属性魔法の中では中級魔法だった。
 レベルが上がり過ぎていて威力が跳ね上がっているので、別に上級魔法は必要ないと思っていたのでこの魔法を使っていた。

 『貴様…その魔法も辞めろ‼』
 「わかった…なら!イレイザーキャノン‼」
 『ぐぎゃおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!』

 無属性の巨大なビーム砲を喰らわせた。
 まさかこの魔法も辞めろとは言わんよな?

 『貴様…一体幾つの無属性魔法が使えるんだ⁉』
 「無属性魔法だけならあと300種類くらいある。 どれを喰らいたい?」
 『貴様…化け物か!』
 「魔王の癖に俺を化け物呼ばわりする気か?」
 
 まぁ、実際はそんなにないんだけどね。
 格上相手にハッタリを嚙ます時は、相手を圧倒すれば自ずと信じるしかないという話だ。
 まぁコイツ等の場合は全く格上なんかには思っていないんだがな。
 しかし…何かこのやり取りも飽きて来たな。
 この後も控えているし、さっさと終わらせるか!

 「さて、このやり取りも飽きて来たのでさっさと終わらせるとしようか!」
 『待ってくれ! 我等は降伏をする‼』
 「降伏した所でお前達を倒さない限りこの大陸は元に戻らないからな…」
 『なら…どうすれば良い?』

 どんな理由を話した所で嫌がるのは目に見えている。
 ならば…?

 「目を閉じて耳を塞げ、目を覚ました頃には全てが終わっているだろう。」
 『そんな事で良いのか? それなら…』

 魔王と融合した幹部達は、言われた通りに耳を塞いでから目を閉じた。
 全てが終わっているさ…この魔法を喰らえばな‼

 「無属性極大魔法…アポカリプス・ヴェルガ‼」
 
 魔王と融合した幹部達を中心に17個の光が出現すると、魔王と融合した幹部達を包み込んでから消滅させた。
 まぁ…魔王やその部下達が死んだら何処に送られるのかは知らんが、目を覚ました時に死んだ事を自覚しているだろう。

 「終わったのか?」
 「あぁ…それでもうすぐこの大陸も消える筈だから転移するぞ!」
 「次は第三大陸か?」

 セイジュウロウの言葉を答える前に転移魔法で第三大陸に転移した。
 すると、懐かしい場所に転移していたのだった。

 「すまんなセイジュウロウ、あのままあそこに留まっていると大陸が消えてまた海の中だったからな。」
 「それは構わんが…ここは学校の校舎の中か?」

 俺は第三世界に転移した筈が、第四世界に転移していたみたいだった。
 どうも記憶が混乱して第四世界の方に来てしまったみたいだった。

 「これは…俺達の学校か?」
 「ラック…今だから話すが、お前が学校に来なかった時に校舎ごと異世界召喚が起きたんだよ。」
 「え? そんな事が起きたのか?」
 
 これを覚えてないという事は、ラックの中でアップデートが勝手に行われたという証拠だろう。
 ラックの中ではその日は休んで翌日は普通に登校した事になっている。
 第四の世界で魔王を倒した時に俺と校舎だけは元の場所に戻った。
 だが生徒達は帰って来なかったので、その後の記憶はない筈なんだが…?
 
 「俺は翌日登校した時に見知った顔が全員いたんだがなぁ?」
 「それは偽の記憶だ。 俺の知っている記憶では、校舎の中から俺だけが発見されて異世界から帰ってこなかった生徒達の行方を警察や記者から散々質問されたからな。」
 「朔夜はそれで何て答えたんだ?」
 「異世界に連れて行かれた…なんていう話をまともにしてもふざけているとしか思われないだろうから、気が付いたら宇宙船の中にいてみんな喰われていったと言っておいた。」
 「いやいや…それこそありえないだろ。 そんな話を警察や記者は信じたのか?」
 「多分信じてはいないだろう。 だが、異世界に召喚されたという話よりも宇宙人に捕まったと言った方が信憑性はあると思ったんだよ。 エリア69には宇宙人の死体があるという話だしな。」

 ラックもセイカもセイジュウロウも微妙な顔をしていた。
 
 「異世界の話が信用されなくて、宇宙人の話が信用されるなんて…」
 「実際に体験してないと信憑性は薄いからな。 霊感の無い人間に霊感があって幽霊が見えると話しても信じられないというのと同じようなもんだ。」
 「そんなもんかねぇ?」

 まぁ、普通に考えて大体そういう反応になるだろう。
 それ以外に他に思い付かなかったしなぁ。
 警察や記者は学校付近のコンビニや街灯の監視カメラを全て確認したが、移動した形跡がないと言われると、咄嗟に思い付くとしたら宇宙人説くらいしかありえないだろうからな。

 「まぁ…とりあえずその話は一旦保留として、第三世界と第四世界の魔王はどんな奴だったんだ?」
 「忘れた!…というか、あの当時の事はあまり思いだしたく無いからな。」

 魔王と戦った記憶よりも、目の前で友達が喰われていった方が衝撃だったからな。
 やたら強かった何か…という位で殆ど覚えていなかった。

 だが、意外に早く魔王との決戦になる。
 …なんだけど、魔王が名乗り出たのだが…コイツだっけ?って思うような奴だった。
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