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第七話 

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 「さて、どうしようかな?」

 目の前には家族の変わり果てた姿が転がっていた。
 こんな奴等に手を施そうなんて気は全く起きなかった。
 回復させてからまた殴る…という事もしても良かったけど、それをやるとコイツ等のやっている事と大差が無くなる。
 ここまでしておいてこんな事を言うのもなんだけど、私は別に鬼や悪魔というわけでは無い。
 私がここまで手を下したのは、コイツ等の自業自得だからだ。

 「本当に起きないわね? 雷魔法スタンショック!」
 「「「ぎゃぅお‼︎」」」

 3人は変な声を上げて目を覚ました。
 私は少し離れた場所から声を掛けた。

 「やっと起きましたか!」
 「俺は…って、いてぇ‼︎」
 「散々殴られていて顔の形が変わっているのだから痛くて当然でしょう。」

 父親も母親も姉も互いの顔を見て驚いていた。
 そして父親は私に向かって言ってきた。

 「貴様は聖女なのだろう? なら俺の顔を治せ‼︎」
 「1人につき金貨10枚…3人で金貨30枚なら治しても良いわよ。」
 「か…金を取る気か⁉︎」
 「当たり前でしょう、この世界での治癒術師の癒しは全て金が掛かるのだから!」
 「元はと言えば、貴様が原因…」

 私は指を鳴らすと、左手から先程威嚇で放った業火球を出現させた。

 「私は別に消滅させても良いんだけど? 貴方達に対して家族の情なんてこれっぽっちも無いのだから…」
 「それが聖女のやる事なのか‼︎」
 「その聖女に対して暴力を振るったのは誰よ‼︎」

 今のコイツ等に言い合いで負ける要素はない。
 コイツ…この元家族はそれくらいに頭が悪いのだった。

 「俺達をどうする気だ⁉︎」
 「死にたいのなら手伝うけど?」
 「死にたい訳がないだろう‼︎」
 「ならどうしたい?」
 「貴様にはもう関わらない! それで良いか?」
 「いつまで上から目線で話しているのよ、本当にこの業火球喰らわせるわよ!」

 私は元家族の少し手前に業火球を落とした。
 先程の様に爆風は起きなかったが、地面が高熱によりガラスに変わっていた。

 「わ…わかりました! もう二度と関わりません‼︎」
 「後、聞きたいのだけれど…カロナック王国で私に懸賞金を出したのは誰なの?」
 「グラロス王子だ!」

 あの馬鹿王子の名前ってグラロスって言うんだっけ?
 一方的に私に言い寄って来ていただけで紹介されていなかったから初めて聞いたような感覚だわ。
 
 「分かったわ! それと他の者達にも私がここにいる事は話さない様にね。 約束を違えたら、今度こそカロナック王国の領土を地獄に変えてあげるからね!」

 元家族は怯えながら馬車に乗り込み、急いでこの場を去っていった。
 父親と母親はこれ以上何もしてこないとは思うけど、あの姉だけはまた何かやらかしそうね?
 とりあえずはこれで問題は去ったけど…村の人達になんて言い訳をしようかな?
 
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