異世界転移の特典はとんでも無いチートの能力だった。俺はこの能力を極力抑えて使わないと、魔王認定されかねん!

アノマロカリス

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第三章 和平交渉への旅編

第五十三話 移動中にて…

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 あれから2日経った。

 獣人国は人間族とは違い、魔物や魔獣は気配に敏感な奴等が多い為に滅多に襲って来る事はなかった。

 まぁ、この馬車には世界を征服しようとしていた魔王が乗っている訳だし…こんな化け物じみた者に襲いに来る魔物や魔獣はいないだろう。

 「あの…ヒカル殿?」

 「なんだ?」

 「前々から思っていたのですが…ナレーションが少しおかしくはないですか? 私が乗っているから魔物の襲撃がないと言っていますが、ほとんどヒカル殿の発する気配が恐ろしくて誰も近寄れないんですよ!」

 「そうだよな、ヒカルの兄貴が魔物達は愚か…同族に伝わる威圧っぽいのを垂れ流しているから誰も近寄ろうとはしないんだよ。 この街道はリゾート地に向かう道なのと、これだけ高価そうな馬車なら盗賊達は黙っていない筈なんだけどな。」

 「気配の敏感な獣人族ですら寄せ付けないほどの気を放っているというわけですか!」

 「アヴェルの兄貴の言う通りだよ。 アタイ達の種族は判断を間違えると死に直結するからな、相手を見て冷静に対処しないとすぐに命を落とす者が多いんだよ。」

 そのすぐ命を落とすのは血気盛んな若者が多いのだろうな。

 逆にベテランや年配は冷静に対処をするんだろう。

 …と、ここで1つ言っておく。

 レオーネは俺の事を界王や様と呼ばない代わりに、俺やアヴェルユージェンの事を兄貴と呼び、ミンフィーリアの事を姐さんと呼ぶ事を許した。

 少し変な感じがするが、慣れるとそうでも無かった。

 「それにしてもこの馬車は快適だよな!」

 「この馬車の中は本当に快適なのよねぇ、この馬車の快適さを知ると下手な宿に泊まるのが躊躇う程にね。」

 レオーネとミンフィーリアは顔を合わせて頷く様に言った。

 ミンフィーリアはコミュ力が高いのか誰とでも打ち解けた。

 ただアレナの時と違ったのは、レオーネの事を妹の様に接しているので緊張感とかはあまりなかった。

 同年代だと気を使うが、年下だとそうなるのか?

 それ以外にもミンフィーリアとレオーネは一緒に風呂に入る仲でもあった。

 そしてミンフィーリアは俺からスリッカーブラシをの技術を学ぶと、俺がやりたかったレオーネのブラッシングを代わりにやっていた。

 レオーネ曰く…俺の手でブラッシングやマッサージはもう少し先にしてほしいとの要望だった。

 もふもふし放題だと思っていたのだが、当分はお預けになってしまった。

 その様子を見ていたアヴェルユージェンは、俺の肩に手を置いて同情する様な顔で頷いていた。

 その姿に腹が立った俺は、ミンフィーリアにレオーネと一緒に寝てくれないかと頼んだら…ミンフィーリアもレオーネもOKを出していた。

 獣人国に来る前はアヴェルユージェンとミンフィーリアは同じ部屋の同じベッドで寝ていたのだが…それが当分無くなると思うとアヴェルユージェンは落ち込んでみせた。

 俺はざまぁみろと言わんばかりの表情をアヴェルユージェンに向けると悔しそうな表情をしていたのだった。

 「どうせだったらヒカル様も旦那様と一緒に寝たらどうですか?」

 「いや、それはごめん被る!」

 「流石に男同士で寝るのは嫌だからですか?」

 「アレナが同行していた時に村人達を馬車に乗せていた時があっただろう? その時にベッドが2つしか使えなくて…俺はアヴェルユージェンと一緒に寝ていたんだが、目が覚めたら目の前にアヴェルユージェンの顔があった時に魔王の姿で口を開けていた時に思わず消し飛ばしそうになった事があってな。」

 「寝ている時には擬態が解けますからね、するとあの姿になってしまうんですよ。」

 「ミンフィーリアは平気かもしれないが、俺はもう二度とごめんだ!」

 目が覚めた時にアヴェルユージェンの顔が目の前にあった時は喰われると錯覚したものだ。

 まぁ、アヴェルユージェンにはその気がないかもしれないが…あの鋭い歯は恐怖を感じさせられる。

 するとレオーネは首を傾げていた。

 アヴェルユージェンは本来の姿をレオーネには見せてはいないからそんな反応なのだろう。

 「レオーネはアヴェルユージェンの素顔を見てみたいか?」

 「アヴェルの兄貴の顔って他にあるのか?」

 「あるぞ~この世の凶悪な犯罪者よりも酷い人相的な顔が…」

 「ヒカル殿、それはあまりにも酷くはないですか?」

 アヴェルユージェンは溜め息を吐くと、レオーネの前で擬態を解除した。

 すると擬態を解いたアヴェルユージェンの素顔を見た瞬間に、数歩下がってから険しい表情で威嚇をする様なポーズを取って「フーーーッ!」と叫んでいた。

 「私の顔はそんなに恐いのでしょうか?」

 「俺にはアヴェルユージェンの顔は悪魔だと言われても納得できるよ。」

 アヴェルユージェンは擬態の姿に戻ると、レオーネは威嚇のポーズを解いた。

 まぁ、あの顔が目の前にいたら誰だってそうなる。

 レオーネも子供だが幼くはないからあんな感じだが、幼い子供が見たら泣き叫んでいるだろう。

 他にもアヴェルユージェンには厄介な癖がある。

 その為に一緒になるのは遠慮したかった。

 別に男同士で寝るのは多少気持ち悪い事を除けばそれ程抵抗は無い。

 まぁ、アヴェルユージェンの事を信じているから一線を越える事は無いとは思うが。

 「そろそろ飯にするか、お前等用意しろ!」

 3人はテーブルの上を片付け始めてから皿を並べていった。

 俺は作った料理を皿に盛り付けていくと食事をし始めたのだった。

 「レオーネ、リゾート地までは後どれ位だ?」

 「この様子では明日には着くね。」

 待っていろよ、水着に女の子達!

 すぐに向かうからな~~~‼︎

 …ところが思っていたリゾートとは少し異なるのだった。
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